2012年度予算要求前文&重点項目

2012年度予算要求前文&重点項目

2011年12月12日

川西市
市長 大塩 民生 様
教育長 益満 良一 様

日本共産党議員団
住田由之輔 黒田美智
北野紀子  森本猛史

(この内容のPDF版はこちら)

2012年度予算編成に当たって

 東日本大震災から8か月が過ぎました。被災地では寒い冬を迎えていますが、仮設住宅からは、寒さ対策への要望が聞こえるほど、十分な対策が行われていません。何とか自宅で踏みとどまっている皆さんも、これまでの生業が復活できておらず、将来に対する不安を抱えて過ごされています。
 福島原発事故によって故郷を離れざるをえない方は、より深刻な状況に直面しています。故郷に帰るめどが全く立たず、警戒区域が解除された方にとっても、除染が進まない中、特に若い世代は不安で帰宅できない状況が続いています。
後手後手の国の政策の中、当市など地方自治体が積極的に支援に入り、被災自治体からは大変感謝されています。ご苦労様です。
 世界の情勢はギリシャを震源にユーロ圏内での金融不安、アメリカの巨額の赤字、発展途上国の経済成長の鈍化など、世界的に経済が振るわない中、日本のとるべき道は、社会保障の充実を含め国民のくらしを守る政策を柱に内需の拡大政策であるはずです。
 ところが震災・原発事故からの復興が最優先課題であるにもかかわらず、野田政権はTPP(環太平洋連携協定)参加を表明し、関税を原則ゼロにする政策で、復興どころか、農林漁業を含め、被災者の生業を奪い、日本の経済をどん底に落とす方向にかじを切りました。
 活力あるアジア経済を取り込むどころか、アメリカの戦略によって、主食のコメをはじめ日本農業を破壊し、一握りの企業のもうけのため、中小零細企業や国民が多大の被害を受けます。けっして国益のためにはなりません。地方からもTPP参加断固反対の声を上げるときです。
 また、復興財源にと25年間で庶民には8兆1000億円の所得税・住民税の増税を押し付けながら、大企業に対しては17兆6000億円の減税をするという、プラスマイナスで財源を生み出すことができない復興支援策まで出しています。
 その上に消費税を10%まで引き上げると諸外国に表明。これでは国民の生活は成り立ちません。野田総理の言う国益とは、国民の利益ではないことだけ確かです。
 こんな中で市の財政は2010年度決算で「単年度黒字」になったとはいえ、国の景気対策大盤振る舞い予算、職員の削減や賃金の引き下げ、土地の売却益で帳尻合わせ、国保会計への繰入金大幅削減でなしえたものと理解しています。
 黒字決算になったとはいえ、市の財政が大変であることに変わりはないと認識もしています。だからこそ、市民の税金を大量に投入する大型開発「中央北地区整備」事業をせめて先延ばしし、そこで使う予定のお金を他に回せば、市民のくらしを守る政策が拡充できると考えます。お金がないのではなく、使い道を変えることで、国の悪政から市民を守る防波堤としての政策が期待できるのではないでしょうか。

 2012年度予算編成へ向けて、そのことを施策として掲げ、以下の市民要望を実現すべく提出します。

≪重点項目≫

1、国に対して市民の命、くらしを守る立場で以下の事項を要求すること。

・東日本大震災の復興は国が責任を持つことを要求し、福島原発事故で多大の被害を与えている原子力発電から、自然エネルギーへ切り替えるべく提言し、当市においても太陽光発電など再生可能エネルギー発電を推奨すべきこと。
・市民の生命、財産を守る立場で、防災計画を点検し、拡充を図ること。
・日本人の主食であるコメの自給率が1割以下になるのをはじめ、農産物自給率が13%まで下がってしまい、日本の農林水産業を破壊に追いやり、復興の妨げにもなるTPP(環太平洋連携協定)参加は断固反対の立場を表明すること。
・復興支援の名の下、8兆円もの所得税・住民税の増税は、同時に行う17兆円の大企業減税で復興に回らないばかりか、不足する9兆円は消費税の引き上げ等で庶民への増税で対処されようとする庶民大増税に反対すること。
・「税と社会保障の一体改革」は、市民のくらしを困難にするだけでなく、自治体の負担増へもつながる。社会保障制度の後退ではなく、充実を国の責任で行うべく要求すること。

2、日米軍事同盟強化に反対し、海外派兵、大軍拡計画はただちにやめるよう国へ働きかけること。

3、2012年1月から2月にかけて予定されている日米共同方面隊指揮所演習「ヤマサクラ61」は、情報ネットワーク「APAN」で公表されたとおり、中国と北朝鮮を想起させる国の連合軍が日本に侵略し、侵攻阻止の防衛戦闘を実施する陸上自衛隊中部方面隊を米軍地上部隊が支援し、「侵略軍」を打破する内容になっています。
 日本政府は2010年閣議決定された「防衛計画の大綱」で「本格的な侵略自体が生起する可能性は低い」と述べているとおり、非現実的なシナリオであり、「ヤマサクラ61」は、米軍が演習の目的をアジア・太平洋地域の即応態勢強化と位置付けており、アメリカが行う戦争に日本を参加させるものです。
 市として、憲法9条の精神を活かし、再び政府が間違った道を歩むことのないよう、予定されている「ヤマサクラ61」を中止するよう申し入れを行うこと。

4、国に対して、地方交付税、補助金の削減を許さず、拡充するよう働きかけること。
 また、労働法制の給与削減・規制緩和などの改悪をやめること、及び、地方公務員の給与削減に拍車をかける「交付税の見直し(ペナルティ)」はやめるよう強く意見を述べること。
 自治体間格差が広がる原因となる一括交付金化や一般財源化を行わないよう強く意見を述べること。

5、兵庫県・県教育委員会に対して、兵庫県高等学校通学区域検討委員会が答申を出そうとしている「県立高等学校通学区域の拡大・見直し」は、中止するよう強く求めること。
6、国や地方政治の責任でつくり出された財政難を、市民、職員に負担転嫁しないこと。市民のくらし・福祉・教育環境整備を最優先させること。

7、自治体病院として、地域住民の医療の拠点として市立川西病院の存続・拡充をはかること。

①「自治体病院」として堅持することを明確に掲げ、医師確保を行うこと。
医師が働きやすい環境を整備すること。
②公立病院の赤字原因である診療報酬引き下げ、医師不足、医療保険の改悪など、国の低医療費政策を改めさせること。
③産科、小児科、救急医療など「不採算部門」を担っている公立病院を支援できるよう国に交付金額を増額するよう働きかけること。
④財政協力を含む一市三町の広域連携をはかること。
⑤病院への交通網の確立を急ぐこと。
8、責任だけを押しつける「地域主権」や「道州制」に反対し、川西市は、自治体として「住民福祉の増進(地方自治法第1条)」が責務であることを明確に、行政を担う
こと。

 政府の構造改革路線「新しい福祉」「小さな政府」は国の責任を放棄し、地方行政に仕事のみを押しつけるものです。民営化、自治体独自施策の廃止は、自治体本来の「住民福祉の増進」から逆行します。「経費削減・経営優先」だけで突き進むのではなく、市民の利益優先、安心と安全を最優先に行政施策を行うこと。
 特に、「消防の広域化」は、国や兵庫県の計画追随ではなく、それぞれの自治体で、「国基準に近付けることが責務であること」を優先させること。

9、中央北地区開発は市の財政が大変な状況であり、川西市全体のまちづくりとの整合性を堅持すること。中央北地区開発に係る計画作成は全市民にしっかり情報を提示し、幅広く意見を聞くことを基本にし、計画に反映させること。
 計画作りにあたっては、既存の商店・住宅などを考慮し、規模の縮小、事業費の圧縮をはかること。

10、市として、交通弱者に対して、また、交通空白地域に対して、早急に交通網の確立を行うこと。

11、「国崎クリーンセンター」の稼動について
データーなどの情報・管理運営について市町に対して速やかに開示・説明し、住民の納得を得るよう徹底すること。
 建設地である市として、周辺の環境、文化財の保全を行うこと。

12、指定管理者制度について
①指定管理者制度は見直し、廃止するよう国に対して求めること。
②市民へのサービス低下、施設で働く人々の労働条件の悪化が明らかになってきている。事業運営については公平性・透明性が担保されていないなど、公の施設の設置目的である「公共の福祉の増進」に相容れないものであるため、直営にもどすこと。

13、「児童福祉法」に明記されている国や自治体の責任があいまいにされる「こども子育て新システム」の導入には反対すること。

14、子育て支援について
 安心して子どもを生み育てることができるよう、すべての子どもの権利を守る内容であること。
①子どもの医療費無料制度を国の制度とすることを求め、自治体独自助成を上乗せすること。どの子も医療費は中学校卒業まで無料にすること。
④地域・保育所(園)・幼稚園・小・中学校など、地域の子育て連携ができるよう十分な支援をすること。

15、中学校給食の完全実施を行うこと。

16、医療への助成について
①先進国では当たり前の窓口負担ゼロをめざし、負担軽減をすすめるよう国に働きかけること。
②後期高齢者医療制度を廃止すること。
③70歳から74歳の医療費窓口負担1割から2割への負担引き上げをやめさせること。市単独でも支援を行うこと。
④65歳以上高齢者に「肺炎球菌ワクチン」接種への助成を行うこと。
⑤障がい者(児)、75歳以上は医療費を無料にすること。
⑥低所得の方へ入院時の食費補助を行うこと。
⑦子宮癌、乳癌検診の無料化を行うこと。
⑧妊婦検診(14回分)の補助を継続するよう国や兵庫県に要求すること。

17、介護保険制度の見直しによって、介護を受ける方のサービスが低下しないように市としての取り組みを進めること。
 「人間の尊厳」が堅持できる介護保険制度になるよう、国に対しても意見を述べること。

18、「障害者総合福祉法」がH25年からはじめられようとしています。市としても来年度からの3カ年の「第3期障がい福祉計画」策定がなされているところですが、ひとりひとりの障がい者(児)が、「障害の有無によってわけ隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しあいながら共生する社会」となるよう、国に対して、予算措置をすることを含め、強く意見を述べること。市としても個々人が誇りをもって生活できる街づくりとなるよう、具体的施策を進めること。

19、国民健康保険税について
①赤字分とは別に、一般会計からの繰入を行い、国保税を1万円の引き下げること。
②市民のいのちを守りきる立場で十分な相談、連携・支援を行うこと。
「短期証明書」「資格証明書」は発行しないこと。
③国の医療費負担割合削減を元に戻すよう意見を言うこと。
(市の独自施策に対して、ぺナルティで負担金等を削減するなど、国のしばりをやめるよう強く意見を言うこと。)
④能力に応じた税負担にし、市独自減免制度の拡充を行うこと。
特に、理由のいかんに関わらず、前年度より所得3割減の方は「減免対象」とすること。
⑤住民の税負担が増え、住民の声が届かず、住民の実態が見えなくなる「広域連合化」には、反対すること。

20、国のバリアフリー計画の存続を求め、まだ、未整備になっている能勢電鉄「笹部」「一の鳥居」「鶯の森」「滝山」「絹延橋」、JR北伊丹駅北口の整備を進めること。

21、公契約条例の制定を行うこと。

22、住宅リフォーム助成制度の創設を行うこと。

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