現行保育制度の堅持・拡充と 保育子育て支援予算の大幅増額を求める意見書
多数で可決 住田議員賛成討論
かって保育所に預ける理由は「社会的」が多く占めていましたが、近年「経済的」理由が多くなっています。特に昨年から今年にかけては、世界的経済不況により、各世帯の実質収入が減る中で家計の一助に仕事に就くとして、保育所を求めておられます。その結果今年度は待機児童が急激に増えています。
これら状況を踏まえて保育所の早急な増設が要望もされています。
国は、待機児童の解消策として「新しい制度」をつくるとし、9月8日に社会保障審議会の少子化対策部会の中の保育第一専門委員会が開催され、明日30日には、少子化対策部会が開催されます。ここで議論されていることと今回の請願・そして意見書案は関連しています。それは現行の保育制度を変えることが委員会で検討されているからです。変えようと検討している大きな柱は2つあります。ひとつが保護者と保育所施設が直接契約を結ぶ制度にしようとすること。もう一つが指定事業者制度を柱に据えることです。
直接契約制度になれば保育所が自由に選べると宣伝されています。確かに自由に選べます。しかし施設の定員がいっぱいであれば入所はできません。当然ですね。これまで入所できないのは自治体が保育所を増設してこなかったからだと責任が自治体に問われていたものが、直接契約になると入れない保護者に責任が転嫁されてしまいます。矛盾がおきてきます。
今の制度であれば保護者は自治体に希望する保育所を示し一定自治体の責任で振り分けしていました。直接契約になれば保護者は自治体へ「保育上限量」・預ける時間の量の「認定証明書」の交付申請することになります。それをもって希望する保育所に行き、直接契約をする段取りです。もちろん空きがなければ入れません。保護者はあちらこちら探し回ることになります。しかも入所させるかどうか判断するのは保育所施設側です。たとえば同時に入所申込者が来た場合、補助金等を勘案すれば長時間預けてくれるほうを選んでしまいます。施設側は安定的収入を求める以上はそのような判断になってしまいます。パートなど短時間預ける家庭は後回しになりかねません。
指定事業者制度の問題点は保育の質の低下を招くということです。直接契約という意味では先行して「介護保険制度」が実施されています。介護サービスの提供は増大したけれど、介護の質の低下問題、そこで働く労働者の待遇が悪くなった問題がおきています。施設側にしても、入所者・利用者のために一生懸命介護すればするほど収入の面では割に合わなくなるなど改善しなければならぬ問題が発生しています。
今の保育所、川西もそうですが民間企業が一定基準を満たせば「認可保育園」として、補助を受け営業をしています。いわゆる民間認可園です。川西ではその実質的割合が47%、5割に近づいています。新しい制度ではその上に「指定園」を作ろうとしています。つまり「認可園の基準」をさらに低くして一般企業参入をしやすくし、保育所増を計画しています。企業の参入をし易くするというのが狙いであり、最大の問題点でもあります。
意見書案にも示されている、「国と地方公共団体が保育に対して責任を負う現行保育制度を基本にしつつ、国基準の底上げと財政の後押しが必要不可欠」と私どもも認識し賛成いたします。
反対討論 多久和議員
連合市民クラブ・多久和議員の討論趣旨です。
この意見書は、純粋に子育て支援予算の拡充を求める内容ではない。それたせけでなく、原稿保育制度の堅持を求めている。この典は大きな問題だとと考
える。
これからは、幼保一元化が求められ、現行の保育のあり方そのものを議論しなければならない。国が地域の実情を無視して一律に保育基準を設けることが正しいのか、議論せねばならない時代だ。
現行保育制度の堅持を前提の意見書は賛成できない。
■民主党政権は保育所を増設ではなく、現在の狭い保育所基準を緩和して待機児童の多い地域は子どもを詰め込み待機児童解消の一助にしようとしています。世界的にも低い基準を更に引き下げるのです。
「日本共産党川西市会議員団ニュース」第51号(2009.11.12.)