2017年9月議会:黒田みち 「小中学校プログラミング必修化に支援を求める意見書」反対討論

意見書(案)第4号
「小中学校におけるプログラミング必修化に対して支援を求める意見書」につきまして、日本共産党議員団として反対の立場で討論をします。

2017年9月25日
日本共産党議員団 黒田みち

 インターネットの普及、活用分野の拡大などIT技術・産業の発展・拡大、国際社会の中でも更に広範に、また高見をめざしていくことになっていくであろうということを否定するものではありません。

 ただし、小中学校におけるプログラミング化が今必要でしょうか。

 本来「教育」の目的は「人格の形成」であり、特に義務教育に求められているのは、ひとりひとりのこどもが、全身全霊で、社会参加をしながら自分の得手を見つけ、将来への希望・展望を持つことであり、国家のための人材育成が目的ではありません。

 危惧しているのは、「英語教科の必須化」と同じように、必須化されることで、より低年齢化・偏っていくことへの懸念です。こどもには個性があるものの、心にも身体にも社会性にも発達段階があり、人格形成のために総合的な教育を丁寧に繰り返し経験していく必要があります。こどもの成長・発達には、年齢が小さい時ほど、その時々に身につけておいた方が良い事もたくさんあります。

 インターネットの扱いについては、視力などの健康被害・体力低下なども危惧されています。

 また、貧困と格差の拡大・教育環境への懸念です。今でも、教育の現場でインターネットの活用が行われているところですが、自宅でのIT・インターネット環境にはずいぶん差がついてきています。

 経済的な貧困が、教育的貧困・文化の貧困などへと影響を広げている実態があります。

 今、教育の現場で求められているのは、どの子もよく分かるように、少人数学級の確立や、教師など職員の増員。憲法を学び、主権者としての自覚、何より「幸せになっていくこと」を追い求めていく「教育の確保の平等」そのものではないでしょうか。

 国家として「教育」に使える財源を確保すること。幼稚園や保育所・学校施設の耐震補強工事や改修費、建設費。中学校給食や少人数学級・小規模校への支援など、せめて、諸外国と同じレベルの教育費を早急に確保してほしいものです。

(文部科学省発表 教育指標の国際比較 OECD諸国 GDP比4.9%28か国中24位(全般)同2.8%30か国中28位(初級・中級・高等以下)

 プログラミングに予算を・・・ではなく、日常で見えている課題解決「ひとりひとりのこどもの人格形成のための教育」を確立するために資する財源を求めていただけるよう意見を述べて、本意見書(案)への反対討論とします。