たんぽぽだより(No.179)病院特集第4弾

川西病院の閉鎖・医療センター構想
まだ、決まっていません!

2017年9月 日本共産党川西市議会議員 黒田みち

 「たんぽぽだより」179号はこちら(画像PDFファイル)

【1面】

川西病院の閉鎖・医療センター構想
まだ、決まっていません!

 市民や議会、病院関係者にとって寝耳の水の新聞発表(5月1日付)から4か月。市主催の住民説明会は、やっと9月23日(土)に開催されることになりましたが、今は、「案」を説明している段階。なにも決まっていません。

 議会では、病院の管理・運営を「指定管理者」にできるようになっただけ…です。

問題山積、『白紙撒回を』の声広げましょう

住民の声、署名広がる

 この間、住民の方々が出前講座や学習会、署名などで声をあげ、市の「構想(案)」に「絶対ダメ」
「おかしい」の声が広がっています。

 6月議会で「病院の管理・運営を指定管理者にできる条例」が可決され、「もう決まったのでは」と思っている人もいますが、「できるようになった」だけ。反対は5人でしたが、賛成した議員も、具体化の段階でずっと賛成のままとは限りません。

病院改革の経過

 市は、2009(平成21)年3月に「市立川西病院事業経営改革プラン」を策定。2011(平成23)年3月に同プランを改定。

 2012(平成24)年度から2年かけて「市立川西病院あり方検討委員会」を開催。病院の実態や市民アンケート調査、市立川西病院の整備に向けた考え方をまとめました。

「北部での建て替え」決定

 内容は、①市域北部での整備を基本に、②建て替えによる整備を基本に、③一般急性期病院を基軸として病院機能を担う、④現在の許可病床数を維持、この報告を受けて市が検討、2015(平成27)年5月に発表しました。

 途中、2014(平成26)年度決算で、経営健全化団体となったものの、「市立川西病院経営健全化計画(2018(平成30)年度まで)」を策定、病院一丸となり、改善に向かって努力している真最中です。
土地売却17億円入金せず…

 今年3月に公表された「市立川西病院事業新経営改革プラン」へのパブリックコメントでは、公立病院の存続、北部での建て替えを求める意見が数多く出されていました。

 また、今年度の病院事業会計予算は、これまでの経過を踏まえた予算を決定。

 一般会計予算でも、キセラ川西医療ゾーンの土地代17億円が協和会・協立病院から入金されることを確認、決定しています。

「協力依頼」で急きょ転換

 ところが、市は、昨年12月に「協立病院から協力依頼の文書が届いたから」と急きょ方針を転換。突然、「構想(案)」が5月1日付新聞に発表されたのです。

 土地売却代17億円の入金がなくなり、逆に176億円もの借金をする…これほどの大問題を議会や市民を無視して決めてしまうことは許されません。

たんぽぽだより病院特集号

 5月から毎月「病院特集」を組み、お知らせしてきましたが、今回は第4弾。(バックナンバーの希望や意見、要望などはお気軽に)

【2・3面】

構想(案)は北部が2次救急の空白地に、市全体の医療水準が後退する

いのちに関わる

 構想(案)の最大の問題は、北部地域から「2次救急・総合病院」がなくなること。救急車で、ベリタスや協立病院まで運ばねばならず、一刻を争う救急搬送にとって命に関わります。

 また、患者はもちろん、家族の精神的、時間的、経済負担が増えます。

「もしも」の時の「安心」につながる、手術・入院ができる救急病院は、まちづくりの要。なくなれば、巡回バスの廃止や若い世代の流入減など街の機能が壊れ、財産価値もさがるでしょう。

市全体の医療が後退

 北部だけでなく、市の医療水準も後退します。市全体の急性期のベッド数は160床程度減ります。(川西病院250床と第1協立病院314床がなくなり、新病院400床となる予定)。新しい病院は紹介状がなければ受診できせん。

急病センターでは対応できない

 外来患者の受入れのため、山下駅前・能勢電鉄の土地を購入(交渉中)、急病センター(C)をつくり、内科・小児科・整形外科の医師3名で、24時間常駐するとしています。

患者無視の懇話会

 具体化のために「地域医療懇話会」が開かれていますが、ここでも患者は置き去り。

 市病院担当者が「年間11万人(1日平均456人)の外来患者の利用があるが、『かかりつけ医』としての利用は、レセプト(診療報酬)データで、複数診療科受診者を「1」と数え、紹介状持参の患者・時間外利用者・健康診断受診者をはぶくと7000人まで絞り込める」と発言。
「1日20人程度なら急病Cはいらない」などの発言が出ています。その後、「説明不足だった」と1日「20人」は「125人」に変更されました。

(第3回懇話会)

 元々、川西市は開業医を含め、病院の少ない市。高齢者が複数診療科を受診する一のは珍しくありません。3科・4診療室の救急Cでは、検査もできず、現外来患者の受け皿にはとうていなれません。

医療、介護難民をつくらないで

 また、市立川西病院の入院患者(1日平均195人)は、急性期の患者さんばかりではありません。

 市の医療過誤やさまざまな事情で民間での受け入れが困難な方、診療報酬が減っても入院期間を延長する[ケースなど、公設公営の病一院としての役割、福祉医療の機能を果たしていま。

 民営化に伴って、行き先が決まらないなどの「医療・介護難民」をつくってはなりません。

 ■自治体 人口1万人当り、病院・診療所数
  川西市    7.70
  伊丹市    9.11
  宝塚市    9.12
  三田市    7.90
  池田布   10.73
          ※都市データパック2016年版より

医療サービスを後退させ、
新たな借金と赤字を生む「指定管理者制度」 白紙撤回を!

 構想(案)を決めた最大の理由は「現病院が赤字だから」。では構想を実行すれば赤字がなくなるのでしょうか。

市「1割負担」はごまかし

 市は、整備費用176億円を全額市債で賄い、土地、建物、設備を整え、指定管理者に管理・運営を委託する。市債176億円の5割は指定管理者、4割は国からの交付税で充当し、市の負担は1割、17.6億円で済むと印象操作をしていますが、ごまかしです。

 「指定管理者が5割負担」といいますが、指定管理期間は20年。市の償還は30年。

 いつまでに5割返してもらうのかは不透明。その上、市が国から受け取った「政策医療の交付税・約3億円」は、毎年指定管理者に「指定管理料」として支払います。他に修繕・修理、新規医療機器の負担割合などは未定のままです。
総額が膨らむ

 整備費176億円の算定根拠については、資料請求中ですが、これも収まりません。

 金利51億円が上乗せされ、期中の医療、OA機器類の更新費用数十億円も加わるでしょう。

 皮革工場跡地の汚染土壌調策費用がかかり、280名(人件費約33億円)の勧奨退職による費用、指定管理者への移行に係る給与減額補償、本庁舎への引上げによる人件費の増加などがいくらになるのか。財源をどうするのか。全く不透明なままなのです。

 国の交付税措置も算定基準になる「基準財政需要額」なとが変動し、不確か。市の現状の借金財政を考えると、急いで突き進むのは無謀というものです。

 以上のように、市の負担が17.6億円で済むはずがなく、財政的にも極めて危うい「構想(案)」と言えます。

 その上、職員280人は突然、2018(平成30年)度末に分限解雇。2019(平成31)年度から2年間は、現在の病院(250床)のまま指定管理者に移行する計画ですが、労働、生活条件が激変します。働く人をなんと考えているのでしょうか。

 医師・看護師の確保が厳しい今、他病院からの引抜きや退職が心配され、診療科や病床閉鎖に追い込まれかねません。

 現在、市から病院への補助金は約10億円。うち国の交付金2.5億円(政策医療費)を除く1.5億円が実質補助額です。

 これに対して、市が指定管理者に払う指定管理料は国の交付金だけ。運営が成り立つのか、患者や医療の質、労働条件の悪化などにしわ寄せされるでしょう。

 建設文教公企常任委員会で視察した岐阜県多治見市民病院では、指定管理者への移行と本庁への移動、退職が各3分の1。

 指定管理者制度移行5年目になっても「医師・看護師」の確保が十分できず、全病床稼働に至っていません。

 国が推進する医療の再編・ネットワーク化は、全国的にも、医師・看護師確保難、経営難、医療サービスの後退を招き、混乱をきたしています。

 民間医療法人・協和会(協立病院)からr手紙をもらったから」と、わずか数カ月の検討、トップダウンで決め、強行するものではありません。

 市の一般会計予算は、今年度末市債残高・711億円(市民一人あたり45万円)にのぼる一方、基金残高は20億円(同 12000円)を切る予定です。

 この10年間で市民の財産である市有地を売却、9億2000万円の売上収入を得てもこの状況。今年度予算の公債費(借金返し)は、56億円を上回っています。川西市規模で、もしもの大災害などへの対応でどの程度の基金が必要かとの質疑の中で、財政担当者は「約30億円は確保したい」と中期財政計画の議論の中で発言していました。

 一旦、構想(案)は、白紙に戻し、市民の交通アクセスを構築、廃止したr高齢者交通費補助」の復活など、よりたくさんの市民の安心・命の砦になる「市立川西病院」にこそすべきです。

 「住民福祉の後退は許さない」という声・行動を広げ、本来の税金の使い方と使われ方をしっかりチェック、住民要求を前進させ、「誰もが住んでよかった」と実感できる川西市にしていきましょう。

【4面】

l市3町が協力、計画通り北部で建て替えを

 1983(昭和58)年10月開所の市立川西病院は、建設から34年目。新しい医療機器も取り入れ、十分稼働できています。

 市が2015年に決め、住民が求め続けている「1市3町で建て替えを含め、どう連携・協力していくか」の計画を再構築すべきです。」

「必要な赤字」は支援を

 市立病院は、救急、妊産婦医療や過疎地の病院など、例えもうからなくても必要な医療は提供し続ける公的役割を負っており、一般財源からの適切な支援が必要です。現状の10億円の補助、病院の40億円の借金が大変だと言いますが、下記の表のように近隣市の状況をみると一概にはそうなっていません。

 まして、川西市のように、南北に細長く、山坂の多い特徴的な地形で「北部地域の2次救急・総合病院を保持」することは、自治体の大切な役割・責務です。

 7中学校区のうち東谷中学校区は、16万市民の20%が居住している地域であり、2次救急の空白地にしてはなりません。

近隣自治体病院の状況(ホームページ及聞き取り)

・病院があるから引っ越して来たのに!
・近くにあるから安心。心丈夫だ!
・病院がなくなれば町が壊れてしまう…
・川西病院への救急搬送、市内から928人。猪名川町から371人。(H28年度)
・これから病院利用が増える年齢…なくさないでほしい!
・どうして住民の声を聴いてくれないの?
・北部で建て替えるって言ってたよね…
・今度は、救急車でどこまで運ばれる?!

 

 

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北野のり子だより No.34

問題ありの指定管理者制度 川西市民病院に導入するための条例
北部地域で公立病院として存続を!!

2017年8月
日本共産党川西市議会議員 北野のり子

北野のり子だよりNo.34 2017年8月号はこちら(PDFファイル)

【1面】

6月議会

問題ありの指定管理者制度 川西市民病院に導入するための条例
北部地域で公立病院として存続を!!

*問題ありの指定管理者制度

 市は、(仮称)「川西市立総合医療センター」構想(案)を指定管理者制度導入で進めるため、6月議会に川西市病院事業に指定管理者制度を導入するための条例改正及び(仮称)川西市立総合医療センター構想等策定・指定管理者選定支援業務の委託料3千万円の補正予算(H29年度1千200万円・H30年度1千800万円)を提出しました。

 これらの議案に対し反対したのは、5人のみ(日本共産党議員団:住田・黒田・北野・自治市民クラブ:北上議員・無所属:吉富議員)結果、賛成多数で可決。今年10月、指定管理者を募集開始、来年1月決定、平成31年度から市立川西病院で運営開始。平成33年度から20年間、新設する総合医療センターの指定管理を行う予定。

 私は、指定管理者制度により、病院の管理・運営業務を民間に委ねるため、自治体の責任が縮小され病院の公的な役割低下や住民参加、議会のチェック、自治体として福祉、医療一体のまちづくりなどが困難になる恐れがあると懸念しています。

 また、指定管理者に移行すればそこで働く職員は、いったん退職、分限解雇になります。市は、病院職員の理解を得るため個別に丁寧に説明、意向を確認すると述べています。しかし、全国事例によると医療従事者の退職が止まらず、病棟の縮小・医療機能の低下につながり、指定期間の途中で撤退が生じています。
 経営状況優先の指定管理者制度は、自治体病院には馴染まず地域医療を崩壊させる事態になりかねません。

*北部地域で公立病院として存続 予定通り経営健全化計画をすすめるべき

 市は、これまで市立川西病院は、公立病院として北部での整備を基本に検討すると説明してきました。ところが職員や議会、市民に知らせるより先に構想が新聞報道されその後、説明という市の進め方は、問題があり納得できません。

 今回の計画では、北部地域の二次救急がなくなると同時に急性期病床が大幅に減ります。そのうえ、新病院整備費総額176億円は、(利子を含めると227億円)100%借金。何かあれば市の責任です。結果、市民の税金が使われることになり、市全体にしわ寄せがくることにもなりかねません。今計画は白紙撤回し、元の計画に戻して自治体病院として、安全・安心の医療、住民の命と健康を守る役割を果たせるよう、市民の意見をしっかり聞くべきせはないでしょうか。

お知らせ

 議会では、市立病院整備調査特別委員会が設置され、8月3日、「市立川西病院の改革について」議論が行われました。そこで市民説明会の日程が明らかになりました。

 市民説明会は、以下の通り開催する予定です(9月号の広報誌に掲載)

9月23日(土・祝)
* 9:30~11:30 みつなかホール文化サロン
*15:00~17:00 東谷小学校体育館

緑保育所、松風幼稚園 廃園へ

 市立牧の台幼稚園と市立緑保育所を統合し、新たに市立牧の台みどりこども園を設置するための条例及び平成30年度をもって、市立松風幼稚園を廃止するための条例が賛成多数で可決しました。反対の立場をとったのは、残念ながら日本共産党議員団(住田・黒田・北野)のみ。

緑保育所、松風幼稚園を残してほしい 保護者の思いは聞き入れず

 市は、財政が厳しいと言いながら、耐震性がある牧の台幼稚園を解体し、6億7500万円で「川西市立牧の台みどりこども園」を建設し、畦野駅直ぐ近くにある緑保育所を、立地の良さもあり、今年度も定員いっぱいにもかかわらず廃園することを決めています。

 松風幼稚園についても「地域から公立幼稚園をなくさないでほしい。」と存続を求める署名が(8885筆)提出されていましたが、31年度、廃止することに。

 厚生労働省が4月、「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」の方針を川西市に対しても求めています。

 市の待機児童は7月現在で78人と保育所定員が足りません。松風幼稚園廃園を中止し、保護者や地域住民の声をしっかり聞き、空き教室を活かす等、まちづくりの観点での施策を考えるべきです。

【2面】

視察報告 デンマーク・風のがっこう権者得ツアー報告 その②

 月19日、ヘアニング市にあるウアンホイ小学校を訪ねました。全校生徒101人。ゼロ学年から6年生の子どもたち、先生8人と用務員。一クラス15人の小規模校。グループになって先生と子どもたちが一緒に課題に向き合い考える教育に力を入れています。因みにスカイプ電話を開発したのもデンマーク人だそうです。

 教科書にはお金を使わない、使い終われば返すのでペーパレスにも貢献。学校は無償で自己負担はありません。18歳以上の学生には、国から生活費が支給され、手厚い支援が保証されています。

 失敗しても何度もやり直しができるのも日本と大きな違いの一つです。

 この学校では、不登校もなく、子どもたちがイキイキと学校生活を楽しむ様子がうかがえました。

 日本は、教育費にお金を出さない国です。学生の多くが卒業後、借りた奨学金返済に苦しんでいます。来年からスタートする給付奨学金の対象者はわずか2万人・2%。せめて学生の半分(70万人分)まで増やし、お金の心配なく進学ができ、将来に夢や希望が持てる社会にするべきだと改めて実感しました。      次号につづく

キセラ川西せせらぎ公園視察

 6月22日、まちづくり調査特別委員会が行われました。

 キセラ川西整備事業の進捗状況について議論が交わされ、その後「キセラ川西せせらぎ公園」を視察しました。

 委員会で公園やせせらぎ遊歩道の植栽等維持管理費用について増額することが明らかになりました。

 総額5010万円(維持管理期間6年)が4485万円増額し、9495万円になります。

 植栽数増加(3.3倍)、人力除草の追加、清掃及び散水作業量の増加が主な要因です。

 これらの事業は、PFI事業で行われており12月議会に金額増に伴う契約変更議案として提出さます。

福祉医療費助成制度 7月1日~拡充しています

 県下の福祉医療費助成制度、川西市も含め7市町が拡充しました。

 入院・通院とも中学校まで無料は、41市町のうち35市町(85%)まで拡がっています。

 さらに高校生まで助成する自治体が6市町。(小野市、赤穂市、洲本市、高砂市、朝来市香美町) 残念ながら川西市は昨年度、請願が通るものの、乳幼児医療助成は、未就学児までの所得制限撤廃となりましたが、こどもの医療費助成については、小4~中3までの通院費自己負担割合が2割から1割に引き下げに留まっています。

 今年度から老人医療費助成制度が廃止され、川西市も7月1日から廃止しました。

 宝塚市、西宮市、高砂市、加藤市、相生市、新温泉町が独自制度を設けています。

 医療費助成制度一つとっても住んでいるところにより違いがあります。

 子どもから高齢者まで安心して暮らせるよう、引き続き取り組みを進めます。

9月議会日程

○8月28日(月) 開会
○9月 4日(月)~6(水)一般質問
※一般質問は、9:30スタート
○ 7日(木) 総務生活常任委員会
○ 8日(金) 厚生常任委員会
○ 11日(月) 建設文教公企常任委員会
○ 12日(火) 公営企業会計決算審査
○ 13日(水) 議会運営委員会
○ 15日(金) 継続日
○ 25日(月) 最終日

○10月2日(月)~4日(水)一般会計決算審査
○ 5日(木)~6日(金)特別会計決算審査
○ 19日(木) 議会運営委員会
○ 26日(木) 臨時会 開会
○ 27日(金) 最終日

※一般質問以外は、10:00よりスタートです。

 

議会報告2017年夏季号を発行しました

議会報告2017年夏季号を発行しました

 議会報告2017年夏季号1面(PDFファイル)

 議会報告2017年夏季号2面(PDFファイル)

【1面】

住民の命あとまわし!
市民のアンケート・パブコメは何だったのか?

協和会からの手紙で突然の計画変更
「協立病院が買う」としていた土地(17億円)を川西市がお買い上げ!!その上…
市北部が2次救急の空白地に

6月議会、「病院の管理運営を指定管理者にできる条例」が提案。北上・吉富・住田・黒田・北野の5議員が反対。
来年3月議会、指定管理者の決定についての議案が提出予定です。

【2面】

保護者の願いは 幼稚園も 保育所も 自宅の近くに預けたい!
幼稚園の有効活用を
 3歳児保育 給食実施 預かり保育

問題だらけの“子ども園”で大丈夫?
待機児童が増えているのに… 保育所つぶさないで!

請願者の趣旨説明スタート 6月議会・請願

みんなで考えよう 川西のまちづくり
 憲法をくらしに生かす 日本共産党 川西市会議員団

たんぽぽだより (No.178)

6月議会で追及
川西病院は北部で存続を

2017年7・8月 日本共産党川西市議会議員 黒田みち

 「たんぽぽだより」178号はこちら(画像PDFファイル)

6月議会で追及

川西病院は北部で存続を
2次救急閉鎖の影響甚大 拙速な閉鎖は許されない!

 「市立川西病院をなくさないで」の市民の声が広がる中、6月市議会が開催され、私は「北部で川西病院の存続を求める」立場で討論しました。

 拙速な川西病院の閉鎖は許されません。

情報提供と説明責任を

 私(黒田)は、一般質問で2次救急に対応する「市立川西病院を北部に存続することについて」を大きなテーマに、①市民に情報提供と説明責任を果たすこと、②川西市北部で唯一の2次救急・総合病院を存続させることを求め、討論しました。

閉鎖前提の条例改定に反対

 また、建設文教公企常任委員会では、「市立川西病院の管理・運営を指定管理者が行うことができる条例の改定」議案が提出され、私(黒田)は議案に反対し、28日の最終本会議でも、反対討論に立ちました。(関連補正予算も反対)条例改定の議案に反対したのは、吉富議員、北上議員、日本共産党の住田、北野議員と黒田の計5人でした。

(本会議の質問や討論は議会ホームページで映像配信中)

市民への説明は「これから」

 私が、川西病院に通院中の人でも病院の閉鎖を知らないなど情報が行き届いていない実態を示し、説明責任を果たすよう求めたのに対し、市は「市民への説明会は、いつ、どのような形で実施するべきか検討していきたい」と答えました。市民には十分知らされていないのです。

2次救急はキセラ(火打)へ

 「北部での存続を」の質問には、「総合医療センターは、市域全体の基幹病院、市民全体の安心・安全を確保できる」「北部の医療は、かかりつけ医の充実を図る」「山下の急病センターは1次救急のみ。入院・手術の出来る2次救急は市立総合医療センター(火打)を中心に受け持つ」「市内急性期病院のベッド数は減る」「新しい病院は、紹介状がなければ受け付けない病院」などと答弁しました。

職員の処遇など「まだ」

 住民の不安には、「たくさん聴いている」「後方支援病院などをつくっていく」としましたが、どこまで実態を把握しているか。

 「市民の声や実態調査をするべきでは」を問うと「様々なデータはもっている」と言い、「市民に情報を開示せず、6月議会に議案提出は拙速過ぎるのでは」の質問には「医療センターの基本構想の時(来年1~5月予定)にデータを含め掲示する」と矛盾した、住民後回しの答弁。

財原確保や職員の処遇などの質問には「まだ相手(指定管理者)が決まらない」との答弁でした。

 市は計画を推進する構えですが、私は「元々の計画通り北部での建て替えを含め北部に2次救急の空白地をつくらないこと、住民を後回しにして拙速に進めないよう」強く意見を述べました。
市民の方々と連携し白紙撤回の実現へ

 「川西病院をなくさないで」の声は市民の間で広がり、署名活動や出前講座、各種学習会、集会が開かれています。

 現在、市立川西病院は、医師・看護師が揃い、経営健全化に向けての抜本的な取組みが本格稼働、市民からの信頼を取り戻している中、市民や職員の不安をあおる「構想(案)」は撤回すべきです。私は、そのために全力を尽くします。

川西病院1日20人??

 「構想(案)の具体化を審議する「川西市地域医療懇話会」がはじまっていますが、ここでも患者は置き去り。

 山下駅前の急病センター建設について市病院担当者が、「年間約11万人が外来患者(1日456人)だが、レセプト(診療報酬)データを整理して複数診療科受診者を「1」と数え、紹介状持参の患者・時間外利用者・健康診断受診者などを省くと、『かかりつけ医』」としての利用は7000人まで絞り込むことができた」
と報告しました。

 レセプトデータから「かかりつけ医」的受診の抽出は難しいとする一方、複数の委員から「7000人なら1日当り20人程度。地域の開業医で抱えられる」「急病センターの建設、運営が財政を苦しめるのでいらないのでは…」などの議論が交わされています。

 この構想(案)で市内の急性期ベッドは150以上減ることになりますが、回復期のベッドが少ないことを受けて「北部で展開を考えたら」との意見が出されています。

 市民には知らさず、粛々と決めていかれる怖さ。南部北部に細長く、山坂の多い川西市、なぜ、市内16万人口の20%が住んでいる中学校区に、わざわざ2次救急の空白地をつくる必要があるでしようか。

 国の医療介護確保推進法でどんどん病院やベッドが減らされ「医療難民」「介護難民」が増えていきます。ぜひ、皆さんと一緒に情報共有をしながら、「住民福祉の後退は許さない」という声・行動を起こしましょう。

川西病院健誰のもの?!
民主的に決められたのか?

 今回の「構想(案)」の元になったのは「市立川西病院事業新経営改革プラン(案)」。4回の審議会の内容(録音源)は、日本共産党議員団ホームページで聴くことができますが(公開会議録は要約筆記)、会長が半分以上の時間を使って持論を展開。病院関係者などの意見が自由に表明されたのか、会長の独断専行、非民主的な運営の印象がぬぐえません。

 パブリックコメントの募集に当たっても、近隣市では、「市民アンケートの結果や病院・患者の実態」を知らせています。

 市民が意見を述べやすくするために当然ですが、川西市はそうした資料はなく、「プラン(案)」だけ。「住民の意見を聴く」本気度が疑われます。

 「このプラン(案)と構想(案)がどうつながるのか全く理解できない」との市民の声は当たり前です。市民に情報を伝えず、説明もせず、結果ありきの進め方は止めるべきです。

【2面】

5月1日突然発表

 市立川西病院(東畦野)の閉鎖などの方針が突然示されたのは5月1日付の新聞と同日の議員協議会でした。

 新方針は、①市立川西病院(250床、2次救急に対応)を廃止、②キセラ川西(火打)医療ゾーンに400床のキセラ川西センターを設置、③山下駅前に内科・整形外科・小児科医師が各1名常駐、診療室4つの北部急病センターを建設、④キセラと山下の施設は市が建設し、管理・運営は指定管理者(病院)にゆだねる、⑤指定管理者は、第1協立院(313床)の移転が有力視され、川西市の総ベッド数は160床減少…などというもの。

協立指定?手際よく

 5月1日付の新聞報道以降、市の広報6月号にわずかな記事が出ただけ。多くの市民は分からない状況なのに、6月議会では公設民営を進める「指定管理者制度の導入」議案を提出する手際の良さ。
指定管理者に想定されているのは協立病院です。

 市民生活に大きな影響を与える大問題なのに、市民後回しで拙速に決めていく在り方が許せません。

北部から2次救急なくなる

 川西病院は、入院・手術ができる「2次救急」対応の総合病院です。山下に建設予定の急病センターは、日帰り患者(1次救急)に対応しますが、即入院となった時には、対応できません。

 市民から「救急車で遠くまで運ばれるってことは命にかがわる大問題や」「ここに病院があるから引っ越してきたのに」「お医者さんも揃って良い病院になったと安心している」「北部で建て替える計画だったじゃないか」「あのパブリックコメントは何だったのか」など、不安や憤りの声が出てくるのは当然です。

市民意見どう反映?

 市が募集した「市立川西病院事業新経営改革プラン(案)」へのパブリックコメントには、186人、362件の意見が集まりました。この3月に発表され「病院の立地=北部希望80%、北部以外6%」「経営形態=継続・公立で50%、猪名川・豊能・能勢3町連携で30%、民間活用2%」という内容です。

 また2013(平成25)年6月の市広報では、「住民基本台帳から16歳以上の市民3000人を無作為抽出して行ったアンケート結果」を6ページで掲載しています。そこには、「市立川西病院あり方検討委員会」で出された川西病院の必要性や評価、今の立地を前提にした病院の改善方策について、「市民にとって必要な病院であり、今後も継続していくべき」と合意したことを紹介し、市民アンケートと合致しているとしています。(下表参照)

意見や経過を無視

 その後、2015(平成27)年5月に「北部での建て替え、3町との連携・協力の方針」を市民に説明。経営健全化の取組みを含め進めてきました。

 これらの意見や経過を無視しているのが今回の構想(案)です。

「協立との契約」反故なぜ?

 そもそも、キセラ川西医療ゾーンは、2015(平成27)年に協和会・協立病院(313床)が「移転または開設用地」として市と契約。法人は、「地域ケア貢献、最新医療機器導入、高度急性期医療・24時間救急対応の296床新病院」の提案・計画を提出。

 今年度中に土地代17億円が市に入ってくる予定でした。

 それが、昨年12月にこの法人から「協力・連携の依頼文書が届いたから」と突然、市が方向転換したのです。

危うい財務、人材流出

 市は、法人が購入予定だった土地を購入し総事業費176億円(利子を含むと227億円)を投じて400床の新病院を建設し、100%借金で賄います。この事業費には、汚染土壌対策費や現在市職員として勤務している脚人(医師・看護師・医療技術者など)の解雇にかかる費用などは一切含まれていません。

 まして、医師・看護師確保が難しい時代に、突然の分限き解雇、2018(平成30)年度末が明らかになったことで、医師・看護師などが、他病院からの引き抜きなど、川西病院を辞めていく事にでもなれば大変な事態に陥ります。

予算を組みなおす必要

 市の2017(平成29)年度末の財政状況は、今回の「構想(案)」を全く含まない予算委員会の段階で、市債残高711億円(市民1人当たり45万円)、基金20億円弱(同12000円)でした。その後、「構想(案)」が出されましたが、予算措置にまったく反映されていません。

 また、新聞報道や出前講座において、「事業費の50%は、指定管理者が市へ償還払い、国の交付金が40%あるから、市の負担は10%だけ」と市負担が少ないことを強調しますが、あくまでも100%市債発行。国の交付金措置や法人経営に何があろうと全て返済していくのは川西市です。

 川西市全体の街づくりにも大きな影響を及ぼす「構想(案)」は、いったん撤回し、練り直すべきです。

 

黒田みちのブログ「たんぽぽだより」はこちら

たんぽぽだより 号外

この日に重大議案が・・・

2017年6月 日本共産党川西市議会議員 黒田みち

6月19日(月)10:00~ 建設文教公企常任委員会
この日に重大議案が・・・

☆市立川西病院の管理・運営に「指定管理者」の項目を入れるための議案ですが、これが決定すると「指定管理者」の公募に向けて進んでいきます。

☆市立緑保育所、市立松風幼稚園の廃園について議案で上がっています。

たんぽぽだより号外はこちら(画像PDFファイル)

たんぽぽだより 177号

私たちの宝物 市立川西病院

「閉鎖は困る」「街が壊れる」「住民不在で一方的すぎる」

2017年6・7月 日本共産党川西市議会議員 黒田みち

 「たんぽぽだより」177号はこちら(画像PDFファイル)

5月に行われた「出前講座」の市側説明プリントはこれです。

  昨年12月に届いた 協和会からの「病院経営の協力依頼」文書はこれです。(公文書公開請求により入手)

  今年4月の川西市の構想をまとめた「経営会議」の(仮称)「川西市立総合医療センター」構想(案)はこちら(公文書公開請求により入手)

【1面】

私たちの宝物 市立川西病院
「閉鎖は困る」「街が壊れる」「住民不在で一方的すぎる」

「病院存続を」6月議会で要求

 川西病院の閉鎖が突然、5月1日付新聞で報道されて以降、市民から「つぶさないで」の声が上がっています。

 12日から始まる6月議会・一般質問で私(黒田)は、存続を求めて質問します。また、19日の建設文教公企常任委員会には、「指定管理者導入」の議案が審査されます。ぜひ、傍聴においでください。(本会議場・一般質問は映像配信されます)

説明求め「出前講座」

 閉鎖方針を知った市民の方がびっくり。どうなっているのか、と市に説明を求める「出前講座」を計画・5月に北陵、牧の台、東谷公民館で「仮称『川西市立総合医療センター構想(案)』について」をテーマに「出前講座」が開催。私も参加しました。参加者は、「ビラで知った」という方達が3か所で約120人。

176億円は借金で

 出前講座では、作田哲也総合政策部行政経営室長が説明。市立川西病院(250床)」を閉鎖する一方で川西能勢口・キセラ川西医療ゾーンに400床の新病院と山下駅前に北部急病センター(内科・小児科・整形外科)を建設し、管理運営は指定管理者(民間病院)に 委託すること。

 キセラと山下の新病院が入る土地・建設整備費用は176億円、100%市債発行で賄う。市債の償還割合は指定管理者50%、国の地方交付税40%、市10%。市が国から受け取る「政策医療分」のための交付金約3億円(年間)は全額指定管理料として管理者に支払う、などの説明がありました。

市民無視、急ぎ過ぎる

 参加者からは、「住民の命にかかわる北部唯一の救急・総合病院がなくなることは納得できない」「市民無視。決め方、進め方が一方的、急ぎ過ぎる」「病院経営の立て直しがはじまったところ。病院は良くなっている」「猪名川・豊能・能勢の3町の協力、連携を進めるべき」

ゴーストタウンに

「病院がなくなればまちづくりがならず、ゴーストタウンになる」「一刻を争う救急車で運ばれる病院が遠くなるのは困る」「患者だけでなく、家族の負担(時間・交通費)も考えるべき」「パブリックコメントや市民の声を聴いていない」「市が説明会をしないのはおかしい」などと発言。川西病院が34年間、地域医療の拠点、市民の命を守る砦としてがんばってきたことへの信頼や感謝の声と共に、その病院がなくなることへの不安、憤り、怒りの声や要望、意見が共通して出されました。

救急搬送928件

 現在、川西病院(2次救急病院)は、1日平均で入院195人(入院稼働率83.4%)、外来454人。(表参照)

 2016(平成28年)年、市内の救急搬送件数は、5112件。うち川西病院への搬送は928件(18.2%)。これだけの需要を、診察室4つの1次救急対応の山下・北部急病センターで補いきれないこと、市民の不安払拭にならないことは明らかです。

病床163床激減

 新しい病院「キセラ川西センター(400床)」は、第1協立病院(313床)の移転が有力視されています。とすれば、ベッド数は、現在の協立313床+市立病院250床から400床に激減します。また、受診には紹介状が必要であることも明らかになりました。

市民後回し許せない!

 市は、市民の命にかかわる大問題にも関わらず、6月議会で「指定管理者」導入の条例改定を行い、即「指定管理者」を公募・決定するとしています。

 市民は、5月1日の新聞報道と6月市広報のわずかな記事で知ったばかり。

 市民無視で拙速に突き進むあり方は大問題です。

○指定管理者制度…公の施設の管理を市が指定した者に代行させる制度。施設管理の必要経費は、市が指定管理者に委託料として支払う。
委託料は市と指定管理者の協議で決定

○1次,2次,3次救急医療
1次=外来で対応、2次=入院治療や手術に対応、3次=一刻を争う重篤者に対応

○利用料金制…施設の使用料等は、指定管理者の収入に。指定管理者は、市からの委託料と使用料(診療報酬)等の収入で施設を管理する。

【2面】

命、最優先の市政を!

汚染土壌対策は?

 財政難の川西市。整備費用照億円を全額市債で賄いますが、30年間の利子を含めると227億円。ここには今後必要となる汚染土壌・地中構造物対策費用は含まれていません。

管理料増加の危惧も

 市が国から受け取る年約3億円(政策医療への交付金)は、指定管理料として支払われますが、今後、指定管理者との契約いかんで管理料は増えていくでしよう。

 その上、医師・看護師・医療技術者など職員脚人の退職に伴う一般会計の負担も増えるなど、財政的にもリスクの大きい今回の計画を拙速に決める必要は全くありません。

一般会計から補助可能

 市立川西病院は、2001(平成13)年度、市が約7億円を補助し黒字でした(一般会計463億円の1.51%)。現在約10億円の補助は、一般会計545億円1.83%。その10億円のうち政策医療交付金(2億5000万円)は後日国から交付されます。
市全体からみれば十分補えるはずです。

存続は市の役割・責務

 市は公的役割として、入院・手術ができる2次救急病院の空白地をつくらないこと。

 「病院・買い物・公共交通」の3本は、まちづくりの根幹であり、川西病院の廃院・移転、ベッド数削減はまちづくりを大きく歪めます。

 財政運用も含め、市民の命・くらし優先の市政にするよう声をあげ、行動を起こしましょう。

協立も川西も突然の計画変更
なぜ、協和会の「協力依頼」で方針転換したのか?

土地売却で契約

 昨年12月、医療法人協和会から市に「…の協力依頼」の要請があり、これを機に、川西病院の閉鎖、指定管理方式などの新方針・構想(案)が急きょ提案されました。

 しかし、協和会は、2015(平成27)年7月に、キセラ川西医療ゾーンに「移転または開設」を条件に応募し、同10月に決定、市と土地の契約をむすびました。

 その後、市は、「まちづくり調査特別委員会(2016・平成28年9月)でも、法人と補償契約のメドがたったことや入金の仕方などについて報告、今年度の予算委員会でも今年度中に法人から入金があるとの説明を繰り返していました。

 当初計画でやればいい

 法人は、「地域ケアに貢献。CT・MRIなど最新医療機器をはじめ、高度急性期医療体制・24時間救急対応」、低炭素のまちづくりでは「CASBEEAランク」取得や省エネ推進委員会の設置」を提案していました。

 したがって、選定委員会で評価された通り296床の病院を法人の計画・予定通り「移転・開設」なされればいいのです。

「北部で建て替え」を

 川西市は、2015(平成27)年5月に発表した「経営健全化計画』で北部での建て替えや3町の協力・連携など市民に示した計画通り進めるべきです。

 突然、協和会から協力依頼の文書が届いたからと、176億円の借金をして土地・建物を整備し、「指定管理者制度導入」で、管理・運営はすべて民間に任せるなど必要ありません。

 構想(案)は見直し、撤回すべきです。

多治見市民病院の指定管理者制度視察

川西市議会建設文教公企常任委員会は5月24日、岐阜県多治見市の市民病院の指定管理者制度について視察しました。

医師埋まらず

 多治見市は、2012(平成24)年に指定管理者制度で隣接地に新病院(250床)を開院したものの、医療スタッフの不足から136床でスタート。現在212床で運用されています。
多治見市の人口は11万2145人。市立病院(昭和49年建設)は、3次救急医療を担う県立多治見病院の約1㎞の至近距離に立地。国の制度改悪や市の行革によって、市立病院は病床稼働率が39.5%まで落ち込んでいましたが、存続することを決め、新病院建設となり ました。

 2016(平成28)年度実績では、1日平均患者数、入院127人(病床稼働率60%)・外来郷人。現在、市内救急搬送の約3割を受け入れています。

3分の1しか移籍せず

 当時勤務されていた医師14人、看護師・助産師・医療技術者など職員116人、計130人の市職員のうち、医師6人、職員50人、計56人は、指定管理者へ移籍。職員32人は職種転換で市役所へ異動。医師8人、職員34人は、その他に移っておられます。
 また、指定管理者に移籍する職員に対して「給料差額を3年間補償」するための財源は市長はじめ職員給料の減額で対応。職種転換で市役所勤務者が増えたことで「新規職員の採用」に影響が出たという報告。(異動後、退職された方も居られるそうです)

不透明さ拡大

市と指定管理者との関係では、「利用料金制導入。民間経営なので、経営に対してはモノが言えない。人件費やバランスシートなども同じ。毎月の例月監査はあるが。予算委員会で公的医療への資金投入のところで審査いただく。」とのこと。

 結局「指定管理者制度」導入で、医師・看護士確保がスムーズに行く訳ではなく、何より市や議会との関係では、民営のため「不透明な部分」が増えることが明らかになりました。

国の「改革」が痛手

 国の医療制度の改革、自治体独自の行財政改革の嵐が全国の公立病院に大きな痛手・禍根をもたらしたこと。今回の国がさらに押し進める「「新改革プラン」の方向性・財源のしばりが、住民の実態や声・願いを無視して突き進んでいることに憤りを感じた視察でした。

財政が危ないのは市本体でしょ?!

 この間、「たんぽぽだより」でお伝えしているように、市立川西病院の経営は大変です。
 しかし、病院の努力で医師や看護師の確保ができ、経営健全化団体として、2020(平成32)年までの健全化計画がやっと本格軌道にのった処。「行く度に病院がよくなっている」と意見・感想が寄せられるのも当然です。

 病院の40億円・借金と毎年10億円の補助金(2億5000万円は交付金)を「集中攻撃」、予算委員会にもかけず、計画も無視。突然176億円の100%市債発行、20年間の指定管理委託を市民に知らせないまま拙速に突き進むことに私は、大きな違和感・恐ろしさを感じています。

 予算委員会で、市の市債残高は今年度末711億円(市民1人当り45万円)、基金残高は20億円(同12000円)を下回る予定です。財政が厳しいからとわずかな「高齢者交通費補助」を廃止。人口減少だからと壊さなくて良い幼稚園・保育所を解体、高額な認定こども園をドンドン建設予定。第3セクタ一への15億円を超える償還猶予・無利子貸付などは問題にもしません。このアンバランスを是正、市民と共に築き上げてきた財産である全ての公共施設を有効に活用、財政の立て直しと市民が望む施策実現こそが、今、川西市役所としてやるべきことではないでしょうか。

(黒豆の芦・編集後記)

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日本共産党川西市会議員団ニュース No.17

6月議会 はじまりました 6月5日~28日

2017年6月 日本共産党川西市会議員団

日本共産党川西市会議員団ニュースNo.17はこちら

6月議会 はじまりました 6月5日~28日

○住田由之輔議員 【一問一答制】

1.(仮称)川西市立総合医療センター構想における、医療法人協和会との協議について

(1) 協和会からの手紙について

(2) 「協力」の内容は何かについて

(3) 話し合いのメンバーについて

(4) 「公募」をすすめる3つのハードルについて

(5) 市民に「構想案」の意見を聞くことについて

2.「公営企業会計全部適用」病院会計でなぜ運営できないかについて

(1) 累積赤字等について

(2) 資本金を増やす考えはなかったのかについて

(3) 一時借入金について

(4) 欠損について

3.市立川西病院に関する大塩市政の検証について

(1) 2009年作成改革プランの検証について

(2) キセラ川西地内への医療ゾーン設定について

(3) 現管理者招致(2011年6月)とこの間の取り組みについて

4.構想案と指定管理者制度導入の課題について

(1) 指定管理者制度について

(2) 「指定管理料」について

(3) 構想案における制度形態について

(4) 議会としてチェックができないシステムは避けるべきことについて

(5) 技術・知識の伝承について

5.構想案・費用負担について

(1) 民間医療法人に有利な費用負担について

(2) 社会医療法人化について

(3) 病院経営の健全化について

(4) 市職員に対する分限免職について

6.市民の命とくらし、財産を守るための提案について

(1) 地域医療を守ることについて

(2) 北部住民のニーズにこたえることについて

(3) 「公立病院として公営企業会計による経営で北部地域での総合医療」を進めることについて

(4) 市民を交えて協議することについて

○北野のり子議員 【一問一答制】

1.高齢者も、現役世代も安心できる公的制度へ

(1) 介護保険制度連続改悪を中止・撤回し提供体制を立て直すことについて

(2) 特養ホームについて、現状把握と課題・今後の整備計画について

(3) 一定所得以上の人のサービス利用時の自己負担引き上げ及び補足給付の影響について

(4) 介護予防・日常生活総合事業について

 ①基準緩和型訪問サービス、基準緩和型通所サービスに参入する指定事業者の状況について

 ②生活支援サポート研修について、受講者数と基準緩和型サービス事業者への就労状況について

 ③市民、利用者への周知について

 ④基準緩和型サービス導入による事業所運営への影響を把握することについて

 ⑤介護サービス事業者・労働者を守り、サービス水準を維持することについて

(5) 障害者総合支援法の改正と自治体の役割について

 ①介護保険制度優先の原則について(対象者数と割合について、年間移行人数について)

 ②障害者総合支援法7条の認識と対応、国へ廃止を求めることについて

 ③介護予防・日常生活総合事業導入に伴う影響について

○黒田みち議員【一問一答制】

1.「川西市子ども・子育て計画」の見直しについて

(1) 実態に応じた「保育の量」の見直しを行うことについて(2号・3号認定について)

(2) 留守家庭児童育成クラブの待機児童解消について

(3) 緑台中学校区、幼稚園と保育所の一体化の検証について

(4) 公立保育所と幼稚園の一体化計画(認定こども園)について

(5) こどもに最善の保育・教育ができるよう「規制緩和」ではなく、保育士・看護師などそれぞれの専門家を配置し、子育て環境が整備できる支援策、財源確保が進むよう国に対して意見を述べることについて

2.市立川西病院(二次救急)を北部に存続することにつて

(1) 市民に対して情報提供と説明責任を果たすことについて

(2)川西市北部、唯一の二次救急・総合病院を存続させることについて

3.市役所玄関前の駐車について

(1) 「駐停車禁止」の看板が立っているのに、わざわざ「カバー」を被せて駐車させている要因について

(2) 特別な駐車をやめることについて

一般質問

6月12日(月)~14日(水)午前9時30分~スタート!!

【発言順位】※敬称略

1.(明日のかわにし)米澤拓哉
2.(日本共産党議員団)住田由之輔
3.(連合市民クラブ)津田加代子
4.(自治市民クラブ)宮坂満喜子
5.(維新の会)上田弘文
6.(無所属)吉富幸夫
7.(公明党)鈴木光義
8.(川西まほろば会)秋田修一
9.(明日のかわにし)斯波康晴
10.(日本共産党議員団)北野紀子
11.(連合市民クラブ)岡留美
12.(自治市民クラブ)北上哲仁
13.(公明党)大﨑淳正14.
(川西まほろば会)加藤仁哉
15.(明日のかわにし)多久和桂子
16.日本共産党議員団黒田みち
17.(連合市民クラブ)安田忠司
18.(公明党)平岡譲
19.(明日のかわにし)小山敏明

6月議会日程一覧

6月5日(月)開会
12日(月)一般質問 ※一般質問のみ9時30分~
13日(火)一般質問   同上
14日(水)一般質問   同上
15日(木)総務生活常任委員会
      総務生活常任委員協議会「
      川西都市開発株式会社の経営状況について」 ※請願①②
16日(金)厚生常任委員会
      厚生常任委員協議会
      「平成28年度川西市国民健康保険事業特別会計の収支及び医療給付費の状況について」
19日(月)建設文教公企常任委員会         ※請願③
      建設文教公企常任委員協議会
      「花屋敷団地建替事業に係る事業手法について」
22日(水)まちづくり調査特別委員会
      「キセラ川西整備事業の進捗状況について」
28日(木)最終日

議案

○川西市立幼保連携型認定こども園条例の制定について
○川西市子ども・子育て会議条例の一部を改正する条例の制定について
○川西市立幼稚園の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の制定について
○川西市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定について
○平成29年度川西市一般会計補正予算(第1回)等‥

請願

①「共謀罪法案(組織的犯罪処罰法改正案)の廃案を求める意見書」の採択を求める請願書
②「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」の採択を求める請願書
③「小中学校に受ける小人数学級の実現と義務教育費国庫負担制度の堅持」を求める請願書
※①②は、6月15日(木)開催の総務生活常任委員会に付託
※③は、6月19日(月)開催の建設文教公企常任委員会に付託

兵庫県知事選挙6月15日告示、7月2日投開票
いよいよ県知事選挙がスタートします。

【演説会予定】

*6月16日午後6時30分~
*川西能勢口駅前アステホール6階
550万県民にやさしい兵庫をつくる!
ぜひ、お越しください。