「韓国政府と協議」への請願採択し意見書送付を

2013年12月議会(2013.12.4.)
住田 由之輔 議員
「日本共産党川西市会議員団ニュース」第35号(2014.2.)

 私たち日本共産党は、未来社会があらゆる差別のない社会になるよう願い、実現のため活動しています。その手段の一つとして、過去の歴史の事実をしっかりとらえ、検証をすることが大切であること。現社会においても、検証結果を学び、負の遺産をつくらない取り組みに活かすことができると考えています。従軍慰安婦問題は、何よりも著しく女性の人権を蹂躙したことです。そのことは誰も否定することはできないのではないでしょうか。

 請願者が求めているのは、河野談話によって「政府見解」を発表していることに基づいて韓国政府と協議をして欲しいとの請願です。このことが日本政府の人間の尊厳をかけて訴えられた被害者に対する誠意ある回答にもなり、我が国の女性を含め同じ過ちをおこさない宣言にもつながっていくものとの思いで訴えておられます。よく慰安所は、民間の事業者が設置したもので、軍・政府は関与していない。だから政府に責任はないという意見が出されます。河野談話、その後の石原信雄談話にみられるように、軍・政府が直接あるいは間接的に関与した物的証拠を見つけたわけではないが、慰安婦にされた16人の女性から話を聞き、本人らの意思に反して慰安婦にされたことは間違いがないとし、(その相手となったのは「日本軍軍人」であり)、お詫びと反省をしたものです。

 客観的にみても戦時下において日本軍の許可なく「慰安所営業」ができるものではありません。多くは軍隊とともに移動して「営業」したものです。日本軍の関与がなければ砲弾が飛び交う戦場の移動も困難です。

 どこかの市長は、軍人に対しては特別な対応が必要であるとして、慰安婦も容認する態度をとっています。アメリガ軍に対しても同じ対応を日本国沖縄でとるべく発言をし、世界中から顰蹙を買っています。これほど人権感覚に乏しい市長も珍しいのではないでしょうか。

 日本政府は、65年の協定で「請求権の問題は解決済み」としていますが、日本軍『慰安婦』問題が、被害者の告発で明らかになったのは、90年代以降です。「解決済み」との主張は成り立ちません。

 河野談話後に基金設立して被害者への謝罪の意味を込めて支給された経緯はありますが、納得されていない当事者もおられます。

 日本政府が女性に対する差別をはじめ、あらゆる差別をなくしていく決意として、また再発防止へ教育の分野でも手立てを尽くしていくべく、「韓国政府と協議」してほしい請願を採択し、政府に意見書を送付するべき。

「日本政府は日本軍『慰安婦』問題について韓国政府との協議に応じ解決に急ぐこと」との意見書を政府に提出することを求める請願

 ※否決しました(議長・吉田)敬称略

賛成した議員 住田・北野・黒田・宮坂・北上
反対した議員 吉富・岡・津田・福西・土田・森本・秋田・大﨑・鈴木・平岡・大矢根・江見・宮路・久保・梶田・安田末廣・小山・多久和・安田忠司