「0.4%の年金引き下げをもとに戻すとともに、物価指数による年金引き下げを行わないことを求める請願」についての賛成討論

「0.4%の年金引き下げをもとに戻すとともに、物価指数による年金引き下げを行わないことを求める請願」についての賛成討論

2011年12月22日 黒田みち議員

 請願第11号「0.4%の年金引き下げをもとに戻すとともに、物価指数による年金引き下げを行わないことを求める請願」につきまして、日本共産党議員団を代表して賛成討論を行います。

 本請願者の所属する「全日本年金者組合」は、4月1日、「物価指数の低下を口実とする2011年度年金引き下げ強行」に対して、①「物価指数低下」は、主としてIT機器など高齢者の生活と関係の薄いものであり、生鮮食料品などが高止まりし、物価上昇もはじまっていること②年金課税強化と医療・介護保険料の連続的な引き上げなどにより、高齢者の貧困が増し熱中症死・孤独死などが深刻になっていること③年金引き下げは、原爆被爆者や障がい者などへの給付など弱者を直撃すること④年金引き下げが、国内消費を冷え込ませ、景気回復を妨げること⑤社会経済情勢を考慮して凍結した前例に倣ならうべき情勢にあることなどを理由に年金引き下げを行わないよう抗議し要請を行いました。
 10月14日には、全国各地で高齢者の怒りと要求を訴える「年金者一揆2011」を開催、東京・明治公園の中央集会には約3100人が参加、12月15日には、「許すな年金引き下げ!12・15怒りの厚生労働省包囲行動」を行い、1000人の高齢者が、年金引き下げをしないことなどの署名約15000筆を厚生労働省に提出、要請行動を行いました。

 現在、年金受給者のうち国民年金(基礎)のみを受給する1122万人の平均支給月額は4万9000円(09年)とても暮らせる額ではありません。
 厚生労働省が推計している、所得が生活保護支給基準以下となるケースの内、保護受給をしている割合を示す「捕捉率」が10~20%、07年の時点で、高齢者141万世帯の内49万世帯しか保護を受けていないということが明らかになっており、いかに高齢者世帯のくらしに貧困が影を落とし、困難で追い詰められているかがわかります。
 100万人を超える無年金者の問題、住民税非課税措置が廃止され、わずかな年金の人にも住民税が課税されるようになった問題、この国の毎年の自殺者が3万人を超える内訳として、60歳以上の高齢者が12000人を超え、増え続けていることなどは、高齢者のくらしがより深刻になっていることの表れではないでしょうか。
 年金引き下げは、0.4%の物価スライドの分だけではありません。
 民主党政権は、過去の物価下落時に「特例」で据え置いた年金額まで来年度から3~5年かけて年金額を2.5%(約1兆円余)削る構えです。
 もともと、04年、自民党・公明党政権による「100年安心年金改革」によってマクロ経済スライドが導入されました。現役世代の収入の約6割あった年金水準を「5割確保」と言って進めましたが、それはごく1部のモデル世帯だけで、その確保も受給開始時だけ、その後4割まで下がります。
 「特例水準」の解消もマクロ経済スライドの発動も国民の年金を切り下げるものにほかなりません。
 今議会、年金に関わる請願が3本提出され、委員会審査の中でも「財源論」が、まだ不透明であることや、もっとしっかり考えるべきという意見もだされたところです。
 12月10日、2012年度「税制改正大綱」が閣議決定されました。
 深刻なデフレ、雇用悪化、大震災に伴う様々な被害や倒産がある中、内需回復、格差是正など国民生活の再建にむけての家計への直接・大胆な支援とそれを裏付ける所得の再配分機能を十分に発揮できる税制の再構築が求められています。
 しかし、残念ながら、「大綱」は、「大企業・大資産家を支援すれば経済が良くなり、くらしもよくなる」という既に破綻した発想のまま、「新成長戦略」の実現にむけて、大企業への優遇税制は延長・新設する一方、家計に大打撃を及ぼす消費税増税は推進するとしています。
 社会保障と税の一体改革は、消費税は増税しながら、社会保障制度そのものの改悪をも進めようとするものです。
震災で経済が疲弊している下、消費税増税が更なる景気悪化をまねき、税収の落ち込みが懸念されます。
 復興財源では、国民には25年に渡り8.3兆円の負担増が課される一方、大企業には、5%の恒久的な法人減税を行った上で、3年に限り付加税(1割分)を課すに過ぎません。25年間では、むしろ約20兆円の法人減税です。300兆円に及ぶ内部留保を蓄積する大企業に対して、応分の税負担を求めるべきです。
 社会保障を憲法の理念にのっとって増進させていくなら、所得再配分機能の回復の視点が大切です。
 消費税の導入以降、所得税・住民税を合算した最高税率は76%から50%へ、相続税・贈与税の最高税率は70%から50%へ低下し、税率構造のフラット化による累進度の低下の中、深刻な税収不足を招いています。所得2000万円超の階層における最高税率の引き下げに伴う減税額は2.2兆円といわれています。(09年分の確定申告)
所得再配分の強化を目指すのであれば、再稿税率の引き上げと累進課税の強化をはかることこそ必要です。
 既に、本来累進的であるべき所得税の負担率は、1億円を超える高所得層では、逆に低下する現状にあります。応能負担に基づく総合・累進課税の姿勢を明確にし、財源を確保すべきです。
 今でも大変困難な生活を余儀なくされている高齢者をさらに追い詰めていくような、また、若者の「年金に対する信頼」を取り戻していくためにも「年金引き下げ0.4%をもとに戻すとともに、物価指数低下による年金引き下げをしないことを求める意見書提出をしていただけますようお願いを申し上げまして賛成討論とします。

(2011年12月議会 請願についての態度)