2018年3月議会 住田由之輔:介護保険特別会計予算に反対討論

介護保険特別会計予算に反対討論

2018年3月 日本共産党議員団 住田由之輔

○議案第30号 平成30年度川西市介護保険事業特別会計予算

 介護保険制度発足時、介護の個人負担を軽減し、介護を社会的に責任もって行うとし、65歳以上から保険料を徴収し、それで不足するとして40歳からも徴収することになり、今日に至っています。

 ところが国では、医療と介護は、住み慣れた地域で、在宅で行うことが望ましいと、個人負担の方向に転換しました。それに合わせ、地域の資源を活用するとして、自治会等に、介護の一端を担うべく誘導しています。
 そのような中、要支援1と2の認定者に対して、生活支援サービスなど、地方自治体の責任で行うべきとし、「保険給付の対象から外す」ことをしてしまいました。総合事業への移行です。これは介護保険制度の破綻を意味します。

 資料によれば、65歳以上の一号被保険者のうち、要支援1から要介護5までの認定者は全体の15.8%であり、84%は対象者ではないという現状。平成28年度の滞納者は1.76%。そんな中、特別養護老人ホーム入所申込者が522人、そのうち入所の必要性が高い方が105人、1年以内に入所必要見込み者がさらに249人という状況です。施設環境の整備が急がれます。整備を良くすれば、保険料に跳ね返る仕組みでありますが、保険者としても知恵の絞りどころ、整備の促進と保険料を抑える努力をしていくべきです。

 議案第12号・「川西市指定居宅介護支援の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の制定について」は介護事業者への負担を課せるものがあり反対しました。

 議案第13号・「川西市手数料条例の一部を改正する条例の制定について」では、事業者が行う手数料の改定に対し、事業者が川西市内で少しでも、より良い介護を推進していく努力を促すため、反対しまました。
 また、議案14号・「川西市介護保険条例の制定について」における介護保険料の引き上げは、準備基金3億9820万円をとりくずし、料金抑制は図られているものの、基準とされる第5段階の保険料が3.1%アップ、年額としては、5万6,280円にもなります。第6期に、利用料が1割から2割に改定された方の中で、この7期からは3割負担となり、「所得の高い」ということだけで、家庭の事情など度外視され、負担だけが増やされるのです。それらを反映した本予算であり、反対するものです。

 介護報酬の改定が行われプラス0.54%のアップですが、ほとんど影響しません。事業者も経営が大変であり、そこで働くスタッフは、低い報酬のまま据え置かれている状況です。「介護現場の離職者」は増えている状況です。介護事業は必要であり、介護されても人としての尊厳を保ち生活が保障されるべきです。その保障のためにも介護現場の改善が要求されます。
 ところが生活援助の基本報酬が2単位引き下げられることによって、より安い労働力が要求され、事業が困難にさせられるとか、生活援助サービスの利用制限が10月から実施されてきます。 また「自立すれば評価点を引き上げる」とした「インセンティブ改革」実施で、医療や介護施設からの早期退院、在宅での医療・介護がなかば強制される事態が始まろうとしています。
 これらが、「地域包括ケアシステム」という制度の下で、進化・推進が図られるのです。

 医療も介護も社会の責任で行うという原点に立ち返った制度見直しが求められます。以上を申し上げ反対討論とします。