就学前の子どもの医療費無料化を求めるなど7件の請願 「由さんのくらしの便り」

「由(よし)さんの くらしの 便り」2009年12月第248号
川西市会議員(日本共産党) 住田由之輔(すみだよしのすけ)発行

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12月議会報告
就学前の子どもの医療費無料化を求めるなど7件(内2件は同趣旨)の請願。

21日、本会議最終日に採決へ

 請願7件すべてが厚生経済常任委員会に付託され審議されました。その結果に基づいて21日の本会議で採決されます。
 『障害者医療費助成制産に関する』請願は「制度が改悪されてきた中で制度の拡充を県に働きかけるとともに市としても支援の拡充を検討してほしい」という内容で、委員会では賛成者多数でした。
 『入浴サービス事業の継続』は二つの団体から提出されています。60歳以上の住民に対して、地域の大衆浴場で週2時間の無料サービス。一の鳥居、緑台老人施設での入浴サービスなどが廃止される方針が出されそれに対して継続をしてほしいという請願です。年間の利用者が延べ6万にも上ります。委員会では賛成多数でした。
 『就学前の子どもの医療費無料化』はこの間なんかいとなく提出されてきており、県の制度として実現もしてきているわけですが、阪神間の都市と比べても川西市は一番遅れており、早期に就学前までの支援の実施、ゆくゆくは中学卒業まで引き上げていくべきだと考えています。委員会では賛成多数でした。
 『後期高齢者医療制度の即時廃止の意見書提出』は参議院において民主党も廃止を賛成し採択されたのに、政権をとるや四年間先へ延ばすと決めてしまっています。こんな公約違反はないと思います。もっと住民に対し、高齢者に対し真摯な対応をすべきではないでしょうか。委員会では民主党系議員を含め反対が多数でした。

通学路の安全対策、中央北地区開発と財政問題など三件 一般質問をする住田

 今年10月、通学路で、小学生が交通事故にあい命を落としました。大変残念なことです。幼い命を大人が守る責任があります。まずは行政が率先して、せめて通学路の安全対策を万全にすべきであり、その要求をしました。
 軽微な改善は速やかに実施しているが、道路の改良、信号機の設置はなかなかできていないのが実態で、行政もその認識は持っているとの答弁でした。
 『細菌性髄膜炎ワクチン(ヒブワクチン)への助成を求める』、『兵庫県建設園民健康保険組合運営補助金の経続を求める』はいずれも賛成者少数でした。
採決は最終日であり、逆転する可能性もあります。ぜひ傍聴へもお越しください。
 ちなみに、日本共産党議員団はすべての請願に賛成の立場で臨んでいます。
 9月議会でも通学路の改善要求を一般質問でしてもおりますが、そこの改善もこの15年間まったく進展していません。
 そのような実例も出し、お金がないからできないでは済まされない、子どもの命はかけがえのないもの、改善へ全力を尽くせと要求しました。
 2月22日から文化会館・中央公民館が工事に入り5ヶ月間休止をするのに伴い、利用者に代替施設を考慮すべしと訴えました。検討する時間はあったから自分で探しなさいといった答弁でした。

300億円つぎ込んでいるが地価が下がっている中で「差損」についてどう考えているのか
中央北地区整備事業

 簿価77億円の土地が19億円に。65億円投じて、移転補償、土地の買収をした土地が14億円に。土地の下落によって近傍価格で換算すれば、これまでかけた費用の25%程度であったことが住田の一般質問で判明しました。
 すでに開発にかけたお金は移転・買収費だけの元金で240億円を超えます。利子や設計費などを入れると300億円を優に超えます。そんな中、これから10年間で100億円かけて、土地の区画整理事業をするとしています。そのうちの70億円は市民の税金、市有地売却などで補われます。
 一方で入浴サービス廃止など市民サービスを切り下げているわけですから、「開発優先政治」が市民のくらしを困難にしている状況です。もっと財政的に好転してから進めるべきではないか、土地の価値下落で生じた「差損」に対してどう責任を取るのかなど問いました。年間10億円かかっていた火打前処理場運営を廃止したのだからその30年分300億円と比較すれば大量の税金投入は織り込み済み、「賑わいをつくることで責任を取る」とした答弁でした。
 そのお金をもっと市民のくらしにふり向けて活用するといった発想がありませんでした。

5年間で62億円歳入不足であるならば、事業推進で財政破綻するではないか、凍結を
中期財政計画との対比で

 市は一般建設費で市が持ち出すお金が年間5億円、借金できる限度が10億円であり、その範疇で事業ができるので問題がないとしています。
 ところが一方で歳入不足だから、職員は減らす、給与も抑制する、入浴サービス廃止、教育費もこの間削減し、学級通信に使う用紙も抑制せざるを得ない状況が作られてきました。
 このような歳出削減をやっておるわけですから、「中央北地区開発」にかける費用が市民生活に悪影響を及ぼしているのは事実です。240億円も投資したそのお金は市民の税金です。その地域に住む方だけではなく市民全体にどのように還元していくか、行政が考え対応していくべきではないでしょうか。ところが答弁のすべてに、「地元地権者」の意向に沿って、まずは「地元地権者の合意を得て」との発言が目立ちました。
 道路も含めれば50%は市民の土地であるにもかかわらず、その「地権者である市民」は蚊帳の外に置かれています。こんな対応がいいはずありません。

市民への説明責任を果たせ

 幾度となくこの訴えをしていますが「市民に意見を闘いても反映するものがない」と、説明することすら拒んできています。
 「情報の公開」という当たり前のことができていないのが現状です。このかたくなな行政の態度を崩すのは皆さん「声」です。ぜひ事業についての説明会をもての意見を行政・市長に提出し、市民の納得と合意に基づいて税金の使い方・事業のあり方を考える行政にしてください。