黒田みちのたんぽぽだより(No.192)

敷地面積足りない 新たに表面化
事業費129億円増 100%借金 355.5億円に!

2018年8月
日本共産党川西市会議員 黒田みち

➜ 黒田みちのたんぽぽだより(No.192)はこちら(PDF)

【1面】

敷地面積足りない 新たに表面化
事業費129億円増 100%借金 355.5億円に!

市道や協和会?土地活用も
全室個室化・駐車場なし
紹介状受診…

無理な計画次々

 「(仮称)川西市立総合医療センター基本構想(案)」に対する市民意見を聞くパブリックコメントに係る議員協議会が8月23日に開催され、あらたに「敷地不足」が表面化。市道や協和会所有地の活用を検討していることがわかりました。「無理な計画」の表れです。

建ぺい率、容積率未達

 キセラ新病院は昨年5月1日、協和会が購入するとしていたキセラ医療ゾーン10535㎡を市が購入し、延べ床面積36,000㎡の病院をつくると発表していました。

 ところが、今回のパブコメ用資料によると、延べ床面積約35,000㎡で、当初より1,000㎡縮小。35,000㎡を確保するには、敷地面積が最低11,000㎡(建ぺい率60%、容積率300%)必要とし、「医療ゾーン」西側市道(約700㎡)と北側協和会所有地(約717㎡)を活用するとしています。協和会土地は有償か無償かは未定。

(キセラ区画整理事業区域内には協和会所有の土地はありません)

 キセラ(中央北地区)開発は、区画整理事業で実施され、医療ゾーンは協和会が17億円で購入、296床・駐車場100台の病院を新設の計画でした。ところが、今回の「構想(案)」で、400床の大病院建設に転換。駐車場不足や敷地不足、事業費の大幅増として表れているのです。

「駐車場共用』可能?

 駐車場30台は、救急車や業者用に優先、患者・家族は「キセラ川西エリア内の駐車場を相互利用させる計画」。 すぐ隣のキセラプラザ・ホール(1,000人集客)建設の時も駐車場確保が難問で「相互利用」を繰り返していました。土地の借用や購入でさらにコスト増になるのではないか.など懸念されます。市は、今年度も5,205万8,460円(㎡単価最高9,000円)で借上げている駐車場土地※があり.シルバー人材センターなど民間にすでに16台分無償貸与しています。

【4面】

問題多い「医療構想(案)」北部は医療過疎地に
急病・休日どこへ行く?!

 市の21%(32,263人)が住む北部地域。お隣の3町(61,468人)共々、市立川西病院は命綱。検査・手術・入院ができるのはここしかありません。在宅療養支援病院も、中部10、南部6に対して、北部は1か所のみ。

 24時間・休日診療は、川西病院閉鎖後の「北部診療所」の内科だけ。整形外科や小児科は午前中のみ。検査はシャトルバス(月~金、1時間に1本)で「キセラ川西センター」へ。

 交通網寸断されたら?!市内の地域別ベッド数は、中部が急性期199、回復期50、慢性期361、南部は順に538、151、354+α、北部はゼロになる市の構想(案)です。(地図参照)

 地震や豪雨で鉄道や道路が寸断された今年の夏。
 自然災害への対応の面でも、市全体のバランスの良い病院配置、北部に2次救急病院は欠かせません。

「(仮)川西市立総合医療センター基本構想(案)」市の説明会

9月8日(土)
10:00~12:00北陵公民館 集会室
14:00~16:00陽明小学校 多目的室

9月15日(土)
10:00~12:00 牧の台小学校 地域交流室
14:00~16:00 東谷公民館 集会室

9月22日(土)
10:00~12:00 みつなかホール 文化サロン

【2面3面】

1.市は、病院建設に係る事業費を全て市債発行。2019~2021年度の3年間で利息含め355.5億円、全額銀行などから借金。2051年まで、30年間返済が続く。(公債償還)

2.※2「市の負担は49億円だけ」はウソ(当初は227億円だけと言っていた)すでに、2019年度から3年間、人件費補てんで約10億円余を負担。他にシャトルバス運行など協和会(協立病院)に別途依託予定で負担は増える。

3.協和会(協立病院)は、※1 市の償還分の50%を負担金として支払う予定だが、市の償還は30年。指定管理期間は20年間。残り10年分は、次期指定管理者の支払いに。(新聞報道で、協和会が177.7億円負担するとあるのは間違い)
 医療機器購入や建物維持管理などの負担は別途市債発行となる。
 たんぽぽだより185号でお知らせしたように、上野原市立病院は、医療機器購入費の負担金を2年間払えなくなっています。

4.キセラ川西センターは、協和会の要望通り、全室個室化。手術室充実と合わせて28.5億円の建設費増。この負担増は、国の交付金対象外で、市単独の負担となります。

差額ベッド1.6億円

 自治体病院の病室の有料化率は3割に制限されており、「キセラ」は400室のうち有料3割、無料7割と設定。有料個室は1日4,000円。入院稼働率を93%としていますから、単純計算すると、1日の室料は44.4万円、年間1.6億円の収入が見込まれます。

 これらはすべて協和会収入=患者負担です。

 自治体病院は患者負担を少なくする責務があり、現市立川西病院の有料室は250室中43室(17.2%)に抑えられています。

 協和会収支計画による「黒字分」は全て、協和会のもの。

 新病院は、紹介状がなければ診てもらえない。ベッドコントロールという名の退院勧奨…名前は市立病院を標榜しますが、現川西病院のように、使い勝手の良い安心・信頼の砦とはいかないようです。「北部に医療の空白地をつくるな!」しっかり声をあげましょう。

*大阪北部地震、西日本豪雨、台風被害へのお見舞い申し上げます*

 台風20号通過、皆さんのお宅はいかがだったでしょうか。我が家は老朽化したウッドデッキの囲い部分が倒壊、山下の事務所は立て看板が1m程度移動。改めて凄い風と雨だったなあと感じると共に、これからが台風シーズン本番。しっかり点検・対策しておきたいです。皆さんも気をつけてお過ごしください。

 改めて、地震や豪雨災害で被災された方々に心からお見舞い申し上げますと共に1日も早く日常を取り戻すことができますよう願っています。

 6月18日の大阪北部地震、7月5日からの西日本豪雨被害への救援募金にご協力いただいてありがとうございました。第1回目30,662円、第2回目20,l98円、計50,860円振り込みを終え、引き続き募金とボランティア活動に取り組んでいます。今後ともよろしくお願いします。

*ブロック塀の撤去費用に補助が出ることになりました*

 市が、地震などの自然災害や老朽化に伴うブロック塀等の倒壊による被害軽減を図り、地震に対する安全・安心なまちづくりの取組みを支援するため、ブロック塀等の撤去費用を支援する制度創設の準備を進めています。

 撤去を行う前に、市の窓口に申請する必要があります。既に撤去済み、工事契約済みの場合は、補助金を受けることができませんのでご注意ください。(個人宅・補助率3分の2、上限20万円、 住宅政策課 740-1205、10月中旬頃開始予定)

 他に、幼稚園や保育所・特別養護老人ホームなどへの補助制度(12月頃開始予定)もあります。詳しくは布役所へ 740-1111代表

黒田みちのブログ「たんぽぽだより」はこちら