請願第2号「消費税増税に反対する意見書の提出を求める」請願の賛成討論

請願第2号「消費税増税に反対する意見書の提出を求める」請願の賛成討論

2012.6.25. 住田由之輔

 国民に対する大義も、国益を追求する政策もないというのが今国会で審議されている「消費税増税法案」の内容です。

 各種世論調査で6割を超える方が、増税反対、どちらかと言えば反対と、国民世論は消費税引き上げに反対しています。

 「消費税」制度そのものが、低所得者により負担増になる、逆累進課税であることを政府も認め、低所得者対応をとるといいながら、自民党、公明党と密室で会合を開く中で低所得者への対応をすべて削除しました。

 日本の経済はよくなっていません。消費税を3%から5%へ引き上げた直前の1997年と昨年2011年の経済状況を比べると軒並み悪化しています。

 国民等が受け取る報酬は278兆円から245兆円へ12%減収。サラリーマンの一世帯当たりの可処分所得は月50万円から42万円へ16%も減っています。ワーキングプアと言われる水準、年収200万円以下の労働者が全体の23%にもなり、当時から230万人も増えているのです。非正規労働者は全体の36%を占めるに至り、貯金が全くないという世帯が29%に上る日本という国になっているのです。それらの要因で生活保護世帯が2倍にも跳ね上がっています。

 今日現在、衆議院での採決も流動的です。参議院で審議する特別委員会も立ち上がっていません。民主、自民、公明三党の修正「一体改革法案」が、内容をずいぶん改定して提出され、その内容が十分審議されてもいません。

 この間の国会状況を見ていても、国民の暮らしを全く顧みていないのが法案提出者であることが明らかであります。関連する社会保障制度も軒並み改悪する内容です。しかもそれすら飽き足らず、すべての社会保障制度を根底からか覆す「社会保障制度改革推進法案」なるものも突然国会へ、3党で合意したとして提出しています。憲法で保障されている国民の生活を、憲法に沿っていかに良くしていくのか、全く説明がありません。説明することができないのも、憲法に背を向けている内容だからです。

 今日の経済状況は、15年前に、消費税を引き上げた結果が重くひきづっている経済状況とも言えます。当時の負担増額は9兆円、今回は20兆円と言われていますから、国民のくらし、日本経済に与える影響は計り知れません。
皆さんは国民のくらしを破壊した「当事者」になろうとは思っていないはずです。しかし、増税を推進することは結果国民を困難な状況に陥れた「当事者」になるのです。

 一方、これほど経済が悪化しているといわれているのに、企業の内部留保が143兆円から260兆円へ181%も増えています。不思議ですね。国民は生活するのにキュウキュウしているのに、儲けをため込む企業があるわけですから。

 儲けがあるならば、労働者の賃金引き上げ、下請け企業の単価引き上げなど社会へ還元すべきではないでしょうか。儲けの一つである企業、高額所得者などに対する優遇税制を改めればいいのではないでしょうか。お金が不足しているのであり、儲けている企業にさらに法人税減税で儲けをため込ますような不公平税制をしなければ、そのお金を国民へ回すことができるわけです。

無駄遣いを改めることも必要です。

 私たち日本共産党は、消費税に頼ることなく国民の暮らしを改善させる、社会保障制度を拡充していく、日本の経済を活性化させ、国の借金を減らす方向へ道筋をつくることができると具体的な政策を打ち出しています。

 ぜひお耳も傾けていただき、ご一緒に消費税増税しない社会をつくるため、国へ意見書を提出しようではありませんか。