「防災・減災ニューディールによる社会基盤の再構築を求める意見書」に反対

「防災・減災ニューディールによる社会基盤の再構築を求める意見書」に反対

2012.6.25. 黒田みち

 意見書案第3号「防災・減災ニューディールによる社会基盤の再構築を求める意見書」につきまして、日本共産党議員団を代表して反対討論を行います。

 高度経済成長期に建設された道路や橋梁、上下水道、河川道、港湾などが、老朽化をむかえている現状での対策の必要性、また、いつ起きても不思議ではない大規模災害に対しての防災・減災対策は大きな課題です。

 私達、日本共産党もその抜本的な対策を行うよう求めている所です。

 しかし、意見書に記載されている「公共投資を短期間で集中的に行うこと」は、公明党の「防災・減災ニューディール」政策で、10年間で100兆円の計画的投資と考えられます。
 その中で、財源は赤字国債に依存せずといいながら、建設国債(60年)、ニューディール債(25年)、地方債、PFIの活用など結局、借金に頼る中身と民間活用の内容に対して懸念するところです。

 年間40兆円余りしか国の税収がない状況下で、単純に1年間10兆円規模の投資を、東日本大震災の復興、原発の放射能漏れ事故の収束もままならない中で、また、国の税収確保への方策が「消費税の増税」と「社会保障の改悪」で押し進められようとしている中で賛成するわけにはいきません。

 雇用の拡大で景気回復ということも言われていますが、この間の公共投資が、国民全体を潤すことにはならなかったという事実があります。自民党・公明党の与党時代、大企業が儲かるための規制緩和だけが進み、雇用のルールが壊れ、ワーキングプアという言葉まで生み出しました。この間、派遣労働法の改定も民主・自民・公明の3党で問題点を残したままの改定内容となっています。

 私達日本共産党は、請願第2号の「消費税増税に反対する意見書の提出を求める」請願の賛成討論で述べたように、財源確保といえば、弱者いじめの消費税の増税しか考えられないあり方、国債などの借金に依存し過ぎる体質などを改めることを求め、応能負担による抜本的な税制改定を行い財源確保すること、国民の所得を増やし、税収そのものを増やすこと。大企業が社会的責任を果たすこと、労働者の7割が働く中小零細企業が元気になるよう、住民重視で、地域密着型、生活密着型の投資を行うことを強く求めています。

 憲法順守による、「命を守り、くらしを支え切る」政治の中身による、真の復興と防災・減災施策の取り組みになっていくことを強く求め、反対討論とします。

請願「県立こども病院のポートアイランドへの移転中止を」賛成討論

請願「県立こども病院のポートアイランドへの移転中止を」賛成討論

2012.6.25. 黒田みち

 請願第3号「県立こども病院のポートアイランドへの移転計画の中止を求める意見書提出についての請願」につきまして日本共産党議員団を代表して賛成討論を行います。

 厚生常任委員会審査の中の冒頭「どうして反対するのか理解に苦しむ」という発言がありました。

 私は、

昨年の東日本大震災という大地震・大津波で、海岸沿い、沿岸部の病院が壊滅的打撃を受け、多くの入院患者と医療スタッフに被害を出したこと。
内陸部の病院が被災地内唯一の災害拠点病院として最大限の役割を果たしたこと。
国の中央防災会議で津波高の見直しに関する検討が進められていること。

 これらの教訓や、現在進行中の検案を受けて、防災・減災の観点から、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県が、なぜ、県立こども病院をわざわざポートアイランドへ移転させるのか理解できません。

現段階で、兵庫県医師会、神戸市医師会、県産婦人科学会、県小児科学会などからも移転反対の声明が出されています。

 まずは、
この計画のスタートから「県総合事業等審査会」の委員の中に医療関係者を一人も入れていないこと。
県民に8月2日から行なわれた「県立こども病院建替え整備基本構想(案)」のパブリックコメントには、「ポートアイランド移転」は一言も触れていないこと。
その段階で、すでに国に対して「地域医療再生計画(案)」の申請を行っている
という「情報提供もせず、説明責任も果たさず」移転計画を強行しようとしているあり方の問題です。

次に災害リスクの問題です。

 30年以内に60%の確率で、東海・東南海・南海地震が、起こるといわれています。
 ポートアイランドは、阪神・淡路大震災の時、液状化によって、陸の孤島となりました。整備予定地(ポートアイランド2期)は、顕著な液状化は発生していないと報告されていますが、当時、埋め立てられた状況だけで何も建設されていなかったこと、今計画は、病院を建設する液状化対策に12億円の巨額を費やすとされています。
 また、移転先の危険性については、中央防災会議が東海・東南海・南海地震で8.5~9mの大津波が発生すると予測。兵庫県自身も4万世帯が浸水し、ポートアイランドが孤立するとシュミレーションしています。
 また、神戸経済の発展のためとはじまったポートアイランド2期は、「医療産業都市」です。中々進まない誘致ですが、小動物を利用して、レベル2のボツリヌス菌、狂犬病などの研究を行う研究所が建ち並んでいます。その隣に抵抗力・免疫力の弱いこども達の病院を建設するというバイオハザードの問題です。

 このような研究の管理は国が行うこととなっており、スーパー特区としての研究の詳細や実態を神戸市は知らないという現状を考えても、もしものためのリスク回避が十分ではありません。

県立こども病院は、現在須磨区高倉台にありますが、この場所は、阪神・淡路大震災の影響を受けず、災害時、医療提供の拠点として活躍しました。
「建て替えはこの場所でも可能」ということが明らかになっています。
併設されている「産科と新生児」のための周産期センターは、平成6年建設ですから築18年を迎えることとなりますが、移転してしまうと、総合周産期母子医療の拠点が、兵庫県内1か所だけになるということになります。
平成12年には、家族の宿泊施設・ファミリーハウスが開設、平成19年には、小児救急医療センターが開設されるなど、小児の第3次救急、地域医療支援病院としての機能を果たし、黒字で経営しているこども病院をわざわざ、神戸市立新中央病院の隣接地、医療産業都市に集中させる必要はありません。

 国の交付金がらみで「病院の統廃合や病床削減」の問題も危惧されています。

 昭和45年、兵庫県政100周年記念として建設されたこども病院。本体の老朽化で建て替えは必要です。人口呼吸器装着患者約50名を含む入院290名、高度専門医療、こども達の最後の砦としての「県立こども病院」を様々なリスクを背負うポートアイランドに移転させないよう、本請願に賛成し、兵庫県に対して意見書をあげていただきますようお願いを申し上げまして、賛成討論とします。

「日本共産党川西市会議員団ニュース」第20号(2012.07)

請願第2号「消費税増税に反対する意見書の提出を求める」請願の賛成討論

請願第2号「消費税増税に反対する意見書の提出を求める」請願の賛成討論

2012.6.25. 住田由之輔

 国民に対する大義も、国益を追求する政策もないというのが今国会で審議されている「消費税増税法案」の内容です。

 各種世論調査で6割を超える方が、増税反対、どちらかと言えば反対と、国民世論は消費税引き上げに反対しています。

 「消費税」制度そのものが、低所得者により負担増になる、逆累進課税であることを政府も認め、低所得者対応をとるといいながら、自民党、公明党と密室で会合を開く中で低所得者への対応をすべて削除しました。

 日本の経済はよくなっていません。消費税を3%から5%へ引き上げた直前の1997年と昨年2011年の経済状況を比べると軒並み悪化しています。

 国民等が受け取る報酬は278兆円から245兆円へ12%減収。サラリーマンの一世帯当たりの可処分所得は月50万円から42万円へ16%も減っています。ワーキングプアと言われる水準、年収200万円以下の労働者が全体の23%にもなり、当時から230万人も増えているのです。非正規労働者は全体の36%を占めるに至り、貯金が全くないという世帯が29%に上る日本という国になっているのです。それらの要因で生活保護世帯が2倍にも跳ね上がっています。

 今日現在、衆議院での採決も流動的です。参議院で審議する特別委員会も立ち上がっていません。民主、自民、公明三党の修正「一体改革法案」が、内容をずいぶん改定して提出され、その内容が十分審議されてもいません。

 この間の国会状況を見ていても、国民の暮らしを全く顧みていないのが法案提出者であることが明らかであります。関連する社会保障制度も軒並み改悪する内容です。しかもそれすら飽き足らず、すべての社会保障制度を根底からか覆す「社会保障制度改革推進法案」なるものも突然国会へ、3党で合意したとして提出しています。憲法で保障されている国民の生活を、憲法に沿っていかに良くしていくのか、全く説明がありません。説明することができないのも、憲法に背を向けている内容だからです。

 今日の経済状況は、15年前に、消費税を引き上げた結果が重くひきづっている経済状況とも言えます。当時の負担増額は9兆円、今回は20兆円と言われていますから、国民のくらし、日本経済に与える影響は計り知れません。
皆さんは国民のくらしを破壊した「当事者」になろうとは思っていないはずです。しかし、増税を推進することは結果国民を困難な状況に陥れた「当事者」になるのです。

 一方、これほど経済が悪化しているといわれているのに、企業の内部留保が143兆円から260兆円へ181%も増えています。不思議ですね。国民は生活するのにキュウキュウしているのに、儲けをため込む企業があるわけですから。

 儲けがあるならば、労働者の賃金引き上げ、下請け企業の単価引き上げなど社会へ還元すべきではないでしょうか。儲けの一つである企業、高額所得者などに対する優遇税制を改めればいいのではないでしょうか。お金が不足しているのであり、儲けている企業にさらに法人税減税で儲けをため込ますような不公平税制をしなければ、そのお金を国民へ回すことができるわけです。

無駄遣いを改めることも必要です。

 私たち日本共産党は、消費税に頼ることなく国民の暮らしを改善させる、社会保障制度を拡充していく、日本の経済を活性化させ、国の借金を減らす方向へ道筋をつくることができると具体的な政策を打ち出しています。

 ぜひお耳も傾けていただき、ご一緒に消費税増税しない社会をつくるため、国へ意見書を提出しようではありませんか。

議会報告(2012年春季号)を発行しました

議会報告(2012年春季号)を発行しました

議会報告(2012年春季号)はこちら(画像PDF)

市民の願いとどけ実現!!
日本共産党議員団

 日本共産議員団は市民のみなさんの声を取り上げ粘り強く訴えてきました。新年度、子育て・福祉・医療等が大きく前に進んでいます。さらに要求実現へ全力でがんばります。

◆小中学校の耐震化が実現!

 幼稚園、小・中学校の耐震化率を2015年度までに100%を目標にすすめられています。
 新年度は、小学校4校、中学校8校の耐震化・大規模改修工事がスタート。子どもたちの安全・安心、地域の避難場所確保からも急がれ、耐震化と合わせ一部トイレの洋式化や障がい者用のトイレの設置も実現します。

◆「メタボ健診」対象者のがん検診無料に!

 40歳~74歳の国民健康保険被保険者のがん検診自己負担が無料になります。
また・人間ドックの助成額が増えます。
(16,500円一上限23,000円に)

◆後期高齢者の人間ドツクの助成制度創設!

 75歳以上の被保険者の入間ドック受診費用の助成制度が創設されます。
 例えば、保険センターで受診した場合、3万3000円の受診費用が1万円で受けることができます。
23,000円の助成が実現

◆小・中学校だけでなく幼稚園にも扇風機を!

 夏場の熱中症対策で、空調設備のない小・中学校の普通教室と特別支援学級に2台の扇風機を設置します。
答弁 「修繕費の中から工夫する」
(予算委員会の中で幼稚園にも設置を約束させました)

▼市立加茂幼稚園で3歳児保育がスタート!

◆中学生の入院医療費無料に!

 4月から中学生の入院医療費が無料になります。
 引き続き→所得制限をなくし通院費も中学生まで無料化の実現をめざします。

ココにも予算が拡充!!

●市立川西病院に緩和ケア病棟設置
●生活保護の相談や増加に対応し、
ケースワーカー、就労訪問支援員の増員

要求実現へがんばります!

☆中学校給食 ☆福祉バス・コミュニティバス
☆ごみの戸別収集 ☆病後児保育
☆住宅リフォーム助成制度

市は将来のまちづくりに責任を!!

◆「アステ川西」に5億円の貸付け! 再開発の検証をせよ!

地下スーパー撤退、資金繰り悪化

 「アステ川西」が昨年、地下売り場をリニューアル、8月にスーパーが全面オープンしたものの、同スーパーは4月で撤退を表明。アステ川西を運営する「川西都市開発株式会社」は資金繰りが悪化し、川西市が5億円の貸し付けを行うことになりました。

 日本共産党議員団は、市が40%の株主とはいえ、「株式会社」に税金を投入すべきではないとの立場を表明。地下リニューアルに対して、既存の商店を強行に移転させてのスーパー導入や、オーバーストアーをより深刻にするものであり、中央北地区への大型店導入と合わせやるべきではないと訴えてきました。

 この3月議会の補正予算審査で、このままでは「都市開発株式会社」が資金ショートすることが明らかになることを受け、既存店舗に大きな影響を及ぼすことを考慮し、5億円の短期貸付に賛成の立場をとりました。

まちづくりは住民合意で行うこと・中央北地区開発も

 市は、「経営評価委員会」を立ち上げ、今後の在り方を検討する方針です。議員団は、これまでの駅前再開発の総括をおこない、市の責任を明確にすることや中央北地区開発を含む将来のまちづくりに責任を取ること、市民への情報提供・説明責任を果たし市民の意見を聴くよう強く求めています。

◆介護保険料 3年間で4億8,300万円の負担増!

 高齢化社会の持続可能な社会保障制度を…ではじまった「介護保険」「後期高齢者医療」制度。どちらも、「高齢者が増えれば保険料が増える」「介護・医療を受ければ受けるほど保険料が跳ね上がる」ひどい制度と非離されてきました。

 国は、支払うことが困難になった保険料に対して、県の財政安定化基金を取り崩し、保険料抑制を指示。県下自治体が緊急要望したにも関わらず、兵庫県は49億円の基金を残しました。川西市としては、ため込んだ基金9億円の半分を取り崩し、基準額で390円の値上げ(国平均1000円)で抑えたものの高齢者の負担増に変わりはありません。日本共産党議員団は、国や県に対して,制度の改定、財源確保を強く求め、反対をしました。

◆後期高齢者医療保険料 ひとり4,310円(年間平均)値上げ!

 後期高齢者医療制度でも、兵庫県広域連合で財政安定化基金21億円をため込んだまま保険料改定を行ったため、年間ひとり平均4310円の値上げとなりました。
 介護保険料と共に大幅な負担増となるため、日本共産党議員団は強く反対の意見を述べました。

◆増税の上にまた増税!! 川西市だけで3億3,400万円!

こども手当はなくなったのに~
さらに個人市民税3,545万円増税!

 年金財源のためと定率減税を廃止。残念ながら増税だけが生き残っています。
 2012年度は、こども手当が廃止。年少扶養控除と19歳までの加算額の廃止によって3億3400万円の影響を受けます。
 代わりに支給される児童手当は金額が減り、所得制限が設けられるため、市内約900世帯が受給から外されます。(影響額4433万円)
 その上、来年度から個人市民税均等割額の増税によって、3545万円の増税となります。
 日本共産党議員団は、市民の収入が減り続ける中、国民との約束を反故にし、またその上に増税するあり方そのものを厳しく批判、国として納税は能力に応じて行うという原則で財源確保するよう強く訴え、国に対して市としても意見を述べるよう要求しています。

消費税10%増税反対!

◆原発ゼロ! 再稼働反対!

 東日本大震災・福島原発事故から1年。3月11日、神戸東遊園地で「あれから1年集会」が開催、2500人を超える人々が「原発ゼロ」「再稼働反対」を訴えました。小さなこども達と共に「この子に安心な学校給食を」「ふるさとを返せ」の切なる願いが、三宮・元町まで続きました。

 全国で再稼働に向けた圧力がかかっています。日本共産党は、「人類と共存できない原発ゼロ」に向けた取組みと共同を広げています。安全確保出来ないものは再稼働させない、処理ができない原発を輸出するなどもってのほか…私達のこどもや孫にこの美しい地球を、命をつなげていかなければなりません。

 引き続き、被災地への支援、募金活動、「原発ゼロ・再稼働反対」の署名・宣伝活動をおこないますのでご協力よろしくお願いします。

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議会報告 2012年春季号 日本共産党川西市会議員団

住田由之輔 TEL・FAX 759-4541
黒田みち  TEL・FAX 790-3055
北野のり子 TEL・FAX 793-9515

日本共産党川西市会議員団
川西市中央町12-1 川西市役所6F 日本共産党市会議員団控室
TEL:072(740)1111(内線4020)

「公共施設を市民にとって最善の方法で維持・管理・更新する考えについて

 森本 たけし議員は、今議会からはじまった「一問一答方式(質問の回数制限は無し、40分の時間制限)」で一般質問を行いました。

 森本議員は、「公共施設の維持・管理・更新」という課題は、いまはまだ大きな問題として顕在化していませんが、その運用方法如何によっては、今後、川西市にとって大きな財政的負担としてのしかかり、市民生活の水準を大きく引き下げることにもなる可能性があるため、問題提起しました。

 公共施設が抱える課題を考える上で、まず日本全体を取り巻く社会状況と、今後予測される社会情勢を考えることが重要になります。それは「人口減尐」という問題。日本の総人口は2004年の1億2700万人をピークに、2020年頃までは緩やかに減尐していきます。そして、2050年には1億人を下回り、2100年には6000万人と、現在の人口から半減すると、推計されています。これを単純な計算式に変換して、川西市に当てはめると、2050年には12万5000人。2100年には7万5000人まで減尐することになります。つまり、公共施設に対するニーズは、それぞれの施設の用途に於いて、充足出来ていないという事態が起こることはありますが、総量的には必然的に縮小していくことになります。

 川西市の歴史を紐解いてみますと、1970年代から80年代にかけて、人口が急増し、市民生活を支える道路や橋梁、上下水道、教育施設や福祉施設などの公共施設が集中的に整備されました。現在、川西市は211の建築系公共施設を管理しており、そのうち竣工後30年以上経過するものの比率は43%。6施設は50年を超えています。このように経年劣化していく施設を、現状の数、形態のままで維持管理運営していくためには、大規模改修による老朽化への対応や、耐震工事によって安全性を高める改修など、建物の適切な修繕・改修が 不可欠であり、それには巨額の費用が必要となります。

 つまり、問題の本質は、今後必要となる巨額の維持・管理・更新・運営費用というものが、望ましくは施設竣工時点に於いて、遅くとも現時点に於いて、計画的に見込まれていればよいのですが、そのような計画的維持管理を行うことなく、各施設で欠陥が生じるたびに、「とりあえずやれるところから」という考え方に基づく、事後保全型の維持管理を繰り返しているため、不要な財政負担を市が負うことになり、そのツケは、現役世代のみならず、次の時代を生きる者たちが負わされることになるのです。
 例えば、岡山県倉敷市に於いて、事後保全型の維持管理を続けた場合、113億円必要と試算されていた改築・改修費用が、計画的維持管理を行った場合、半額以下の50億円で賄えるという、財務的効果の試算が示されています。

 森本議員は、川西に於いても、計画的維持管理というものを積極的に行い、現在は所管部門別で行っている公共施設の縦割り管理体制を改めて、全体の公共施設を横断的に統括し、使用調整を行い、全体最適を図るミッションを持つ組織体制づくりを構築することで、公共施設運営のムリ・ムラ・ムダの解消の図ることが必要であると、提案しました。

 また、森本議員は、公共施設は公共の資産。つまり、住民のための資産であるため、その利用形態については住民自身が判断し決定するべき、との考えから、現存する市内公共施設の数、面積、築年数、構造、利用度とその評価、維持管理コストを網羅的に示した「公共施設白書」を作成し、公共施設の現状や課題を住民が把握出来るようにするべきだと提案しました。

答弁 提案に対して当局からは、1点目について、公共施設の維持管理コストは、大きな課題として認識しており、現在川西市に於いて、総合的一元管理による公共施設の計画的保全に向けた研究を行っている。今後も引き続き研究を積極的に進めながら、建物の長寿命化を中心とした維持管理コストの削減に努めていきたいと答弁がありました。2点目については、先進的に取り組んでいる他市の実例を参考にしながら、来年度に策定される第五次総合計画にその内容を盛り込んでいきたい、と答弁がありました。

「日本共産党川西市会議員団ニュース」第15号(2012.1.)

安心できる介護保険制度へ

-介護保険法等改正と第5期介護保険計画策定について-

2011年12月 北野のり子議員

 昨年6月15日、衆議院・参議院合わせて18時間というわずかな審議時間で「介護保険法等改正法」が可決・成立しました。私たちに内容のほとんどが知らされないまま4月の実施に向け検討。今回の「改正」の最大の特徴は、「地域ケアシステムの実現」を前面に掲げ、その第一歩として足を踏み出した点にあり、介護・医療制度改革全体の流れに深く関わる内容を含んでいます。この見直しが老後も安心して暮らし続けられる介護や生活支援を国民に保障するものなのか危惧しているところです。これを受け市でも平成24年度~26年度の3カ年に渡る「第5期介護保険事業計画」の策定作業が進められています。
 そこで北野議員は、一般質問で取り上げ、市の考え方を問いました。

【質問】「介護予防・日常生活支援総合事業」について。
総合事業が導入されると要支援者の受給権侵害、法令上の基準がないことから安上がりで不十分なサービス内容になる可能性がある。導入は避けるべきではないか。

(答弁)本市としては、介護保険事業特別会計への影響、本事業で提示する見守り事業等の範囲、利用者にとっても長所、短所を引き
続き検討する必要があり、もうしばらく導入については検討・研究を進めていきたいと考えている。

【質問】「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」について。
24時間、重度者をはじめとした要介護高齢者の在宅生活を支える介護になり得るのか疑問が残り問題も多いと考えるが、見解を伺う。

(答弁)認知症高齢者への対応や定期巡回の適切な回数等、導入にあたっては、多くの課題がある他、本市の人口規模において利用対象者が尐ないと見込まれることから広域的な対応を今後の検討課題と考えている。

【質問】介護職員等による「たん吸引等の解禁・拡大について。
介護職員による医療行為が合法化されたことについて。
事故の責任と安全性の確保について。

(答弁)市としては、事故の責任と安全性を確保するために当該事業所を把握し、県と合同で実施している指導監査及び指導において適正に運営されているか点検・指導を行う。医療の実施に対しては、医師や看護職員等の連携体制の確保、密接な役割分担に課題があると考えている。

【質問】「第5期介護保険事業計画」に高齢者の実態、住民要求を反映させることについてどうするのか。

(答弁)昨年8月、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者並びに要支援、要介護1・2の認定を受けている方それぞれ千人を抽出、日常生活圏域ごとの高齢者の生活実態や介護ニーズを把握した。さらに6月、二次予防事業者の対象者を把握するための悉皆調査を実施しておりその結果も計画策定に反映させていきたいと考えている。介護保険運営協議会には、公募による市民の参加、今後の計画案をパブリックコメントに付する予定である。

【質問】介護保険料について。
財政安定化基金、介護保険準備基金を取り崩し、保険料引き下げに充てるべきではないか。

(答弁)国では、第5期介護保険料の設定にあたり全国で月額、五千円を超える市町村が多く出ることが予想されている点に鑑み財政安定化基金の取り崩しの方向性が示されているものの現時点で詳細が提示されていない。市としては、所得段階での細分化、介護保険給付費、準備基金の取り崩し、活用による保険料の抑制について検討している段階であり本日、具体的な保険料見直しを、お知らせすることはできない状況である。

【質問】緊急通報装置の貸与について。対象者を拡大すべきではないか。

(答弁)対象者の拡大について、第5期介護保険事業計画、高齢者保健福祉計画策定中であり、計画中に対象者について言及する予定。高齢化に伴い緊急通報装置を必要とする一人暮らし高齢者は増加することが予想されることから日中一人暮らしの高齢者への対応も含め検討していきたいと考えている。

【質問】「救急医療情報キット」が配布されているが、より安心を得るため今後、緊急通報装置とセットで配布を検討することを考えるべきではないか。
(答弁)救急医療情報キットについては、民生委員の協力を得、65歳以上の一人暮らし高齢者の自宅を訪問し無償で配布する予定。
 一方、緊急通報システムの貸与については現在、利用者負担があり救急医療情報キットとのセットでの配布は出来ないが、両方の事業を利用することで緊急時に対応できる手段が増加するとともに高齢者の安心感を得ることから利用者の希望に応じ対応したいと考えている。

 介護保険がスタートして11年、負担増やサービスの切り捨て、介護報酬削減等が、繰り返されてきました。高すぎる介護保険料、利用料負担が重くのしかかり、必要なサービスを受けることができない事態が深刻化しています。こうした中、さらに「税と社会保障の一体改革」の名の下、介護保険では、給付費削減(要支援の利用料1割から2割負担、ケアプラン有料化、一定所得以上の利用料1割から2割負担。施設2~4人部屋の室料負担増。施設低所得者向け負担軽減を制限、施設入所者の要介護1.2の利用料負担増を通常国会への法案提出に向け検討するとしています。
 安心できる介護制度にするためにもこのような大改悪に反対し、保険料・利用料の減免、基盤整備の推進、国庫負担増の改革をめざし、声をあげていきたいと思います。

「日本共産党川西市会議員団ニュース」第14号(2012.1.)

市民の税金を使ってまちを壊してはならない!

 -中央北地区整備に関係するまちづくりを問う-

2011年12月 住田由之輔議員

事業費93億円の9割が公費支出

 年度以降の中期財政計画の説明で、一般会計から中央北地区整備への支出が10年間で5億7700万円、実施計画経費の10%投資であり、大きなプロジェクトと認識していると説明された。
 質問の中で住田議員は、実態は92億8300万円の総事業費の中で、市民・国民の税金で直接、間接で補うのが約84億円。一般会計からの支出が10年で約6億円からは想像がつかない支出であり説明と食い違うと指摘。市民に対してもっと事実に即して説明するよう要求。

巨額の投資で市民全体のものになるのか。

 これまで元金だけでも250億円市税を投入してきた。その結果できるものは2ヘクタールの公園、都市計画・区画道路、上下水道整備である。この開発が「市民全体のためになるのか、結果地権者のためだけのまちづくりになっているのではないか」と追及。
答弁は、「区画整理事業をするため、一定の土地を提供(減歩)するため所有面積が狭くなり地権者だけが得をすることにはならない」とのこと。
 住田議員は、減歩しても土地の値段は従前と変わらない。資産価値は同じになるから損をすることはない。それが区画整理事業ではないのかと反論しました。

商業施設設置は駅前商店と競合する

 土地の集約をし、大規模小売店舗を誘致することは、周辺への影響、特に駅前商店への影響が危惧されており、現在、アステ管理会社へ4億円の長期融資話も出てきている中で、結果的に古い商業施設が「困難な経営状況にされ」、市民の税金を投入しなければならない状況に陥ってしまうのではないか。市が施行者であり、市民の税金を大量に投入しながら、他の商業施設が困難な状況になる計画であり改善する必要を強調。その考えを問いました。
 答弁は、「集客施設立地で駅を素通りしていた客が足を
止め、中央北地区に寄ることで、駅前にも流れることを期待している」との無責任なものでした。

市立川西病院の拡充に反するのではないか。

 身近なところに医療施設があるというのは市民にとって心強いことだと前置きし、医療施設を誘致することで、市立川西病院の充実と両立するのか、結果市民全体にマイナス影響になりやしないかと危険性を示唆し、答弁を求めました。
 答弁は、「民間活力を導入し、市立病院との整合性を図る」と答えにならないものです。

国有地を公園に、住民の願いかなえよ! 久代4丁目合同宿舎跡地など

 久代4丁目地内の国家公務員合同宿舎が全面閉鎖になり、川西では自衛隊関連施設以外、国の施設がなくなりました。国はこの土地を含め、航空官舎跡、かつてからの空き地など約3ヘクタールを売却する方針です。
 住田議員は、久代4丁目には公園がないこと、若い保護者を中心に公園設置の願いが強く出されている地域の状況を説明。市として積極的に活用方針を出すよう要求。
 答弁は「久代5丁目、なげきの丘に0.3ヘクタールの公園をつくるからそれを利用してほしい」でした。
 住田議員は、4丁目の住民が使うにはあまりにも遠い、小さな子は行けないと答弁そのものを批判し、公園設置を要求しました。
 さらに、航空燃料譲与税が毎年4億円あり、その2割、約1億円を土地買収に充てることを提案。「飛行機騒音に苦しむ南部住民の、憩いの場づくりとして活用せよ」とさらに要求しています。
 市は、「航空燃料譲与税は必要な施設整備に充てている」とし、公園設置は必要な整備でないと暗に示唆、公園設置に支出することを拒否。

12年間で62件の人身事故 市道11号線の安全対策早急に

 市道11号の交通事故の実態を問うた住田議員も驚くほど、12年間で人身事故だけで62件発生していました。議員になってからの17年間市道11号の危険性を指摘し、改善を訴えてきています。

せめて公有地は、早期に改修せよ

 今回都市計画道路・南花屋敷線計画廃止に伴い代替道路として位置づけられました。
住田議員は、たとえば加茂資料館の前、公有地が道路と並行して40mばかりある。せめてそこだけでも道路拡幅をして地元住民に対して安全対策を市として積極的にやっていますという具体的なメッセージを送るべきではないかと提案。
 答弁は「安全性を確保するために何ができるか検討する」だけで、前向きなものではありませんでした。

「日本共産党川西市会議員団ニュース」第14号(2012.1.)