2018年3月議会 住田由之輔:市立川西病院廃止移転新築民営化について

2018年3月議会一般質問  一問一答制

市立川西病院廃止移転新築民営化について

2018年3月27日

日本共産党議員団 住田 由之輔

 2016・平成28年12月、今日、市立川西病院の指定管理者として指定されようとしている、「医療法人協和会・理事長」から、「密接な連携・協力体制を構築したい」旨の手紙が市長あてに届き、市長はその真意を聞き、2017・平成29年3月から4月初めにかけて「(仮称)川西市立総合医療センター構想案」を作成し、5月1日に議員に発表。

 9月23日に市民説明会を2か所で行い、見直しを求める発言ばかりであったのに、その時期、指定管理者募集要項ができてきており、発表から公募まで5か月。市民の意見は無視、議会は軽視し、事業を強行しているのはなぜなのか。

 川西市は少なくとも、市民との「参画と協同」でまちづくりを推進していくことを自ら打ち出しているにもかかわらず、それを否定する行為は、大塩市政そのものが「自分で決めたことも守れない」市政運営をしていると判断せざるを得ません。間違った行政の在り方であり、これを正し、市民とともに事業を推進する市政にすべきことをまずは要求します。

 この間何度か市立川西病院問題の分岐点があり、その時々、市政トップである大塩民生市長の決断が状況を左右しており、その時々どのような決意でおこなわれたのか、そのことにたいして職員にどのような指示をしたのか、市長としての「責任の取り方」など、市立川西病院問題について伺います。

1. 「市立川西病院問題」結節点における市長の決断・決意・指示について

1) 国へ提出する最初の「経営改革プラン」(平成21年3月)において「独法化」を断念したことについて

2) キセラ川西地域内に「医療ゾーン」を設置したことについて

 ・数百mも離れていない場所に、医療法人協和会が急性期・回復期・慢性期医療を経営し、高齢者対応の介護施設等複数営業している土地に、わざわざ「医療ゾーン」として設定した市長としての真意はなんであったのかお聞かせください。

3) 医療ゾーン売却を決定したことについて

・協和会しか手をあげないことがわかっていたのに「公募」したことについてお聞かせ願いたい。

4) 協和会から手紙が来て真意を確認したことについて

・「ご一緒にやりたい」との内容がはっきりと書かれている手紙から、どのように感じられたのか、会うことを決心し、真意を聞かれ、どのように決断されたのか、お聞きしたい

5) 医療構想案作りを決意され、職員に指示されたことについて

 ・なぜ「指定管理者制度」導入を決意されたのか、市の職員が直接市民の命と健康を守る作業にかかわれなくなることを承知されたのか

6) 北部からの撤退、「医療ゾーン」へ設置すると決意されたことについて

・当然住民の反発は予想されたであろうに、また、川西市のまちづくりとして、高齢化によりさらに需要が高まり、若者誘致の観点からも北部に設置が望ましい施設と考えるが、なぜ撤退を決意されたのか

7) 「北部診療所」へ舵を切ったことについて

・市立川西病院を「かかりつけ医」として利用されているだろう患者のみを対象に考えたのか。

8)  平成26年度病院事業決算において「経営健全化団体」になることを容認されたことについて

・公営企業法改定時期に、あえて20%を超える「負担比率」を公然化された真意は何か。

9)  赤字を解消できず管理運営を民間にゆだねることにし、「市立川西病院事業管理者」をなくすことを決断されたことについて

・大塩市長が招致した管理者であり、その責任はどのようにとられるのか。

2. 指定管理者制度を導入する市のメリットについて

1) 病院事業に毎年10億円の支援をしなくて済むことについて

 ・10億円のうち約2億3000万円は政策医療費、残りについても85%は法定内で支出しているものであり、住民への説明と納得の下で、病院への支援金として支出も一定考慮できる費用だと考えるが。政策医療費以外の持ち出しは考えなくてよいということなのか

2) 280人もの経験豊富な医療スタッフ・市職員を指定管理者にゆだねることができることについて

・大規模な分限解雇の理由が成り立つということになるが

3) 「指定管理者制度」導入で経営は黒字化できることについて

・新施設2年目で黒字化し、利益を公設病院内「医療充実」のために使うことになるなど

・利用料金制度を導入になり、利益が上がれば「職員の研修」「職員の給与ひきあげ」にも使用することにつながるのか

・財政計画から見えてくる20年後、代替わりしていく中で、黒(赤)字分はどうなるのか

4) 40億円の累積債務は単独での借金として処理できることについて

・市民の責任で、一般会計からの処置をし、返済すれば済む

 5) 管理運営は100%指定管理者が行うことについて

・川西市は「公共医療提供」者として、住民が必要とする医療にこたえることができるのか

・医療に携わる職員がゼロになるが、

6) 北部診療所は「かかりつけ医」を必要とされる住民対応で済むことについて

・「かかりつけ医」だけのものであるならば、開業医の協力で解消でき、診療所としての必要度がなくなるが

7)  3割の急性期医療病床を削減させ国の指導に沿うことができることについて

・県の医療構想に沿った事業が推進でき、病床稼働率も高めることができ、経営にプラスになる

・医療難民の発生は起きないのか

8) ハイリスクな小児、周産期医療を「公立病院」で一本化できることについて

・直接関係ないはずの第2協立病院の小児・周産期美容賞を削減させることは市民に対して背信行為になる

9) 176億円の事業費のうち市は10%負担で済むことについて

・40%の交付金措置を求めるために、新改革プランに基づき、「再編・ネットワーク化」計画書を国へ示す必要があるが、計画書は議会に示されていない。国や県に対して財政問題を含めてどのように説明されているのか。交付金支出される裏付けは

・市債発行の結果、市の持ち出しは1割の18億円以内で済むのか

・利子、土壌汚染対策費、その他想定ではどの程度のプラス負担になるのか

・それらは指定管理者に50%負担させるのか

・建設される施設、設置される医療機器、土地などは、市民の財産として残るが、30~50年後の建て替え時には、市民の税金で行うことになるが、10%の負担との整合性について

10)市が行うべき地域包括ケアシステムを指定管理者にゆだねることができることについて

・市の責任で行うべく、医療と介護について、民間任せ、個人任せになってしまう

11)「診療所」との交通網設置は交付税で処理できることについて

・市立川西病院を中南部住民にも使いやすくするためにバスの運行を要求されたのに拒否をし、黒字化への施策に背を向けていたのに、「かかりつけ医」を望まれている患者対象にバスの運行をするというのは合理的でない

3. なぜ市民の声に真摯に対応できないのかについて

・北部からの撤退反対

・診療所では代替にならない

・基本午前診で満足な診療はできない

・急性期病床削減は全市民にとって「安全への脅威」

市内から3割も削減する

・小児、周産期病床の削減
第2 協立病院の小児、周産期医療までなぜ「総合医療センター」で受け入れるのか

・入院期間の縮小で、完治しないままに放り出される
 10日ばかりで退院、在宅医療、高齢者施設へ転送されるなどの声に対して、「公的医療機関の使命を果たした」と言い切れるのかなどの声が届いているが、全く聞く耳を持とうとしない態度は、大塩市政の立場なのか

4. ネットワーク化について周辺自治体との協議をしなかったことについて

・合併優先で、周辺公立病院、3町とのネットワーク化は話し合われていないことについて

3町との協議はないまま推移

池田市民病院との連携はない

伊丹市・宝塚市との協議はない

5. 医療に対する「公的責任」の果たし方について

・モニタリング体制をとるから大丈夫との言い分だが、毎日280名、年間7万人の公務員が「チェック」をして事業を進めている「医療機関」のチェックを、川西市は、指定管理者設定後・新病院施行後、何人の市の職員が、どれだけの時間、どんな対象を「モニタリング」をしていくのか。

(280人×5日×50週=7万人の目)