日本共産党議員団は11月16日、市長と教育長に書を提出しました
➔ 2024(令和6)年度予算編成にあたっての要望書(前文)(PDF)(下段に掲載)
➔ 2024(令和6)年度予算編成にあたっての要望書(重点項目)(PDF)
➔ 2024(令和6)年度予算編成にあたっての要望書(詳細)(PDF)
以下は「予算編成にあたっての要望書(前文)」です。
=========================
2023年11月16日
川西市
市 長 越 田 謙治郎 様
教育長 石 田 剛 様
日本共産党議員団
黒田美智
北野紀子
吉岡健次
2024(令和6)年度予算編成にあたっての要望書
消費税増税から、コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵略、燃料費高騰等によりあらゆる物価が高騰し、国民・市民の生活を圧迫しています。新たにインボイス制度導入による増税も強行され、長年地域で頑張ってきた事業者も継続を断念しなければならい事態に陥っています。
30年に渡り非正規雇用の拡大と低賃金に抑えられ続けた上に、度重なる消費税増税や社会保障の負担増により、市民のくらしは物価高騰に耐えがたい状況に陥っています。
世界の106か国が景気対策として消費税など付加価値税の減税を行っており、消費税の5%減税と、全国一律で最低賃金を1,500円に引き上げることを強く国に求めるべきです。
川西市においても、くらしと営業を続けられる支援の充実、社会保障と教育・子育て施策の充実をはかる予算編成を行い、上下水道料金の消費税負担を廃止し、市が管轄する分野における賃上げを速やかに行うことを強く求めます。
病院事業が指定管理者制度に移行してから4年、公立病院の役割を熟知する医師・看護師等の職員が減るなか、市立総合医療センターが昨年9月に開院して1年が経過しました。
新型コロナウイルス感染症だけでなく新たな感染症への備えが懸念されるとともに、インフルエンザや熱中症など同時期に増える救急医療に対して対応できる体制の充実を求める声は少なくありません。市内の病床が158床も削減された上に、北部地域では2次救急病院が無くなり、市民と約束していた北部診療所の建設とシャトルバス運行が反故にされ、医療体制が脆弱になったことへの不安と不満が増大しています。
子どもの医療費について、2023年7月より高校3年生世代までの入院費無料化と、中学3年生までの通院費が所得制限無しで無料化が拡充されました。一方、県下ではすでに25の自治体で高校3年生まで通院費の無料化が進み、うち17自治体は所得制限なしとなっています。川西市としても、早期に高校3年生世代までの医療費完全無料化を行うことを求めるとともに、国・県に対して全ての交付金ペナルティを止めるように強く申入れることを求めます。
川西市は、豊かな自然環境と交通利便性により住宅都市として発展してきました。昨今、現役世代の働き方が様変わりするなか、働きながら安心して出産・子育てができる環境を整備することは重要な課題です。保育所・留守家庭児童育成クラブの待機・保留児童を早期に解消し、保育施設の整備とともに保育の質の向上、0歳児から2歳児の保育料無償化、保育所、認定こども園の給食費無償化など、川西市に住むすべての児童を対象とした保護者の負担を軽減する施策に取り組むことを求めます。
特に、これまで地域の子育て環境を支えてきた公立幼稚園においては、国が3歳児からの幼児教育・保育の無償化を進めるなか保護者のニーズにも応じず3歳児保育を行わないことから定員割れが拡大しています。地域から施設存続を懸念する声も広がっており、世代継承を課題としているまちづくりに大きな影を落としています。公立幼稚園での3歳児保育や給食実施、延長保育の充実を早急に実施することを強く求めます。
昨年2学期より中学校給食がスタートし多くの市民・保護者が喜んでいます。また、昨年度は物価高騰対策として2,3学期の学校給食を無償にしたことも子育て世代を支え応援する施策として大きな役割を果たしました。
一方、中学校における食育について、生徒や保護者、教職員など学校関係者だけでなく、市民にも広く理解を広げ、安心・安全を第一に給食センターに職員配置をしっかり行いより良い給食にするとともに、地産地消による食材確保で地域経済・農業の活性化を図り、給食費無償化の完全実施を強く求めます。
高校・大学・専門学校など高等教育に通う学生、保護者への経済的負担は深刻な状況にあり、進みたい進路を諦めざるを得ない状態にあります。また、進学した後も学費や生活費のためアルバイトなどの就労に苦しみやむを得ず退学することや、卒業し社会に出る際に巨額の借金を抱えるなど、若者が未来に希望を見通せない深刻な事態を引き起こしています。
国に対して、高等教育の学費軽減と入学金制度の廃止、給付型奨学金制度の対象者や支給額を大幅に拡充を強く要望し、川西市としても独自に給付型奨学金制度を創設し若者支援を拡充することを求めます。
南海トラフ大地震など震災対策及び、毎年頻発する集中豪雨、巨大台風など大災害への対策や、河川や急傾斜地対策など防災・減災のまちづくりが急務です。避難所運営など、地域任せにせず、連携・協力体制の構築することが市の責務です。
川西市は、昨年ゼロカーボンシティ宣言を表明しました。気候危機打開に向けて二酸化炭素の排出量を2030年までに2013年比50%削減、2050年までに実質排出量ゼロを目指すことは高く評価するものです。公的施設における省エネ推進や、小中学校など公的施設に太陽光パネルするなど再生可能エネルギーへの転換を図るなど、地域・家庭・民間事業者とも協働して促進していく施策に取り組み、市民と一体感を持って推進していくことを求めます。
一方、政府は最もCO2排出量が多い石炭火力発電所を未だに新増設し、福島の事故を顧みず原子力発電依存の立場を取り続け、原発汚染水を漁業者などの理解を得ずに処理水として放出するなど許せません。市として、国に石炭火力発電所の廃止や、原子力発電所の再稼働中止し、エネルギー自給率の向上に努めるように強く意見することを求めます。
国際社会では、ロシアによるウクライナ侵略に続き、パレスチナ・ガザ危機という重大な事態が起きています。私たちは、ロシア軍の早期撤退、ハマスによる無差別攻撃を許さず人質解放を求めるとともに、イスラエルによるガザ攻撃中止と即時停戦を強く求めます。
特にイスラエルによるガザ攻撃は、病院など民間施設や難民キャンプにまで被害が出ており、4千人を超える子どもたちが犠牲になるジェノサイドの危機となっており、国際法にも反する行為です。しかし、世界で最も進んだ恒久平和を求める憲法を持つ日本の政府はアメリカに忖度しイスラエルへの批判を行わず「即時停戦」「休戦」に背をむけ続けており許せません。
また、こうした紛争を背景に、敵基地攻撃能力の保有や軍事費の2倍化計画、伊丹駐屯地や川西駐屯地など自衛隊基地の強靭化を進め、自衛隊を米軍と一体化する動きも懸念されるなか、改憲を狙う声が与党などから上がっていることも看過できません。
軍事対軍事の道には未来がなく、悲惨な歴史を繰り返すことになります。憲法9条を守り、憲法を活かした平和外交を進めるべきです。
非核平和都市宣言を掲げた川西市から、核兵器禁止条約への署名・批准を早期に行うこと、大軍拡・大増税を止めること、沖縄県民の創意を尊重し辺野古新基地建設を中止すること、敵基地攻撃能力を自衛隊に配備する計画を見直し、米軍との一体化を止め肥大化する軍事予算を減らすことを政府に強く意見することを求めます。
ジェンダー平等社会が世界で大きく進むなか、「パートナーシップ宣誓制度」の地域連携協定が昨年阪神間で結ばれました。引き続き、「ファミリーシップ制度」の早期導入や、選択的夫婦別姓の実現を政府に求めるなど、個人の尊厳を大切にする社会、全ての人々が輝ける社会の実現、ヘイト等の差別を許さずあらゆるハラスメントの根絶、人権を守る自治体の姿勢を堅持して取り組むことを求めます。
川西市は、行財政改革という名のもと職員を大幅に減らし続け、慢性的な人員不足に陥り補うために会計年度任用職員などの雇用を拡大してきました。資格や技能を持つ人材を必要とする職場で非正規雇用を常態化したことにより専門家の確保が危惧され、市民サービスにも悪影響を及ぼします。
全国的にも非正規雇用が増えたことにより、就労していても生活困窮となる市民が増え、特に女性や若年層に影響を及ぼしています。若者が将来を見通せて働けるように、最低賃金を大幅に引き上げ、継続的に8時間働けば普通に暮らせる労働環境の整備が急務です。
市民の役に立つ市として、市民へのサービス低下を防ぎ、職員が公務員としてやりがいをもって働くことができる労働環境を整えるべきです。
川西市は、憲法の理念、地方自治法の理念に則り「住民福祉の増進」を政治の基本として貫くべきです。南北に長く自然環境を維持した住宅都市として発展してきた川西市、「どこに住んでいても安心してくらし続けることができるまちづくり」を根幹に置くことが重要です。
国の制度が悪くなるなか、自治体には市民の生活・くらしを守る防波堤の役割が強く求められます。より魅力あるまちへと発展させて、歳を重ねても安心して住み続けることができる社会保障の充実を図り、世代継承を進めていくためにも、住民に寄り添った施策を職員一丸となって展開することを求めます。
私たち日本共産党議員団に寄せられた市民の声をもとに、市民を真ん中に置いた施策が実行されるよう、2024年度予算編成に際し別紙のとおり具体的に要望します。