2017年9月議会:黒田みち 川西南中学校区市立幼保連携型認定こども園 反対討論

議案第52号 川西南中学校区市立幼保連携型認定こども園整備工事請負契約に締結について
日本共産党議員団を代表して反対の立場で討論を行います。

2017年9月25日
日本共産党議員団 黒田みち

 日本共産党議員団は、「認定こども園」に対して絶対反対の立場ではありません。公設公営で行うことが大前提であること。この間の「川西市子ども・子育て計画」に対する意見や一般質問において、3月定例会「議案第4号東谷中学校区市立幼保連携型認定こども園整備工事請負契約の締結について」、また、6月定例会・議案第44号「川西市立幼保連携型認定こども園条例の制定について」などにおいて、すでに実施されている自治体で問題・課題となっている具体的内容については、市として是正し、保護者や地域の要望などを加味・考慮した内容・より子どもの最善の環境にするべきだと提案し続けてきました。

 しかし、川西市は、残念ながら「工夫する」「検討する」という言葉を繰り返してきただけで、結局、国基準のまま突き進む予定です。幼稚園と保育所の良い処を~といううたい文句だけ、具体的手立ては実現されず、現場サイドに丸投げということになります。

 通年でも、毎日の保育・教育でも、全く生活時間が異なるこども達を一緒にしてしまうこと、従来の「年齢別保育」を基本にしてきた保育集団を壊すだけでなく、安定した保育・教育を必要とするこども達の日常が、大きく変えられていくことになります。開始してからやり直していけば良いというものではありません。子どもたちは実験材料ではないのです。心身共に大きく豊かに成長・発達する時期なのです。

 特に、本議案、6億7824万円という巨額の契約金額で請負契約がなされる「川西南中学校区市立幼保連携型認定こども園」は、定員230名(1号教育認定170名・2号3号保育認定60名)であるがゆえに、より顕著な形で「保育環境・こども達への矛盾」がでてきます。

 まず、1号認定(幼稚園時間)のこども達は、現在の保育時間が一律1時30分のお迎えに変わります。現在の曜日によってお迎え時間が異なること、園庭開放と共に、こども達や保護者は、様々な経験を積み上げていくことができましたが、それらが保障されなくなります。給食費や預かり保育料の負担が増えることは言うまでもありません。

 2号3号認定(保育所時間)のこどもは、0歳児保育がスタートしますから、単純にその確保人数分が、1歳以上児の入所に影響を及ぼします。保育所需要がどんどん高まっている中で、今年4月当初から0歳児5名・1歳児27名・2歳児3名・3歳児3名・5歳児1名、全体で39名もの待機児童が生れていますから、他の廃園計画と同じ・加茂保育所60名定員だからそれでよしとする考え方では待機児童は減りません。9月1日現在、待機児童は125名に膨らんでいます。

 また、保育認定なので、その限りではないものの、2号認定の3歳児10名、4歳児11名、5歳児11名は、1号のこども達・170名と同じクラスに分けられますから、1クラス3~4名の配置という実態になります。クラスのほとんどのこども達は、食事終了後帰宅することになり、2号認定のこどもは、3歳児以上児全員でお昼寝をすることになります。土曜日や夏休みといった長期休暇、2号認定のこども達のクラスや日常・行事などは一体どう変化していくでしょう。

 まさに、認定こども園という市側の勝手で、部屋も担当もコロコロ変わる落ち着かない日常が待っているのではないでしょうか。

 だからこそ、他の自治体では、1号認定・2号認定は、別クラス編成を行い、従来通りの生活をできるだけ壊さない工夫をされています。保育・教育内容は変則的にいくらでも工夫をすることが可能ですし、1号認定のこども達の保育時間も2号認定のこどもの昼寝時間に影響を受けず工夫することができます。

 そもそも、平成23年度末(平成24年3月末)で、廃園にした「市立ふたば幼稚園」と「加茂幼稚園」の統廃合計画の議論は一体何だったのでしょうか。今回「加茂幼稚園」を廃園する理由は、「加茂幼稚園はIs値0.69、教育施設は0.7以上が望ましいので耐震補強工事」「遺跡の処に建設するのは難しい」としています。私たち議員団は、統廃合の議論時、「加茂幼稚園の敷地面積が狭いこと」「ふたば幼稚園は、昭和50年築・Is値0.90、廃園にする必要などない」と言ってきましたが、結局市は、「加茂幼稚園」を残し今に至っています。「ふたば幼稚園」はほったらかしにされたまま5年経過しました。私たちは、耐震補強工事が必要な「加茂保育所」をすぐ傍の「ふたば幼稚園」を改築して移すべきだと訴えてきましたが、それもほったらかしにして今に至ります。

 市の考え方には、全く一貫性がありません。財政が厳しいと言いながら、耐震補強工事の必要でない新しい幼稚園から廃園・解体、今回も6億7824万円もの巨額を投じるのです。東谷中学校区の認定こども園の市債償還予定(3年据置20年償還)では、毎年約3700万~3900万円返済していくことになります。利息だけで8500万円を超えます。

 今回の契約は、もちろん、東谷中学校区以上の市債発行・利子になっていくでしょう。

 市民の財産である「施設」、幼稚園や保育所といった子育て拠点の数をどんどん減らし、幼稚園・保育所の良さを消してしまう内容で突き進む川西市の子ども・子育て計画・認定こども園化は、しっかりと見直すべきです。少子化対策・人口減少への歯止めとは真逆になります。

 加茂保育所の現在地より駅から遠くなること。坂の上の土地であることの問題への対応が必要であり、駐車場の場所や保護者会のことなど保護者や地域の方の不安・不信の声を真摯に受け止め、対応するべきです。

 委員会でも伝えましたが、同敷地にある公設の福祉施設を建設事業費の借金は市が全額持ち、民間法人に無償譲渡した経緯(同法人の他施設には、市有地が無償貸与されている)から、計画は、公設公営の認定こども園だけれど、市立川西病院の指定管理者制度導入と同じようなことが、水面下で計画されているのではないかと強い危機感をもっています。

 市民のための施策こそ行うべきということも強く伝えて反対の討論とします。

2017年9月議会:黒田みち 幼保連携型認定こども園保育料等条例 反対討論

議案第56号 川西市立幼保連携型認定こども園保育料等条例の制定について
日本共産党議員団を代表して反対の立場で討論を行います。

2017年9月25日
日本共産党議員団 黒田みち

 来年度から、川西市立幼保連携型認定こども園が、開設されますから、保育料の条例が必要なことは理解をします。
 しかし、そもそも幼稚園保育料も保育所保育料も、まだまだ問題はあるけれど、「前年度の所得に応じて納める税額に応じて」保育料が決まっているという処に軸足を置くべきです。これから規則など詳細を詰めていくことになると思いますが、「国基準通り」ではなく、しっかりと保護者の実態に応じて考えていくことを強く望みたいと考えます。

 反対の要因の一つは、資料配布でもあったように、2号・3号認定の「保育短時間認定」保育料が、「保育標準時間認定」保育料に比べて高すぎるという点です。

 そして、午後6時以降を延長保育とする考え方の問題です。保護者の実態調査も行っていないということでしたが、保護者の就労実態で、6時までにどれくらいの方がお迎えに来ることができるでしょうか。6時を超えてしまったら、日額1Hで500円支払うことになります。兵庫県の最低賃金は、819円(10月1日から844円)。

 本来「延長保育料は、保育必要量を超えている保育」であって、保護者の就労実態に応じるべきです。そもそも保育料は、前年度所得に応じて、払っているのですから、それ以上に徴収することがおかしいのです。「残業代」をもらって働く・そのような職場はずいぶん少なくなっているのではないでしょうか。普通に働く時間が早朝から夜間までといったように大変幅広くなってきましたから、前年度所得・税額で保育料を払ったうえで「8時までの保育」なら月額プラス8100円、1日当り2Hで1000円の負担では大きすぎると言わざるを得ません。

 最後に、配布された資料でもありましたが、「教育」と「保育」の区別です。認定こども園は幼稚園と保育所の良いところを合わせ持った~と説明するものの、結局は「教育認定こども」「保育認定こども」と分けてしまうこと。本議案のように、「保育に係る経費・保育料」は、より分類化されて保護者の「費用負担が増え・強いられるということ」です。

 教育費の無償化が取り出されている昨今、現実的に「教育」を矮小化し、「保育」は保護者負担が増えることにつながっていくのではないかと案じています。待機児童も減らず、現実的に負担が増えれば、「認可園」に入ることもできず、もっと保育料の安い「劣悪な環境での保育」が問題視されています。国の規制緩和策も拍車をかけていることも注視し、保護者ニーズにあった抜本的な改善、利用しやすい認可保育所の建設が必要です。

 保育料等の減免については、今後決めるということですが、他市には、見習うべき減免制度がたくさんあります。当面、保護者の実態をしっかり調査、市民の負担を増やさないように努力すべき、行政が滞納者をつくる施策作りになることがないように、本来の保育実施義務・責務を果たすことができるようにと強く意見を述べて反対の立場での討論とします。

たんぽぽだより 175号

認定こども園への税金のムダ使いをやめ、子育て施策の充実を

2017年4・5月 日本共産党川西市議会議員 黒田みち

たんぽぽだより 175号はこちら(画像PDFファイル)

【1面】

認定こども園への税金のムダ使いをやめ、子育て施策の充実を

3月議会で反対討論

 大和団地内で緑保育所と牧の台幼稚園をつぶし、あらたに「市立認定こども園」を建設するための議案(定員130名、整備費5億3028万円〉が3月議会に上程され、私は反対討論をしました。

(事業総額6億7500万円)

借金増やすムダ使い

 反対したのは第1に財政上、大きな問題があり、ムダな投資ではなく、資産の有効利用・活用を図るべきであること。

 市債(借金)残高は、平成29(2017)年度予算で711億円(市民一人当たり45万円)にのぼる一方、5年前の平成(2010)24年度末決算 で67億円余あった基金が、20億円弱(同12000円)に減る予定です。
 住民と共に築き上げてきた財産である公共施設を有効に活用し、市債・基金残高の改善を図るべきです。

施設の有効活用こそ

 第2に、既存の施設を活かし保育所・幼稚園を充実することこそ、生きた税金の使い方になります。

 解体される牧の台幼稚園は、Is値(耐震の数値)0.79と何の問題なく、その解体費用で市立緑保育所の耐震補強工事ができます。

 また、保護者や地域の願いである、幼稚園での3歳児保育・預かり保育や保育時間の延長、小学校と連携、給食開始も効率よく実施することができます。

 大和団地のこども達は、顔が見える地域の幼稚園で安心して保育・教育を受ける事ができ、駅前便利な緑保育所は市北部の保育所としての役割を今まで通り果たすことができるのです。

待機児童対策に逆行

 第3に、待機児童対策に逆行することです。

 3月1日現在の保育所待機児童は135名ですが、市の子ども・子育て計画では、保育所定員を増やさないため、緑保育所60名定員のままのこども園になります。

 その上、0歳児保育を実施するため他の年齢にしわ寄せがいきます。
また、こども園は、牧の台幼稚園の定員120名(4・5歳児)から70名(3~5歳児)に激減します。保護者の一番の願いは「自宅の近所で通わせたい」こと。

大和地域だけで、それぞれの年齢・平均約80名のこどもがいますから、保護者・地域の願いがかなう認定こども園の定員設定(保育所型・幼稚園型共)になっているとは思えません。

他市に比べて低い保育所入所割合や待機児童の実態をみても、こども園ができたから緑保育所は廃園するという計画も見直すべきです。

懸念のまま解体するな

 第4は、牧の台幼稚園をつぶした場合。地域住民の避難場所の役割、保護者や地域の方が案じている園庭開放のあり方、給食費や預かり保育料などの負担増、通学路の安全対策、近隣住宅内での駐車などはどうなのか。懸念が残ったまま解体だけが先行する進め方は困りますし、壊したものは戻りません。

施設を充実し子育て応援

 第5に、私立幼稚園では、2歳児保育や長時間・長期休暇保育などが行われ「保育所化」しています。県下合計特殊出生率がワースト6の川西市は、元々保育所が少なく幼稚園・保育所立地の地域間格差が大きいことが明らかです。(こども達が、市外にたくさん流出しています)

 私(黒田)は、若い方が望む数のこどもを生み育てにることができ、地域で安心・安全の子育てを応援できるよう、「市子ども・子育て計画」を抜本的に見直すことも強く求め続けています。より豊かな子育て、若者施策の拡充、世代敬称・世代交代をスムーズに行えるよう、これからも全力で取り組みます。

咲きほこる桜や雪柳 根こそぎ伐採

 住民の方から涙声で電話がありました。「牧の台幼稚園の桜が切られている。こども達が写真を撮った大切な思い出なのにら」現場を見に行くと、根こそぎ伐採され積み上げられた中で桜や雪柳が雨にぬれ、懸命に花を咲かせていました…(涙)

3月議会が24日に終了

「日本共産党川西市会議員団☆議会報告・春号」を皆さんのお宅に配布します。限られた紙面ですが、3月議会・予算委員会での議論や市民の方が提出された請願について掲載しています。

 議員団ホームページでは、意見が分かれた議案の「討論」内容を掲載中。川西市議会ホームページでは本会議場での映像を配信中です。ぜひご覧ください。

 私(黒田)は今回、市長の施政方針に対する総括質問を行いました。自治体として憲法遵守の立場を明確にし、憲法がめざす施策の拡充を求めました。引き続き「住民が主人公」の立場で全力でがんばります。

黒豆の声

「あなたがここにいてくれたら…」
折り鶴に書かれたメッセージ
核兵器禁止条約の国連会議
唯一の被爆国である日本の
空席に置かれた願い

「自国に裏切られ
見捨てられ続けているという
被爆者の思いを強くした」
交渉会議不参加の日本に対して
被爆者の方の哀しみ

「自己責任だ」
福島原発事故自主避難者への言葉
「裁判でも何でもやればいい」
追い打ちをかける復興大臣
原発事故は国と東電の人災
それなのに強行される支援の打切り・縮小

胸が張り裂けそうになる
どうして寄り添ってくれない?!
なぜ実態をみようとしない?!

命を守りたい
日常を取り戻したい
この当たり前に応えてほしい

憲法通りの政治
それを具体化させるのは私たち国民もっと広げよう…もっと
国民を無視する政治はいらない
国民を捨てる政治は絶対にいらない

【2面】

憲法違反の「共謀罪」 自由な社会押しつぶす

黒田みちのブログ「たんぽぽだより」はこちら

川西市が実施している「市立幼保連携型認定こども園」の整備に関する要望書

川西市が実施している「市立幼保連携型認定こども園」の整備に関する要望書

  この要望書のダウンロードはこちら

2017(平成29)年4月14日

大塩 民生 市長 様
牛尾 巧 教育長 様

日本共産党議員団
住田 由之輔 
北野 紀子
黒田 美智

 3月26日(日)に「牧の台幼稚園と緑保育所が一体化した市立認定こども園の新設整備について」の地域説明会が行われ、工事がはじまっています。認定こども園の運営等については別途意見・要望をさせていただきますが、4月7日(金)に住民の方から涙声で電話がかかってきました。

牧の台幼稚園の園舎(HPより)
右に見えるのがそのサクラの木

 「幼稚園の桜の木がなくなっている・・・園庭がものすごいことになっている。まさかこんな風になるなんて想像もしなかった。」と。

 「市役所の担当課に電話をして、植木や花が根こそぎ掘られて大変なことになっていると話しをすると、現場のことや様子もわかっていない様子。どうして?!と訴えたら、『また植栽しますから・・・』と言われた。」と。

ガラの中で咲く桜

 翌8日(土)に現場を見に行くと、この狭い園庭に何台の重機を入れるのだろうと驚く状況。桜やユキヤナギなどの木々は掘り起こされ、伐採された木々が山と積まれ、小雨に濡れていました。

山積みのガラ
園舎とユキヤナギ
伐採されたユキヤナギ

 現場監督の方にお話しを伺うと、「園庭にあるものは全て撤去するように指示を受けている。」とのこと。

 川西市の進めたい「教育」って何なのでしょうか。
昭和50年に建設され、地域の子育て拠点として住民の方々と歴史・文化を紡いできた幼稚園。 

 こども達や保護者、職員や地域の人々とそれぞれの成長を確認し、喜びを共にしてきたものをこの様な形で終わらせる在り様、命あるものを根こそぎ掘り起こし伐採・・・そして廃棄物として処理してしまう。これが川西市の教育委員会の仕事なのかと思うと怖しい気がします。

 「命を大切に」「こども達に最善の利益を」どれほど美しい言葉を並べられても絵空事のようにしか聴こえません。

 命ある木々や花々を全て葬り去って「新しい園舎が建てば、新しく植栽します。」の一言で片づけることができる教育委員会の在り様は理解できるものではありませんし、「仕方がないね。」と片付けられるものでもありません。

 耐震化の問題もなく、少ない予算で保護者や地域の保育・教育への願いを実現することができるというのに、多額の税金を注ぎ込んで建設される施設整備。

 こども達のため、地域の目玉・・・と担当は豪語されていましたが、巨額を投じ新しい立派な建物だけが姿を見せれば良いということなのでしょうか。

 教育委員会・担当は、現場を見ることもなく、心を痛めるわけでもなく、「結果としての施設」だけを見て称賛するのでしょうか。

重機とガラ