2017年12月議会 北野のり子 指定管理者等5議案に反対の討論

議案 第62号 川西市文化会館の指定管理者の指定について
議案 第63号 川西市キセラ川西プラザの指定管理者の指定について
議案 第64号 川西市キセラホールの指定管理者の指定について
議案 第70号 川西市事務分掌条例の一部を改正する条例の制定について
議案 第71号 川西市職員定数条例の一部を改正する条例の制定について
日本共産党議員団を代表して反対討論を行います。

2017年12月25日 日本共産党議員団 北野のり子

 まずはじめに、議案 第62号 川西市文化会館の指定管理者の指定について
反対討論を行います。

 公益財団法人 川西市文化・スポーツ振興財団は、川西総合体育館をはじめ市民温泉プール、みつなかホール、川西市文化会館等の施設指定管理者として管理運営を通じて体育・スポーツ及び芸術・文化の振興に関する事業等を行っています。目的である心身ともに健全な市民の育成及び個性と魅力あふれる地域文化の創造にも寄与されています。

 しかし、昨年8月に市民体育館・市民運動場の管理運営が民間に移り、文化会館の管理運営も現在、建設工事が進められている低炭素型複合施設完成後は、PFI事業者が維持管理運営を行うことになりました。

 経験と実績のある財団がその役割を終えることになり、本来なら5年間の指定期間が、平成30年4月1日~9月30日の6か月とする議案です。
平成18年度より指定管理者として創意工夫し、実績を積んできたことを評価し、川西市文化・スポーツ振興財団を指定管理者としてこれまで通り、継続するべきだと考えます。さらに、事業収入、職員数への影響があることからも反対致します。
続きまして、議案 第63号 川西市キセラ川西プラザの指定管理者の指定について反対討論を行います。

 市ではこの間、財政難でも立派な公共施設を建てられる特殊な手法であるかのように民間事業者に公共施設の企画から設計・仕様・建設などを包括的にまかせるPFI手法を採用しています。本議案は、公益財団法人 川西市文化・スポーツ振興財団に代わって川西市キセラ川西プラザの維持管理・運営を平成30年9月25日から平成50年3月31日までの間、川西市低炭素型複合施設PFI株式会社を指定管理者として指定し、維持管理・運営をさせるという内容です。

 指定管理料相当額は、維持管理費6億4521万3000円、運営費3億8681万3000円、SPC諸経費1億3110万8000円、総額20年間で、11億6313万4000円。民間事業者に長期間にわたり多額の収益をもたらすもので、住民の立場や地域経済の均衡ある発展の視点が欠けています。
地域経済の均衡ある発展のためには、住民の福祉サービスの質につながり、かつ働き手の雇用の質が確保され、消費と税収に貢献されなければなりませんが、PFI事業者による指定管理者は、サービスの質が必ずしも高くなく、働き手の雇用は非正規労働者が中心であり、地域の消費購買力の向上や税収の向上に直結しないと考えます。

 公共施設はPFI事業者の収益のためのものではなく、住民の平等な利益のためのものであることからも本議案に反対致します。

 続きまして、議案 第64号 川西市キセラホールの指定管理者の指定について反対討論を行います。

 本議案は、川西市キセラホールの維持管理・運営を平成30年11月3日から平成50年3月31日までの間、川西市低炭素型複合施設PFI株式会社を指定管理者として指定し、維持管理・運営をさせるという内容です。

 指定管理料相当額は、維持管理費9億7316万7000円運営費9億7960万3000円、SPC諸経費1億1513万2000円、総額20年間で20億6790万2000円。川西市低炭素型複合施設PFI株式会社は、議案第63号の指定管理料と合わせて実に32億3103万6000円もの巨額の収益を確保することになります。

 しかし、地域経済への好循環は期待できない等、議案第63号と同等の理由で反対いたします。

 続きまして、議案 第70号 川西市事務分掌条例の一部を改正する条例の制定について反対討論を行います。

 行政課題に柔軟かつ適切に対応するため、行政組織の再編整備を行うことを理由に本議案が提出され、平成30年度の主な行財政改革の取り組み項目にも組織再編と人員配置、時代に対応した組織体制の見直しや5年間で管理職19人削減、6億7100万円の効果額があると説明を受けました。

 今回の改正案によると市長部局7部21室33課から7部40課、教育委員会事務局2部4室22課から2部19課へと室をなくし責任・権限の明確化、新たに副部長を導入するとしています。

 しかしこの間、行政組織改正が毎年のように行われ、職員自身も所属部署名を間違える場面も見受けられ、市民はもとより組織内部に対しても混乱を招く可能性や何よりも市民にとって簡素でわかりやすく、利用しやすい組織・機構なのか。また、住民サービスの影響を受けやすい上下水道局の窓口業務が民間委託されることで、これまでのサービスが維持されるのかという点からもこの議案に賛成できません。

 さらに、10月21日、川西市選挙管理委員会職員の交通事故が発生し、事故を起こした事務職員が9月19日から1日も休みがなかったこと、残業時間が月100時間を超え、繁忙期だと言え過労死してもおかしくない水準で仕事に追われていたことが報じられました。

 市として今回の事故を踏まえ、職員が仕事に意欲と希望を持ちながら、よりよい川西市を創るために組織力が発揮できるよう各課の業務量を把握し、適切な人員配置を含めた体制構築を最優先することを求め、反対討論と致します。

 続きまして、議案 第71号 川西市職員定数条例の一部を改正する条例の制定について反対討論を行います。

 本議案は、市長部局の職員が農業委員会事務局の職員を併任することに伴い職員定数が3人から6人へと変更する内容で、職員定数が増える点だけを見れば反対するものではありません。しかし、平成28年4月より改正「農業委員会等に関する法律」の施行により、農業委員会のもっとも重要な業務が「農地等の利用の最適化の推進」であることを明確にすること、担い手への農地利用の集積・集約化、遊休農地の発生防止・解消、新規参入の促進の推進が必須業務に位置付けされました。その中心となる全ての農地を対象に利用状況調査や遊休農地対策への取り組み強化が求められ、業務量が増えることによる本来業務へ影響、反対の立場を表明している先の議案第70号と本議案が関連していることからも反対であることを申し上げ討論を終わります。