2017年3月議会:住田由之輔 一般質問

 「公」でやるべきことをしっかりやっていこうというメッセージを

 2017年3月議会における住田由之輔の一般質問(一括質問一括答弁方式)での質問内容を紹介します。

2017年2月28日
日本共産党議員団 住田由之輔

 「公」でやるべきことをしっかりやっていこうというメッセージを職員・住民のみなさんへ出していく立場で、3項目で議論して行きたいと考えますのでよろしくお願いします。

 その一つの病院問題において、皆さんと認識が一致できているのは、市立川西病院が存在している地域において、川西市民・近隣住民の安心と安全のために「公立病院として存続させる」という点だと思っています。

 またわたしは全国の地方公立医療機関を「財政赤字」にしてきたのは、国の政策が間違っていたからというのが最大の原因であると認識しています。

 その一つが「医師養成削減路線」であったし、その一つが「診療報酬の引き下げ」であり、それらが公立病院の経営を困難にしてきた大きな要因であり、間違った政策であったと考えるものです。

 その間違いを根本的に是正することなく、平成19年の公立病院改革ガイドラインを押し付け、各地方の公立病院が力を尽くしたにもかかわらず目的が達成されなかったということで、今回新たに28年度末までに「新改革プラン」を作成せよ、その柱に「経営形態の見直し」を押し付けても来ています。

 お隣伊丹市や宝塚市では今の経営形態で行くと明確に打ち出され、川西と三田市が「揺れている」状況でもあります。

 国の政策に大きな問題はありますが、そうは言いながらも現状の中で、県の「地域医療構想」を踏まえ、「市民のための市立川西病院」、「市民の命を守る総合病院」を、いかに存続させていくのが市民にとって「より良い選択」であるのか、議論していきたいとおもいますのでよろしくお願いします。

1.市立川西病院の経営形態について

1)医師確保に奮闘してきた努力が報われる経営形態へしていくことについて

・平成21年作成の「改革プラン」、23年「改訂改革プラン」の総括をしたうえでの「新改革プラン」に仕上げるべきだと思います。

・23年改革プラン作成は、医師が大量に辞めていったためと「新改革プラン(案)」の「はじめに」で明確に書かれています。なぜ医師が辞めていったのか、理由の根底部分を検証すべきではないでしょうか。残念ながらこの間の議論の中では明確に出されていません。

・市立病院としての使命を果たすために「総合病院である市立川西病院」という存続理由の一つである、不採算部門においても最後の命の砦であり、弱い立場の住民を支援する病院という「魅力」のもとでスタッフは結集し、勤務に励んでおられます。

① 大塩市政のもとで行われた、最初の改革プラン審議・作成過程で、「独立行政法人化」「現状顧みない高い目標設定」と私は認識しているのですが、市のトップを始め、声高くアナウンスされていったことにより、医療スタッフに対して、そのやりがい、目的を見失わせたところに原因があったと私は見ていますが、振り返ってどのようにとらえておられるのかお聞きします。

② またこの間、市立川西病院のスタッフも替わり、「医師・看護師」確保に奮闘されてきた皆さんの努力をどのように評価し、報いていくのか。公務員だからやって当たり前ということでは済まされない大変重要で大切な部分で健闘していただき、結果として、以前の医療スタッフ人員に届いてきているわけですから、「市立川西病院」を今の経営形態で、経営スタッフを中心に推進していくべきではないのか、と強く思いますがどうでしょう。

2)「公営企業会計」を経営形態から排除することは、「大塩」市政として白旗を高々に掲げるメッセージを市民、近隣住民へ送ることになることについて

・「市立病院事業経営改革審議会」の答申を受け、それを尊重しながらも、川西市としての態度を「加味」することができたにもかかわらず、新改革プラン(案)に「公営企業会計」による経営を選択肢から外したのはなぜか疑問が残ります。

・新改革プラン案として、市民へのパブリックコメント募集をする過程において、独立行政法人化・指定管理者制度活用・PFI事業導入の3つの選択肢を市民へ迫ったのは、それらの経営にたいして基本的に、「市長が指導する」立場に立てない「制度」への移行であり、強いては「市民の声が届きにくい」体制への移行である。実質的に「市民立川西病院」からの撤退にほかならず、それを「良(よし)」とするのか。

・もちろん議会も直接意見を伝える仕組みではなく、議員の一人として、市民に対して、いのちを守るための責任を放棄することにつながり、私はそれを許せません。

・市長として市民へそのようなメッセージおくることを「良」とするのか伺います。

3)経営の戦略的要素不足について

・どうしても私など「現状から」の発想でしか、病院経営を見ていくことができません。もしかしたら、医療上、地域住民が困っている事柄が存在し、それを市立川西病院に付加すれば、結果経営的にも向上するのではないかといった視点は具体的に発想しにくい分野でもあります。

 しかし強いて、地域住民にとっては、「なくてはならない病院」として位置づけしていくためにも、思い切った施策の展開を図るべきではないかと考え質問します。

① 「県の地域医療構想」でも、阪神北医療圏域では「高度急性期病床」が不足とあるとされています。「新改革プラン(案)」でも触れられていますが、ただそれを担うには今の市立川西病院の診療科目では担いきれない現実もあると認識します。ですから現状からの脱皮を図る必要性が生まれてくることになり、多分市立川西病院側では構想などは持っておられるのではないかと推測します。公営企業会計でやりたいと強く思っておられる面も垣間見えるだけに、新改革プランに「想い」を盛り込むことを含めて伺います。

 例えば未実施の「脳外科」の新設など、「高度急性期病床」の確保が条件にもなってくるし、伊丹市などはそれを声高に訴えもされていますが、

 市立川西病院は一方に建て替え問題も視野に入れての改革となるだけに、チャンスでもあるととらえるべきではないか。市税投入を「良」としていただける「新改革プラン」に、積極的医療科目の導入を加味することで、戦略として、地域住民の必要性として、財政的に好転させる意味からも、一つの「例」として出してみましたが、それに替わるものもあるかもしれませんが、今回の新改革プランが、前向きな対応策を考えてのことかどうか伺います。

② 国の決めた「医療介護総合確保推進法」は、多くの問題をはらんでいます。特に患者を病院から完治しなくても追い出していく内容など受け入れることはできません。介護においては地域へ責任を転嫁したり、「社会的責任で介護する」から後退する施策が盛り込まれているだけに、そのまま受け入れることはできません。

 ただ川西市はどこの行政区よりも先駆けて高齢化しており、高齢者の医療介護は喫緊の問題として、先駆的な取り組みが求められています。

 今議会の議案として「地域医療体制の整備について調査審議する『川西市地域医療懇話会』を設置する」が提出されています。それはそれで議案質疑をやっていただければということです。

 この間市立川西病院が取り組んできた地域連携室の取り組みの延長という観点でわたしは質問するもので、大変重要な部署であり、これからの川西病院の充実を図る部署だとも思っています。

 つまり戦略的に、訪問医療の分野で開業医の皆さんと連携強化することによる、「市立川西病院の患者受け入れ枠の増大」に取り組んでおられます。ここをより発展させていくことが「総合病院」として、通常総合病院同士で構想されている「再編・ネットワーク化」をしなくてもやっていけるポイントだと思っています。

 充実を図ることによって、対応する病床数が必要になってくるということで、経営の改善への戦略になると考えますがどうでしょう。

4)財政的見地から見た経営形態の「違い」について

・財政問題は避けて通れません。経営における税金の流れがどのように違うのか、その中で市民の税金を市民の命を守るために、経営上どこまで川西の財政として許容できるのかなど伺います。

① まずは経営形態の中で、「指定管理者制度導入」は、市の財政の好転へは今以上の市税投入で対応しなければ受ける事業者は現れないだろうと考えますがどうでしょう。

 PFI事業は審議会でも破たんしたやり方と批判されているように、市立川西病院の経営移管システムとしては成り立たないものと考えられます。
残るは独立行政法人への移行になります。そのような想定はされていると思いますがどうでしょう。

 それを前提で伺います。

② 残された唯一の道、「独立行政法人」化されれば、これまでの40億円の「累積債務」はどのようになるのか、

 これまでの建設費、改修費用など借金はどのように処理されるのか、「たとえばの想定」として伺っておきます。

③ 一般論として、医療スタッフの身分は「独立行政法人」が決めることになりますが、当面は今の市の医療従事者としての保障並みで推移しますでしょうが、それがどのように変化していくのか。

 当然利益が減れば即人件費削減につながっていきます。大幅な収入増は今のご時世で考えにくいからです。しかも組織上そのスピード・決定は「市議会」を通さなくて済みますから早いでしょう。医療スタッフの身分保障低下が懸念されますがどのような想定が考えられるのでしょう。

④ 不採算部門の国からの支出は当面行うと国も約束しておりますから、「国からの助成金」は変わらないと考えます。

 経営を好転させようとすると、不採算部分の診療科目を「ネットワーク化・共同化」の名目で廃止していくことも容易に想像できます。廃止される科目に対して近隣住民にとっては遠くの病院へかかる必要性が出てきます。川西市は経営に直接タッチができない状況の下、横目で見るしかないのでしょうか。

 また法定外で市として支援してきた部分がなくなり、独立行政法人としては厳しい経営のかじ取りになり、医療スタッフへの報酬等にマイナス影響が発生することも考えられます。現在の公務員の給与水準が維持できなくなる恐れも想定しなければなりません。しかし市として低下することに口出しできませんが、そのことによる医療全体の質の低下も発生しうることを放置していくことが想定されますが、市としては想定外の出来事で済ますことになるのでしょうか伺います。

⑤ 再編・ネットワーク化においては、兵庫県下において、県の指導の下、「地域連携法人化」も進められています。改革プラン審議会でも意見が交わされてもいます。川西の北部地域での「再編ネットワーク化」が推進されれば、不採算部分の廃止に繋がっていきます。そのほかの診療科目も廃止されていくことになりますでしょう。「医療難民」「妊婦難民」の発生も起きてきます。「総合病院」であればこそ、地域住民は安心して暮らしていけるのです。

 それらを内包した「市立川西病院・新改革プラン(案)」は抜本的に改善し、国へ提出していくべきと考えますがいかがでしょう。

2.キセラ川西整備事業終決へ向けてについて

1)「財政の実態」を明らかにしておくことについて

・地域内における土地の先行買い取り、住宅街区整備事業費、皮革工場等の移転補償費、区画整理事業費まで、多額の税を投入してきました。

・中でも移転補償費や土地の買いとりなどで利子など含め300億円を超える市税が投入されています。

 また今般は区画整理事業で国の補助金を含めて総事業費は約100億円です。

・いったい国費、市税、利子分を含めてどれだけ投入してきたのか、大きな項目・費目別で、明らかにしておくべきであり、その内容をお聞かせください。

2)区画整理事業における現時点での総括について

① 目的とされた「整備」が市の責任であらかた終ろうとしています。区画整理事業における当初予算に対して、土壌汚染対策費増を含めて、区画整理事業は「土地所有者が公平に負担する」という原則にのっとって行われたかどうかを歳出費としてはっきりしておくべきではないかと考えますが実態はどうでしょう。

② 公平の観点から外れ、「施主」である市が責任をとったと私が認識している予算段階でなかった土壌汚染対策費、また道路拡張費用など、どの程度の持ち出し分がありましたでしょうか。

 「区画整理事業」本来の在り方として、それは認められないと考えるがどうでしょう。

③ 東京都の豊洲市場の問題を想起する中で、

土地区画整理事業における、後から発生した土壌汚染対策において、「適切に処理」されているわけですが、

・汚染土壌の処理方法それ以前に安価に民間が処理した手法との違いまた問題点、・費用の見積もり金額の決定経緯、・処理運搬の経路、・処理場、・その搬出物の処理適合や重量のチェック方法と結果などは、記録として答弁できるものは答弁をお願いしたい。

 特に処理後の問題が惹起しないように監視することの大切さがあるとの思いでお聞きしておきます。

3)大規模集約換地の行方について

・大規模集約換地への大型小売店舗誘致が暗礁に乗り上げていますが、市に責任はないとしながらも、開発全体では「目玉事業」として「集約換地された土地の行方」は気になるところです。公費での支援はあり得ないと思うが、現在の情報としてどのようであり、公費での支援は全くないと判断されているのかどうか伺います。

4)「整備してきれいにしていく」ことが市民に対する責任としてきたことについて

① 上物は地権者の責任においてとなっていますが、敷地内に「複合施設」「消防関連施設」「公営駐車場」「公園」「改修された水路」「都市計画道路」など「公共施設」が占用されていきます。

 民地活用ならば、固定資産税、都市計画税などの収入で、「市の財政的効果」が現れますが、「公共施設」にはその収入がなく、市民が使っていただけるのが効果であると答弁されてきました。

 しかし400億円を超える投資に対する効果として、その考えだけで支出されるのは納得がいきません。具体的に収入としてどのように「変化」し、それが多額の投資に匹敵する効果だと言い切れるのか、考えを伺います。

② また従前の公共用地占用割合と従後の公共用地占用割合の変化はどうなっているのか、その裏返しの民地の割合はどうなっているのか伺います。

③ また「複合施設」「消防関連施設」建設に関係する土地の売り払い費用、建設費用など、市の総合的な「財産管理」の視点でどのように変化し、その結果市民への責任をどのように果たしていくのか伺います。

3.川西南部地域まちづくりの方向性について

1)自衛隊基地との隣接道路の整備について

① 協議が進み、実施する協議に入ってきていると思いますが、どのような工程になっているのか。

② 東西道路が整備対象になっていますが、併せてなげきの丘方面へ行く、南北道路も整備していく必要性があると思いますがどのようになっているのでしょう。

③ 当然のことながら「歩行者優先」道路としての整備であり、手立てとしてはどのようにされるのか、学童の安全対策はどのように考えておられるのかお聞きします。

2)なげきの丘プロペラ公園隣地整備について

・プロペラ公園隣接地空き地の整備内容と工程はどのようになっているのか。

3)下池周辺整備について

・急きょ、「中学校給食センター用地」候補地として名前が挙がってきましたが、下池公園に隣接する土地が決まってしまえば、池の存在する土地の活用にも変化が起きてくると考えますが、旧慣財産の廃止とともに、その後の活用としては、「公的活用」を考えていくべきと思いますが、内容と工程をお聞かせください。