子どもと保護者にとって最善なのか 川西市立幼稚園・保育園の廃園、一体化
2015年2月 住田由之輔
■「由さん」のくらしの便り 342号はこちら (PDFファイル)
【1面】
子どもと保護者にとって最善なのか 川西市立幼稚園・保育園の廃園、一体化
市の責任は頬かむり。おかしいぞ、大塩市政
公共施設の再配置計画、子ども・子育て推進方針が示され、川西市立幼稚園と保育園の一体化を進めることが市の最善策と説明されました。
その理由として①市立幼稚園在園児の減少②保育園の待機児童解消③施設の老朽化④耐震対策の早期実施をやっていきたいとしています。
具体的には
(ア)、北幼稚園、中央保育所、小戸保育所、北保育所を廃止し、新たに幼保一体化施設をつくる。(イ)加茂幼稚園、加茂保育所を廃止、新たに一体化園をつくる。(ウ)マキの台幼稚園、緑保育所を廃園し、牧の台小学校地に一体化園をつくる。(エ)松風幼稚園は廃園し、緑台に民間保育園をつくる。(オ)そのほかの幼稚園、保育所も一体化を考える、というものです。
保護者の声は
駅から遠くなる。マンモス園になり、子どもに目が届きにくい。時間が大幅に違う、「幼稚園型」「保育園型」が一緒になることで、園児の気持ちが揺らぐなど、現場が一番混乱します。健全な育成に支障が出てきます。
これら施策が川西で子育てをしていきたいと願う保護者の思いに沿っているのでしょうか。子育てにとって最善の策と言えるのでしょうか。一つ言えるのは、行政にとって効率的に課題の解消を進めるというやり方を簡素化させることができるというだけです。
実態はどうであったか
幼稚園へ子どもを通わす保護者から、3歳児保育の実施、給食の実施など要望されていたのに行政はせず、みすみす市外へ500人を超える園児を送り出しています。
耐震化、老朽化への対応をしてきませんでした。そうした市の責任は隠したままに、国の方針を受けて「認定こども園」へ突き走ろうとしているのです。
子どもにとっての最善策を
まだ「方針」が決定したわけではありません。こども・保護者にとって最善の政策へ検討を重ねさせ、切り替えをさせていこうではありませんか。
【2面】
幼保一体化の問題点 住田の想い
公共施設の再配置と絡んで
北幼稚園、中央保育所、小戸保育所、北保育所を分庁舎(美化環境部)へ、分庁舎機能を旧松山浄水場跡地に、跡地は用地先行取得特別会計から市が約20億円で買い取るというものです。
20億円は市が借金をし、今年度用地特会が払う8億円は予定通り支出し、残りは基金としてため込んで、新たに繰り延べした支払方法で払う。そこで一時的に基金が増えるという得点。
4つの施設で現在通っている園児は289名。しかも市立保育所ではこの3つの保育所でしかゼロ歳児保育はしていません。そんなマンモス園舎を想像しただけでも現場は大変です。しかも4つの施設とも耐震化では国の基準を上回っています。それをわざわざ壊すのです。
小戸保育所に預ける保護者は確実に駅が遠くなります。利便性にマイナスです。もちろん小さな幼児を連れての通園ですから大変です。
地域との接触がなくなります
加茂保育所の近くにふたば幼稚園がありましたが廃園になりました。また加茂保育所がなくなればこの地域での子育て施設がゼロになり、それでなくとも高齢化の進む地域としてはさびれていきます。
一体化施設ができる旧加茂小学校跡建設地は、通りに面していませんから、子どもたちの遊ぶ姿は見えません。これでは「地域一帯で子育て」と言ってもむなしく聞こえるだけです。
駅から数倍も遠くなります。
加茂幼稚園は3歳児保育を始めて園児が増えました。そのために園舎を少し改修しました。借地の問題もありますが、地域で子育てをしていこうとするならば、関係者への理解をしっかり求める活動をすることではないでしょうか。それをせずして一体化であればなおのこと地域とのきずなが薄れていきます。
少人数保育・教育がなぜいけないのか
松風幼稚園は少人数だから廃園へは、子どもを大切にすることに反し、許せません。
おおもとには国の政策があり、子育てに金を掛けさせないという縛りがあります。安倍首相は口で子育て支援と言いながら、今回の川西の状況に表れているように、子育てをしにくい法律、方針を地方に押し付けています。しかしこれをはねのけて、子育てをしっかりやっている自治体は沢山あります。「自治体の長の意志」が問われているのです。
自動車通園を許可するから駅から遠くなってもいい?
物はいいようと言いますが、駅から遠いから自転車通園せざるを得ないのです。それを自転車通園が多いから遠くに作ってもいいというとらえ方を行政はするのです。あべこべではないでしょうか。
幼児を連れて、一番大変な朝の時間帯、少しでも駅の近くであればと思う保護者の思いを逆なでします。しかしそのことをわかろうとしません。
これからの川西をつくるのは若い皆さんが中心です。ご一緒にがんばりましょう。
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