義務教育費国庫負担制度の1/2復元と堅持に関する請願 土谷議員賛成討論

義務教育費国庫負担制度の1/2復元と堅持に関する請願 土谷議員賛成討論

 高校入学から大学卒業までにかかる費用は、子ども一人あたり平均1000万円余に上り、耐え難い負担となっています。貧困と格差の
広がりは、高すぎる学費のために中途退学者を増やし、私立大学では年間1万人の学生が経済的理由で退学しています。それだけに子育て支援と言うなら、この重い教育負担の軽減は避けて通れません。教育費の父母負担の軽減は、父母、国民の切実な願いです。ご一緒に実現させようではありませんか。
 義務教育国庫負担制度は、憲法26条、教育基本法に定められた国民の教育を受ける権利に対する、国としての財政責任を明らかにした制度です。そして、その目的には、義務教育無償の原則にのっとり、国民のすべてに対してその妥当な規模と内容を補償するため、国が必要な経費を負担することにより教育の機会均等とその水準の維持向上を図るとしています。
 ご承知のとおり、教職員の人件費は都道府県が支出していますが、国がその2分の1を負担してきました。市町村の財政力の格差によって教育条件が左右されないようにしようとするものです。この仕組
みは、戦後およそ半世紀にわたって日本の教育制度を支えてきましたところが、三位一体改革は義務教育に対する国が負うべき責任を放棄することに道を開き、地方財政に負担を転嫁しました。そのことによって、小人数学級の推進、学校施設、就学援助など教育条件整備に自治体間格差を生んでいることは問題です。自治体の財政力や父母の所得の違いによって教育条件が左右されることがあってはなりません。そもそも、教育機関への日本の公的支出は世界でも最低レベルです。OECD28カ国中27位。日本の国内総生産(GDP)に占める割合は3.3%で、各国平均4,9%から大きく下回っています。ちなみに、アイスランド7.2%、デンマーク6.7%、スウェーデン6.2%、フィンランド5.9%です。日本がOECD諸国並みに教育予算をつければ、大幅増額が可能です。今求められるのは、教育予算を抑制・削減することなく、国民の願いに応えて大幅に増額、充実させることです。憲法、教育基本法をいかし、国庫負担率を2分の1にもどすと同時に、制度を堅持することを強く国に求め、本請願への賛成討論とします。

 「日本共産党川西市会議員団ニュース」第51号(2009.11.12.)