たんぽぽだより (No.182 病院特集第7弾)

くらし・福祉・教育優先の市政めざして「みんなが住んでよかった」と思える川西市に

2017年11月 市議会議員 黒田みち

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【1面】

署名10000筆超え

川西病院の指定管理 応募は1法人のみ

市の突進に危うさ

引き続き署名行います☆

市の構想(案)白紙を
          署名10000筆を超える

 「川西病院をなくさないで」「計画は白紙撤回を」の要望署名が1万1千筆を超え、議会に提出される予定です。一方で市が公募した「指定管理者」にはl法人だけが応募。この間の経過をみると、事実上、「協和会・協立病院」に決まるのではないでしょうか。今までの市の計画(北部での建替えを基本~)と大きく変更、問題の多い今回の計画(案)は白紙撤回すべきであり、引き続き市民の監視が必要です。

 この間、皆さんにご協力頂いている、川西・猪名川・豊能・能勢の地域住民の方々が行っている「市の構想(案)白紙撤回を求める」署名が、11月17日現在11000筆を超えました。

 11月8日の集約分(10194筆)の詳細では、全体の73%が川西市内。東谷中学校区の署名だけで全体の48%と、関心の高さが伺えます。市外の署名は全体の27%になりますが、猪名川・豊能.能勢の方の署名が全体の17.2%を占めますから、これも同じ傾向と言えます。

 まだまだ市北部から2次救急総合病院がなくなることを知らない方、「指定管理者制度導入」で、名前は公立だけれど、管理・運営は民間に儲けを含めて委ねられることを知らない方がたくさん居られます。命の砦を守るために、引き続き署名に取組みますのでよろしくお願いします。

地域医療懇話会が「答申」 えっ?! えっ?!

 市立病院整備調査特別委員会が10月24日開催され、地域医療懇話会(藤末洋座長・川西市医師会会長)の市長へ答申(10月20日)された内容が説明されました、

 答申は、①一時的に入院が必要になった患者(※1)の受入れについて引き続き、市と医師会を中心とした検討を進めること。②現在の市立川西病院をかかりつけ医としている患者の対応について北部急病センターについては、名称や機能を含め、再検討すること~の2点です。

「急病センター」不要

<意見>として、※1 急性期病院の患者が在宅・施設に移った後、病状が悪化した場合の救急機能は、救急告示病院で補完可能のため、北部急病センターでは24時間体制の急病対応は必要ない。

 外来患者の対応は、原則開業医が受け入れるべきだが、予定しているセンターでも診療科目の充実や休祭日の対応など臨機応変な体制整備、近隣開業医からのMRIやCT等の検査依頼への対応を検討されたい…と述べています。

 市は答申を踏まえ、地域医療の連携・協力のあり方を引き続き医師会等と検討した上で、市立総合医療センター基本構想案を作成すると説明しました。

 特別委員会の質疑、意見、問題点は以下の通りです。

「2次救急」議論されず

 5回の地域懇話会では、外来患者さんのことは話題になりましたが、地域住民の一番の問題である「救急対応や入院・手術ができる現在の2次救急総合病院」がなくなることへの話し合いが、ほとんどありませんでした。

 今後、医師会等と話し合うとしていますが、検討内容は会議録を含め公開されるのか、などあいまいなまま、同懇話会は終了します。

当初案、大幅変更なのに

 住民説明会で示された内容(※2)が、懇話会の答申を経て大きく変わろうとしています。なぜ、住民に説明しないのでししょうか。

※2 当初案 キセラ川西センター=26診療科・8専門センター
山下駅前北部急病センター=入院・手術ができない1次救急・内科・小児科・整形外科、24時間医師常駐。

 市は、懇話会の答申であって、市の方針は今後検討するとしていますが、2次救急総合病院が北部からなくなることに変わりはありません。

市は、なぜ、ひた走るのか?!

 5月1日の新聞報道後、市は説明会を9月23日の午前・午後に開催しただけ。「再度の説明会を検討する」の答弁も守らず、「指定管理者の公募」を10月10日から始め、予想通り1法人だけが応募。

 1l月24日、29日に病院指定管理者選定委員会で審査(非公開)、決定の運び。12月21日には、市の決定を特別委員会に説明するという手際の良さです。

 参画と協働のまちづくり条例のベースとなる情報提供・説明責任を果たさず、既成事実を積み上げようとするあり方は大問題です。

…裏面につづく…

【2面】

汚染土壌・浸水対策は?

(表面からの続き)

 指定管理者の応募要項の特約条項には、「新病院に必要な用地は市の責任で確保」とあり、市は17億円で買い取る計画です。それだけでは済まず、計画用地の六価クロムなどの土壌汚染対策は、市単独でやるのでしょうか、一体いくらかかるのでしょうか。

 また、計画地は市の防災マップで浸水予想地域であり、建物の浸水対策、救急車が通行できる周辺道路の浸水・冠水対策までできるのでしょうか。それこそいくらかかるのでしょうか。

 あまりにも問題が多すぎます。

市と指定管理者

 市は、指定管理者(法人)に新病院の設計及び建設に全面的な協力を求めるとし、管理・運営もすべて委託。売上げは指定管理者のもの。その上、市は毎年、指定管理料(最低3億円の予定)を支払います。

 元々、協立病院が、土地をl7億円で購入、自前で病院を建替え・建設する計画でした。これと比べ、今回の市の計画(構想案)では、土地、建物、設備一式を提供され、看護師・医療スタッフも確保できるという、この上ない好条件、といえるのではないでしょうか。

開業医の少ない北部

 そもそも開業医さんが少ない川西市。北部はとくに少なく、医師の高齢化も進んでいます。居住地に開業医も病院もなく、川西病院で複数受診・検査・処置・手術・投薬されている患者さんが多いのです。新しい病院は、紹介状がなければ診てもらえず、現病院のように使い勝手の良い病院ではなくなります。(2次救急と3次も一部入れたいとしています)

3月議会で可決?!否決?!

 現川西病院内のあちらこちらに、「老朽化等が進む中、建替えが必要、・・平成33年度中に市中心部に移転・・」の貼り紙。市民や議会を軽視し、強引にどんどん進められています。

 「指定管理者の指定」の議案が審議されるのは、来年3月議会です。そこで否決されたら実行できません。

北部のコミュティが要望書

 東谷、北陵、牧の台の北部3コミュニティが10月19日、「冒川西市立総合医療センター』構想案に伴う北部地域の医療確保について」の要望書を大塩市長に提出、懇談しました。

 要望書では「川西病院は建替えの時期がやってくるといっていたのにたった1ヶ月ほどで・・廃止の・・突然発表。不信感と驚き」「北部の医療水準の著しい低下」になるため、急病センターと診療所機能を充実させ、名称も「北部診療センター」とするなどを求め、住民の要望も反映されています。

 ただ、懇談会の席上、3会長からは、移転反対の立場ではないと表明されています。地域住民や自治会構成員への情報提供が行われているか、などの懸念があり、市側が、この懇談内容を住民の総意と判断することへの危惧があります。(北陵校区では、コミュニティの3役、自治会は執行部役員で決めたとのことを確認しました。)
防災、減災の視点で

 川西市は、南部北部に細長く、山坂の多い地形に16万市民が住んでいます。市内7中学校区のうち東谷中学校区の人口は20%が川西病院の建設から、人口は1.56倍に増加。北陵地域などは、病院稼働後にまち開きしました。街には、病院、買い物、公共交通、子育て・教育環境が欠かせません。また、南海トラフ巨大地震が30年以内に起こる確率が高くなっている今、防災・減災の取り組みは喫緊の課題です。

川西病院は北部に絶対必要です。

成功の保証なし

 「指定管理者制度」をよく知らない人もいます。管理・運営を民間病院に任せるだけでなく、売上げは全て病院のもの。その上「指定管理料」まで毎年払い続けます。
兵庫県ではじめての取り組み。

 全国でも成功例はありません。医師や看護師確保ができるのか?経営は成り立つのか?結局、税金を注ぎこむことになるのではないか、の懸念があります。

 なぜ拙速に推し進めるのか。なぜ、そこまで協立病院にしがらむのか。大きな疑問が残ります。

 私は、引き続き、知り得た椿報をお伝えし、住民の方の声や願いを聴き続けます。

副議長になりました

 川西市議会は、10月26日、役員改選を行い、私(黒田)は、市議会副議長、厚生文教常任委員会と市立病院整備調査特別委員会委員、猪名川上流広域ごみ処理施設組合議員になりました。

 これまで同様、住民の声をまっすぐ議会に届け、全力でがんばります。引き続きのご指導よろしくお願いします。

 黒田みち

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