77億円投資した土地が19億円に(中央北地区整備事業)

2009年12月議会 一般質問 住田由之輔 議員
77億円投資した土地が19億円に、65億投資した土地は14億円の価値しかない、この「差損」に対してどう責任を取るのか(中央北地区整備事業)

 住田議員は、「中央北地区整備事業は財政が好転するまで凍結すべきである」との前置きをし、300億円を超える投資をしてきたが、さらに100億円もの投資をすれば市民生活が大変になる。
特に投資に対する土地等の価値が下がり「差損」が発生しているがその責任は誰がどのように取るのか質問。

火打前処理場運営費30年分300億円で

 答弁は、土地開発公社が先行買収した2.5haを市が77億円で買い戻した土地は、近傍価格で計算すると19億円。市が65億円投じて買収・移転補償した1.9haの土地は14億円。買収等は当時適正価格で措置しており問題は無い。下落したのは全国的共通していることだ。
 また、年間10億円かかっていた火打前処理場運営を廃止したのだからその30年分300億円と比較すれば大量の税金投入は織り込み済み。新しいまちづくりによるまちの賑わいをつくることで市全体に大きな効果があるとした答弁でした。
(まるで打ち出の小槌のごとくお金が湧き出てくる都合のいい答弁である・写真は火打前処理場)

市民の財産、市有地はどうなるのか

 住田議員は開発地域22haの半分は公有地。体育館や保育所はそのままにしておくということだが、道路用地を含め公有地はどのように変化するのか、
 市有地を処分して20億円生み出すことになっているが、どれだけの土地を処分する予定なのか、市有地はどれだけ手元に残る予定なのかと質問。

答弁=より具体的に検討、また換地などがはっきりしてこなければ数字は出てこない。

質問=体育館、保育所、プールなど補修が必要になってくるが財政措置はどのような計画がされているのか

答弁=向こう10年間ますます補修の必要性は出てくる。必要があれば公共施設補修費として中期財政計画にも示している金額の範疇でおこなっていく。

5年間で62億円歳入不足であるならば、事業推進で財政破綻するではないか、凍結を 中期財政計画との対比で

住田議員は中期財政計画との関連でも質問

 中央北地区整備事業を推進することによって、財政が大変になり、5年間で62億円が不足するとして市民へのサービスをカットしている。不足金の手立てをどうするのか。
 答弁=市は一般建設費で市が持ち出すお金が年間5億円、借金できる限度が10億円であり、その範疇で事業ができるので問題がない。不足金は基金からの捻出、行財政改革の効果額で対応する。 

 住田議員は、歳入不足だから、職員は減らす、給与抑制する、入浴サービス廃止、教育費もこの間削減し学級通信に使う用紙もひかえざるを得ない状況が作られ「中央北地区開発」にかける費用が市民生活に悪影響を及ぼしているのは事実だと指摘。

市民全体へ還元することを考えよ

 また、240億円も投資したそのお金は市民の税金。その地域に住む方だけではなく市民全体にどのように還元していくか、行政が考え対応していくべきではないか。
 ところが答弁のすべてに、「地元地権者」の意向に沿って、まずは「地元地権者の合意を得て」との発言が目立つ。道路も含めれば50%は市民の土地であるにもかかわらず、その「地権者である市民」は蚊帳の外に置かれている。こんな対応がいいはずがない、と主張。

市民への説明責任を果たせ

 住田議員は幾度となくこの訴えをしていますが「市民に意見を聞いても反映するものがない、都市計画の手続きの中で聞く」と、担当部局として説明することすら拒む答弁に終始しています。
「情報の公開」という当たり前のことができていないのが今の状況。

「日本共産党川西市会議員団ニュース」第56号(2010.1.14.)