2017年3月議会:北野のり子 高齢者おでかけ支援制度の存続求める請願 賛成討論

請願 第2号 高齢者おでかけ支援制度の存続と充実を求める請願について

2017年3月24日
日本共産党議員団 北野のり子

 市民のみなさんの強い要望を受け一旦廃止になった交通費助成制度は、大塩市長の公約のもと、70歳以上の高齢者に交通費を助成することで、生きがいづくりや外出促進を目的に実施され、多くの市民に大変喜ばれ評価の高い制度だと認識しております。

 しかし、2015年度より、おでかけ促進事業の交通費助成予算を健康マイレージ制度拡充や公園健康遊具設置事業へ組み替え、健康増進事業充実を図ることを理由に助成額、3000円から2016年度は、2000円に減額し、2017年度はとうとう廃止になりました。

 市長は、2月27日に行われた総括質問で「交通費補助については、費用対効果や公平性、施策の優先度を考えると現時点ではその必要性はない」と答弁され、市としての考え方を示されています。

 しかし、繰り返し申し上げているとおり高齢者お出かけ促進事業は、70歳以上の対象者の78%と高い利用率を維持し続け、申請すれば100%利用可能です。さらに予算のほぼすべてが直接利用者へ助成金という形で還元されます。

 一方かわにし健幸マイレージは、2017年度予算5357万円の54%が、健康ポイントシステムや健康測定会運営等の委託料に使われ、2100人全員利用したとしても40歳以上の対象者のわずか2.08%の利用率です。

 さらに高齢者お出かけ促進事業の対象者は、要支援1・2、要介護1・2の方も含まれ、引きこもり予防や社会参加等による健康維持につながり、費用対効果の点からも必要な施策と言えます。

 今回出された請願趣旨に、年金生活者の約半数が国民年金で生活し2000円の助成金が暮らしの支えにもなっていると訴えておられます。

 ご存知の通り、2017年度の年金支給額を物価下落に対応し、0.1%引き下げることが発表されました。高齢者の暮らしは、日々の暮らしに直接的な影響の大きい生鮮食品など物価下落の実感がないばかりか、物価指数には反映されない年金からの天引きの医療・介護保険料等の負担増に厳しい生活を強いられている実態が横たわっています。経済的負担軽減につながる交通費助成が、高齢者にとってかけがえのない支えだと言えます。

 また、交通権、どこへでも安全・快適に自由に移動できる権利をと切望されており、憲法13条、憲法22条、憲法25条を実施する具体的な権利でもあります。

 団塊の世代が退職し、通勤者の減少による公共交通の需要構造が今後大きく変化することによる乗降客の確保が課題になっています。制度の存続と充実を行うことが、こうした課題解決の一助となり公共交通を守る大きな役割を果たすことにつながります。今回、議会に署名が1047筆が届けられています。

 ぜひ、請願趣旨を汲み取っていただくことを申し上げ賛成討論といたします。

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