指定管理者 協和会(協立病院)に
「北部に市立川西病院を残すべき」の立場で推移をチェック!
たんぽぽだより No.186 2018年3月
日本共産党川西市会議員 黒田みち
➜ 黒田みちのたんぽぽだより(No.186 病院特集第11弾)はこちら(PDF)
【1面】
指定管理者 協和会(協立病院)に
「北部に市立川西病院を残すべき」の立場で推移をチェック!
課題は山積
現市立川西病院の指定管埋者を「協和会(協立病院)」とする議案と協和会が協立病院の建替用地として購入予定だった17億円の土地を市が買い上げる予算の議案が3月議会で審議されました。多くの市民が反対署名や慎重審議の請願・要望を提出しましたが残念ながら、建設公企常任委員会において賛成多数で可決されました。3月26日開催の最終本会議でも、賛成多数になるでしょうが、今後の課題は山積。私たちはあくまで「北部に市立病院を残すべき」の立場で推移をチェック、皆さんにお伝えしていきます。
2年間は現病院で
現川西病院は、1$診療科・3専門センターを備え、手術と入院の2次救急に対応した総合病院です。
市の計画によると、2019(H31)年度から2年間は現病院のまま管理・運営を協和会(協立病院)に委託。2022(H33)年度に、市がキセラで新病院を建設、北部には診療所を開設するのに合わせて現病院を解体します。指定管理期間は新病院開院後20年間。
収入・儲けは協和会
今回の指定管理者制度は、市が100%借金で、建物・設備一式、医師・看護師を含む280名を協和会に提供し、指定管理料を払って管理・運営をすべて任せるもの。病院の売り上げ、儲けはすべて協和会のもので、実質民間病院として運営されます。(現職員は全員解雇、新たに協和会職員となる予定ですが、全員移籍する保障はありません)
「ともかく協和会」?!
市が、それまでの「北部建替え計画」を180度転換させる「医療構想(案)」を発表したのは昨年5月。以後、住民への情報提供や説明責任をほとんど果たさず、目玉とされた「山下駅前24時間急病センター」案も「診療所」に格下げ。他の「構想案」も変更を余儀なくされていますが、ともかく「協和会に決めてしまえ」と強引に突き進んでいます。
要望、陳情が10件
市民から、「急いで決めないで」の請願3件と10件の要望・陳情書が市長と市議会に提出されました。
3月5日の建設公企常任委員会では、住田(日本共産党議員団)、北上(自治市民クラブ)両議員が、今まで明らかにしてきた疑問や問題点を追及。参画と協働のまちづくり推進条例に照らしても「市民の声をしっかりくみ取る。拙速に決めるべきではないJとがんばりましたが、賛成多数(久保・坂口・安田.米澤・大崎・江見各議員、秋田委員長)で可決。3月26日の本会議で可否が決まります、(また報告します)
市民の運動、調査・研究続く
指定管理者は決定したものの市民の間で「住民無視で突き進むな」「北部に2次救急医療の空白地をつくるな」「指定管理者制度導入の危険性」「市財政の問題点」などの声や調査・研究が続いており、「白紙撤回」署名も1524人分を追加提出、合計14424人分が市長・議長宛てに届けられています。
安心の子育て支援を
待機児童増加
「保育所落ちたの私だ!」で、顕在化した保育所・待機児童の多さ。減少させる施策が必要だが、市の待機児童は3月1日時点で231人。昨年同時期の1.7倍にもなった。
保護者にとったら死活問題
もったいない解体
この春開所する幼保一体型牧の台認定こども園(建設費6億7000万円)。幼稚園70人、保育所60人が通う。畦野駅前・とっても便利な緑保育所は廃園.解体・売却だとか…。もったいない。
市民の大切な財産は耐震補強工事をして使うべきではないか。
耐震計画は反故に
市は、2012(H24)年、耐震補強工事が必要な幼稚園と保育所の耐震化方針(5か所分)を発表。2016(H28)年度までに完了予定だった。必要な工事費はその当時行つた工事費の約2倍見積もっても1億5000万円程度(緑保育所なら1655万円)。
ところが、耐震補強工事は中止され、廃園・統廃合・解体へ。私(黒田)が納得できず追及しているのは、牧の台幼稚園のように、「耐震補強の必要ない施設※」から、粛々と廃園・解体を進めていること。公立幼稚園は定員割れをしている。空き教室の利用で保護者の願いである3歳児保育、預かり保育をすぐに実施できる。小学校の敷地にある園ならすぐに給食実施も可能だ。地域に根差した子育て施設を大切に丁寧に使用し、工夫することが厳しい財政の本市には必要だ。
※ 耐震補強工事が必要な指標・Is値、一般施設はIs値0.6以上、教育施設は同0.7以上(牧の台幼0.79.ふたば幼0.90、川西北幼0.73)
3月予算参考書を見て驚いた
「財政が厳しい」とは思えないムダがある。
川西保育所と川西幼稚園の一体化は理解できる。しかし、川西保育所(60人)仮移転のための仮園舎が1億3000万円(限度額)。最近建設された民間園(117人)建設費は2億5000万円。
地域間格差も考えて
また、現在川西中学校区には、4つの公立保育所と民間保育園が4か所ある。川西北小学校北側に民間保育園(120人)があるのに、北小南側に市の認定こども園(180人)を建設する市の計画。その上、90人定員の施設誘致を行うという。市内には、保育所のない小学校区、民間園しかない中学校区がある。時代のニーズに応じた世代交代するための子育て施設は、地域間格差を拡大するのではなく是正すべきです。
待機児童ゼロ、真剣に子育て施策の拡充を人口減少・高齢化への歯止めは、若い人に住んでもらうこと。安心の子育てを応援すること。市の責任で待機児童ゼロを実現せよ!と訴え続けている。
既存の施設を有効活用し、公立保育所の定員を増やすべき、公立幼稚園の活用はもっと大胆にできるはず。文部科学省も空き教室を使った柔軟な対応をするようにと言っている。
新年度、留守家庭児童育成クラブ(学童)の待機児童は99人(予定)。新1年生の待機児童も。真剣に子育て施策を前進させましょう。
市民の実態に目をむけて、市民の声や願いを聴いて、安心して住める街にしましょう。
4月25日(水)10時~12時 東谷公民館・講座室
川西病院 3月市議会で何が決まったか
これからの北部の地域医療どう守る
指定管理移行期間スタート 懇談と意見交換を…(黒田みちも報告します)
主催・川西の医療と介護をよくする会
【2面】
「指定管理者は不適」の答申はどこに消えた?
市立川西病院をめぐる経過と施策の在り方の不思議
川西病院の経過をまとめてみると、市政のあり方がよくわかります。
★2009(H21)年度
初の市立川西病院改革プラン策定
★2011(H23)年度
同上 改定
あり方委「指定管理者制度」は不安定★2012(H24)年度
あり方検討委員会が2年かけて検討
H25年・市広報6月号で病院特集記事
2014(H26)年3月に報告 ※1
<報告から※>
* 指定管理者制度では、安定的な医療提供が行われるという保障がなく指定管理者の変更などの課題が全国の例でも散見されるので慎重に検討すべき
「3町に負担求める」
* 3町(猪名川、豊能、能勢)の住民が病院利用をしているので、一部事務組合や、3町に相応の負担を求めてはどうかという意見で一致
現地建替えの日程も
<報告から※>
※1 北部で新築と現地建替え
2つのスケジュール
・2015(H27)年度=基本計画策定
・2016=基本設計、実施設計
・2017=新築移転の場合
~建築工事~2019(H31)開院
・2017=現在地で建替えの場合
~解体・建築~2020(H32)開院
北部建替えなど4点確認
★2015(H27)年5月 市の考え方を示す
以下4点*
*①市北部での整備を基本に ②建替を基本に ③一般急性期病院を基軸に ④現在の許可病床数(250床)を維持
4億円拒否で転落
★2015(H27)年10月3日付 神戸新聞記事
「略…市立川西病院は、健全化団体への転落を避けるため、市に4億円の長期借り入れを打診したが実施されず…資金不足比率が16%から25.8%に拡大した。」
H26年度決算で経営健全化団体へ転落
(市が4億円貸せば転落しなかった)
急きょ汚染対策12億円
★2015(H27)年9月議会 中央北地区(キセラ)土地区画整理事業特別会計補正予算
「当初4億円の汚染土壌対策が12億7000万円必要になり、5億1140万円の補正」
残額は新年度予算に組み込む(この補正は、議案内容、議案提出の在り方も前代未聞の異常さで進められました)
キセラ・返済額 21億5820万円(H30年度)
住宅街区整備事業返済額8億8800万円
区画整理事業返済額 12億7020万円
(共に30年ローン、単年度返済額がこれら)
協和会がキセラ土地購入
2015(H27)年10月 キセラ医療ゾーンを「協和会」が17億円で購入決定、自前で新病院建設表明
病院はだめ、キセラは0K!
2015(H27)年の怪
市立川西病院への4億円の貸し付けはできないけれど、キセラになら突然の5.1億円の補正予算、合計12.7億円出すことができる市財政。
続々と計画変更、むだな投資
公共施設の再配置で、消防署の向いに認定こども園を建設するという杜撰な計画を提出し、何度も変更。幼稚園、保育所の耐震補強工事計画を反故にし、補強工事不要な幼稚園を壊す一方で、無理やり幼稚園・保育所の統廃合計画に沿ってこども園新設へ突き進む。(別項参照)
ムダ、中学給食でも…
2016(H28)年3月、「中学校給食検討会議」で「小学校と同じ自校方式を基本に実施」と決め、2017(H29)年度に明峰中学校をモデル校に選び、240万円の調査委託料を予算化。
2018(H30)年度2学期に給食スタートの予定でした。
ところが市は急きょ、市の一番南部・久代のため池を埋め立てた場所で4500食の大規摸給食センターを計画。 委託料550万円で調査したもののうまくいかず、現在、建設・管理・運営を民間に委ねるPFI事業の検討(調査委託料500万円)に入っています。
使える施設、もったいない
使える施設を壊して大型施設をつくり企業集団に丸投げ。市民の願いの施策は計画しても変更ばかり。その結果、一般会計569億円のうち委託料は93億円(うちPFI事業だけで30億円))にも。借金は増え(市民一人当たり47万円)、基金は減少(同12600円)しています。
今回の川西病院の閉鎖、新病院の建設と指定管理制度でも250億円~300億円近い借金を抱え込みます。
うまくいく保証なし
川西病院の指定管理者制度でうまくいく保証は全くなく、課題は山積。医師・看護師確保や診療科・病棟維持が困難な先行事例が横行しています。「ありかた検討委員会」が指摘した「安定的な医療提供の保証はない」どころか、指定管理者の経営を支えるための財政支援を増やしている自治体もあるのです。
病院残し「生き生き街づくり」を
北部の二次救急病院がなくなれば、若い世代が増えず、世代継承ができず、税収も激減します。
そうではなく、住民の声や願いを真摯に受け止め、老いも若きも生き生き、財政的にも潤う街へ。新名神・川西インター開通で新たに京都・神戸も視野に入れたまちづくりを発展させましょう。「北部に病院残せ!」しっかりと声をあげ是正させていきましょう。
「住民が理解できるように説明してほしい」
兵庫県庁・医務課と懇談
3月20日、市立川西病院のこれからについて、心配されている市民の方々(9人)が、「川西市が、市民に情報を提供し、説明責任を果たしてくれるよう、市民を後回しにしたまま、拙速に決めないでほしい」と、地域医療構想を策定している兵庫県に懇談に行きました。(日本共産党県議団3人、川西市議団3人同席)
県医務課担当の味木・山本両氏が、対応してくれました。
出席者から、「総務省・新ガイドラインにも住民の理解を得るように、と記載があること」「市の進め方が早すぎて不安」「高齢者はもちろん、出産できる病院が北部には絶対必要」「市内ベッドが減ることで医療難民がでる」「280人の職員解雇は酷い」など、この間の市の在り方・課題・問題点が伝えられ、県からぜひ、指導してほしいと訴えられました。
味木・山本両氏の発言でわかったことは、①5月1日の後、新聞報道された記事と同じ資料で報告があった。その時に「急病センター」の名前はふさわしくないと伝えた ②医療構想は圏域毎に自治体間で調整会議をもって決めている ③県に指導する権限はない ④市民が懇談に来たことは伝える…という内容でした。
県議団から、「市民の意見を聴くように」「市民が考える期間をおくように検討してほしい」「今日わざわざ県に来られたのは、やむにやまれずという思いだと伝えてほしい」と後押しがありました。
限られた時間でしたが、担当として丁寧に対応して頂き、交付金や病院建設については担当外であることを教えてもらい、次につなげて行くきっかけになりました。