2016年10月臨時議会:黒田みち 介護保険決算会計 認定しない討論

認定第11号
平成27年度 川西市介護保険事業特別会計決算認定について

認定しない立場で討論

日本共産党議員団 黒田みち

91400cae-s 平成27年度は、平成29年度までの第6期介護保険事業計画策定・保険料改定の年度でした。

 保険料の負担をきめ細かく配慮できるようにと負担段階を10段階から13段階に変更したものの、基準月額を前期から340円増額の4550円に値上げするなど、保険料改定によって、月々の保険料が2000円以上値上げになる階層がでてくるなど2億4629万9460円もの影響額・負担増となりました。

 47813人の被保険者の内1.8%・861人が保険料滞納者になっており、償還払い該当者が6人、給付制限該当者が21人という状況になっています。

 その上、所得160万円以上の方は、サービス利用料が2割負担になることによる影響が、1369人(16.3%)、7566万円の負担増となっており認定することはできません。

 特別養護老人ホーム申し込み者は要介護5で81人、要介護4で130人、要介護3で220人、また、サービス給付実績、利用限度額に対する割合が要介護5で69.1%、要介護4で64.8%、要介護3で57.8%という質疑資料の数字を見ても、サービス利用という点でも経済的負担という点でも、ご本人だけでなくご家族のおかれている状況がとても厳しいことが想像できます。

 市としては、国の制度改定(要支援1・2が国の給付からはずされる・特別養護老人ホームは要介護3以上が対象など)によって、いよいよ保険料だけは払わされるけれど必要な介護サービスが確保できるのか、費用負担は増えないのか・・・という市民の不安や疑問に応えることが求められている中、平成27年度は、初期集中支援チームにおける認知症ご本人やご家族への包括との連携・対応、認知症カフェが8か所で開設、医師会主催だった「つながりノート」の活用など「在宅医療介護連携推進事業」が自治体主体に切り替わるなど取り組みが進められています。また、生活支援体制整備事業の協議体が立ち上がり話し合いが進められています。

 しかし、国は、国の給付から要支援1・2を切り捨てるだけでなく、「要介護1・2」を特別養護老人ホームから締め出したのに続き、生活援助や福祉用具の貸与まで原則自己負担とする方針を打ち出しました。日本医師会から「家族介護が必要となり、介護離職ゼロも達成できなくなる」など全国から批判の声が噴出しているのは当然のことです。

 市としても、国に対して、住民の実態や声・願いを見ない・聞かない改定を許さず、社会保障制度としての「介護保険制度」として、元々の目的である「高齢者の尊厳を大切」に、必要なサービスを自ら選び利用できる制度にすること、施設の運営や労働環境を抜本的に改善し維持できるものにすること、また家族の負担を軽くするものに作り替えていくなどの制度改正を、そのために必要な財源確保をさせるよう「市民が主人公」の立場で厳しく意見を述べること、また、介護保険と障がい者総合支援法との関係での「65歳の壁」問題についても、しっかりと市民の実態にかんがみ、総合支援法の制定を見通した制度にしていくことをも強く求めて討論とします。