2018年3月議会 住田由之輔:国民健康保険特別会計予算に反対討論

国民健康保険特別会計予算に反対討論

2018年3月 日本共産党議員団 住田由之輔

○議案第27号 平成30年度川西市国民健康保険事業特別会計予算

 平成30年度は保険者に県も加わり、兵庫県下で統一された国民健康保険制度にしていく、最初の年になります。
 国民健康保険制度は、国民皆保険の基盤をなす制度でありますが、加入者の年齢が高い、低所得者や不安定な雇用労働者、小規模事業所の加入率が高い制度です。どうしても財政的な基盤が弱く、それを補うために、毎回のごとく保険税が引きあがるといった悪循環をしています。それを改善するのが国による財政支援ですが、国が打ち出したのは、都道府県レベルの統一化です。 兵庫県では3年の目安で、市町の負担の公平化を図るとし、保険税の激変に対し、財政的措置をするとされました。
 川西市国民健康保険制度における料金の設定は、それらによって、30年度は基本料金の変更なしとなりました。ただ、国の制度にのっとり、5割軽減で所得基準額を5000円引き上げ、2割軽減では1万円の引き上げにより、全体で472万円の改善。また一方、賦課限度額54万円を58万円へ引き上げることで、1382万円の負担増になる加入者が出てきまので、負担軽減を訴えてきている日本共産党として本議案に反対するものです。

 私たちは、そもそも制度の広域化に反対しています。ですから議案第11号・「川西市国民健康保険条例及び川西市国民健康険税条例の一部を改正する条例の制定について」にも反対しました。
 国は都道府県別に統一された保険制度にすべく、発足に際しての「財政支援」はするとしています。それでも行政によっては大幅な料金引き上げで対処しなければならぬところも出ています。
 国は制度を導入すれば、必要な「医療費」は、都道府県に指導するだけで、スムースに納入できるものとしています。市町村で「料金を決定」するとありますが、「医療費総量」は国が示すことになり、県はそれに見合う「保険料収納必要額」を国から示され、標準保険料率を市町村に示し、「必要とされる保険税額」に見合う市町の「保険税」決定を求めてきます。市町はそれに従うしかなく、加入者にとっては反論をする機会も奪われ、負担増を強いられることになります。広域化とは、よりスムースに加入者から保険税を徴収し、不足するような事態は決してつくらない、加入者抜きの収納促進制度になるのです。
 国民健康保険加入者は、低所得者、不安定労働者、小規模事業所従事者です。ですからこれまで収入のわりに掛け金が多額になる制度でもあります。それを改善してほしいとの願いが加入者から出ていましたが、それを無視するように新制度に移行された予算になりました。
 本来国保制度に国が積極的に財政支援をし、加入者の生活を守るのが本筋です。ところがこの間、県との負担割合を変更することにより、市に対する支出金が減額になったり、事務費や助産費補助金を一般財源化することにより、全額が本来の目的としているところで使用されているかどうかを見えにくくさせたり、70歳以上の高額療養費の負担限度額引き上げ、一般病床の食費・水光熱費の患者負担引き上げなど行うことでより生活することを困難にさせています。

 政治は国民の暮らし、命を守ることが仕事であるということを合わせて要求し、反対討論とします。

2018年3月議会 住田由之輔:市立川西病院の指定管理者の指定に反対討論

市立川西病院の指定管理者の指定に反対討論

2018年3月 日本共産党議員団 住田由之輔

○議案第3号 市立川西病院の指定管理者の指定について

 市立川西病院を、全市民、周辺住民の命を守る拠点病院として、全庁挙げて取り組みを進め、「公設公営」を基本方針とし、市民にとって安心と安全をゆだねるに足る病院にするため、本議案、「指定管理者の指定」に反対します。
 全ての市政推進に関し、市民に対して公平性が保たれ、公正に事業展開されるものであり、内容の透明化と十分な説明、さらには納得を得る努力の下、事業は前に進められるものであると考えます。
 しかるに、2017年5月1日に発表された、「川西市立総合医療センター構想案」は、市民置き去りの事業展開が進められ、たった一日しかしなかった「市民説明会」では、拙速な進め方に批判が集中し、住民の意見をまず聞くべきであるとの意見がほとんどを占めた状況でもありました。 ところが当局は、住民の声を無視し、10月には「指定管理者の公募」を行い、今日に至っています。
 当局も作成に加わった「参画と協同のまちづくり」の理念を葬り去り、行政がやることに文句は言わせないとばかりの在り方は、民主主義そのものも否定する暴挙というほかありません。
 「川西市立総合医療センター構想案」そのものを白紙撤回すべく要求します。

 今議会へも市民からは3本の請願が出されています。請願第1号は「市立川西病院の指定管理者を3月市議会で決定」することなく、内容をまずは市民に広く知らせてほしい。請願第2号は「3月議会で川西病院の指定管理者を協和会に決めないこと」を求め、請願第3号では、同じく「3月議会で市立川西病院の指定管理者を協和会に決めない」ことを求める内容でした。置き去りにされてきた市民の中から湧き上がってきた当然の声でもあります。
 さらに白紙撤回を求める住民の署名は15058筆と、かってなく多くの皆さんが、今決めないでほしい、もっと住民に周知をし、幅広い意見を求めてほしいとの願いで提出されています。この住民の願いに沿った行政をまずは進めるべきではないのか。それが市政を預かる行政としてとるべき正しい道ではないのか、これまでの行為の反省を求め、今からでも、住民の声を真摯に聞くべく要求します。

 川西市立総合医療センター構想案における、指定管理者制度導入を持ち出した最大の理由が、毎年10億円の一般会計からの持ち出しができなくなった、40億円の累積債務が重たくのしかかり、財政的に持ちこたえることができなくなったと説明され、財政的側面の「悲鳴」を、市民に対して脅しのごとく叫ばれてきました。
 しかし10億円の中身を検証すれば、国からの交付金で賄っているものを引けば、7億5000万円とのことであり、それも3条法定内支出がほとんどで、すべてと言っていいほど公立病院を抱える行政としては行っている支出です。住民の命を守るための支出であり、それ以外の何物でもありません。

 川西市は住民の日常の衛生管理をよりよくするとして、広域ごみ処理を行っています。かかった建設費用の返済に平成30年度でも約12億円、広域で事業運営するための分担金には約17億円使っています。住民生活の上で、環境を保つ必要なお金です。
 環境の問題では、中央北地区整備を行い、皮革工場の存続か100%廃止かを迫り、廃止を決断し、そのためにかかった費用を都市整備公社に肩代わりさせ、都市整備公社に補助金としていまでも毎年6億から8億円支払っています。
 事業を行うのにお金は必要です。住民の命を守るお金こそ、工夫をし、しっかりと保証するのが行政の務めです。お金がないのではなく、この間のお金の使い方に誤りがあり、その誤りを市立川西病院経営に押し付けていると言わざるを得ません。

 そもそも指定管理者の導入は、他の自治体でも失敗をしており、たいへんリスクの高い制度導入になります。それをあえてやろうとしたのは、指定管理者に名乗りを上げた医療法人があったからです。この間の討論でもそのことは明らかになっており、2016年12月、医療法人協和会理事長からの手紙が、構想案をつくるきっかけだとはっきり述べられています。
 問題は、176億円という税金を投入する事業として、今日まで取ってきた、「公募するから、最初から決まった医療法人ありきで進めてきたのではない」と説明に無理があることです。どう見ても、「公募」という公正な手法を隠れ蓑に、最初から医療法人協和会が指定管理者になる筋書きで事が運ばれてきたということです。このようなことが行政が行う事業として許されるのか、市民に問わなければなりません。
 まず、建設場所を医療法人協和会が新病院建設用として購入予定された場所であるということです。協和会の土地に、それを買ってまでやろうとするのは川西市しかありません。
 また、「新たな土地に新病院を建設する」という構想は、市立川西病院と共同して事業を行うことを積極的に表明する事業者がいなければ成り立たない「構想案」です。
 市立川西病院の所有するベット枠は250床。それに150床提供する急性期病床所有病院が対象とされましたが、阪神北医療圏の中という枠で、3つの医療法人が対象になり、協和会以外は、急性期病床を抱える病院を一つしか持っていません。中心になる病院を廃院にして、協立病院、第2協立病院、協和会が運営する各種介護施設が密集する地域に進出することは到底考えられません。
 「公募」という、公平な手法で事業を推進したとされているが、前提条件のところで他の病院はふるい落とされているのです。最初から医療法人協和会しか「公募」できない仕組みが作られていたのです。これは公費で行う事業の在り方を大きくゆがめていると指摘せざるを得ません。
 176億円の投資をし、指定管理者に運営をさせる効果があるのかも疑問です。
 当局は一般会計からの支援がこれ以上できないとの理由で、指定管理者制度導入を選択したのに、176億円は市民の税金、100%市債を発行して賄うとしたのです。指定管理者は30年かけて返済する計画ですから、市としては十分な財政的体力があることを裏付けしているのです。一般会計からのこれ以上の支出はできないことはないと自ら証明しているわけですから発言が矛盾しており、市民に対してウソを付いたことになります。その嘘で成り立っている指定管理者の指定はやっぱり認めることはできません。

 指定管理者が30年かけて事業費の50%を返済するありかたも、指定管理者の都合で計画されているように見えます。「利用料金制」をとりますから、原資は税金で、「返済金」を賄うシステムです。どこまでも指定管理者に優遇された税金支出処理計画です。

 指定管理者の指定は280余名の市職員・医療スタッフの「分限解雇」を宣言するものです。

 指定管理者の指定実施が2019年4月からとは言え、実際には本議案が採択された時に、医療スタッフとしては、自らの身の振り方が大幅に制約され、市民奉仕の公務員の道は閉ざされてしまうのです。当事者にとっては非常に残念であり、無念であることでしょう。それを実行していいのか、怒りも沸き上がります。この意味からも指定管理者の指定は撤回すべきです。
 新病院の400床のベット数は、「重篤患者優先受け入れ」という民間経営が優先され、医療難民の発生、根治しない前に退院しなければならぬ状況の発生が容易に推測できます。全市民、住民にとって命を守る最後の砦「市立病院」の本旨から遠ざかってしまいます。それは許せません。
 北部診療所構想案は住民ニーズに合致したものではありません。あくまでも救急搬送を受け入れ、入院、手術ができる二次医療機関が必要なのです。身近に入院施設が必要であるのは、北部地域が急速に高齢化しているからです。高齢と入院はセットのようなものです。
 それに加えて、若い世代に魅力を感じてもらえるのは、保育施設、充実した教育環境、そして毎日の買い物をする場所といざというとき頼りになる病院施設が身近にあることです。街づくりの必要条件です。この条件が欠ければ住民はまちから去っていきます。自然が残る環境、戸建て中心の街の魅力だけでは補えません。
 このように総合的に考えれば、本議案、「市立川西病院の指定管理者の指定」は撤回し、川西市立総合医療センター構想案も白紙撤回し、住民のための市立川西病院再生を、市民参加で行うことを要求し、反対討論とします。

2018年3月議会 住田由之輔:市立川西病院廃止移転新築民営化について

2018年3月議会一般質問  一問一答制

市立川西病院廃止移転新築民営化について

2018年3月27日

日本共産党議員団 住田 由之輔

 2016・平成28年12月、今日、市立川西病院の指定管理者として指定されようとしている、「医療法人協和会・理事長」から、「密接な連携・協力体制を構築したい」旨の手紙が市長あてに届き、市長はその真意を聞き、2017・平成29年3月から4月初めにかけて「(仮称)川西市立総合医療センター構想案」を作成し、5月1日に議員に発表。

 9月23日に市民説明会を2か所で行い、見直しを求める発言ばかりであったのに、その時期、指定管理者募集要項ができてきており、発表から公募まで5か月。市民の意見は無視、議会は軽視し、事業を強行しているのはなぜなのか。

 川西市は少なくとも、市民との「参画と協同」でまちづくりを推進していくことを自ら打ち出しているにもかかわらず、それを否定する行為は、大塩市政そのものが「自分で決めたことも守れない」市政運営をしていると判断せざるを得ません。間違った行政の在り方であり、これを正し、市民とともに事業を推進する市政にすべきことをまずは要求します。

 この間何度か市立川西病院問題の分岐点があり、その時々、市政トップである大塩民生市長の決断が状況を左右しており、その時々どのような決意でおこなわれたのか、そのことにたいして職員にどのような指示をしたのか、市長としての「責任の取り方」など、市立川西病院問題について伺います。

1. 「市立川西病院問題」結節点における市長の決断・決意・指示について

1) 国へ提出する最初の「経営改革プラン」(平成21年3月)において「独法化」を断念したことについて

2) キセラ川西地域内に「医療ゾーン」を設置したことについて

 ・数百mも離れていない場所に、医療法人協和会が急性期・回復期・慢性期医療を経営し、高齢者対応の介護施設等複数営業している土地に、わざわざ「医療ゾーン」として設定した市長としての真意はなんであったのかお聞かせください。

3) 医療ゾーン売却を決定したことについて

・協和会しか手をあげないことがわかっていたのに「公募」したことについてお聞かせ願いたい。

4) 協和会から手紙が来て真意を確認したことについて

・「ご一緒にやりたい」との内容がはっきりと書かれている手紙から、どのように感じられたのか、会うことを決心し、真意を聞かれ、どのように決断されたのか、お聞きしたい

5) 医療構想案作りを決意され、職員に指示されたことについて

 ・なぜ「指定管理者制度」導入を決意されたのか、市の職員が直接市民の命と健康を守る作業にかかわれなくなることを承知されたのか

6) 北部からの撤退、「医療ゾーン」へ設置すると決意されたことについて

・当然住民の反発は予想されたであろうに、また、川西市のまちづくりとして、高齢化によりさらに需要が高まり、若者誘致の観点からも北部に設置が望ましい施設と考えるが、なぜ撤退を決意されたのか

7) 「北部診療所」へ舵を切ったことについて

・市立川西病院を「かかりつけ医」として利用されているだろう患者のみを対象に考えたのか。

8)  平成26年度病院事業決算において「経営健全化団体」になることを容認されたことについて

・公営企業法改定時期に、あえて20%を超える「負担比率」を公然化された真意は何か。

9)  赤字を解消できず管理運営を民間にゆだねることにし、「市立川西病院事業管理者」をなくすことを決断されたことについて

・大塩市長が招致した管理者であり、その責任はどのようにとられるのか。

2. 指定管理者制度を導入する市のメリットについて

1) 病院事業に毎年10億円の支援をしなくて済むことについて

 ・10億円のうち約2億3000万円は政策医療費、残りについても85%は法定内で支出しているものであり、住民への説明と納得の下で、病院への支援金として支出も一定考慮できる費用だと考えるが。政策医療費以外の持ち出しは考えなくてよいということなのか

2) 280人もの経験豊富な医療スタッフ・市職員を指定管理者にゆだねることができることについて

・大規模な分限解雇の理由が成り立つということになるが

3) 「指定管理者制度」導入で経営は黒字化できることについて

・新施設2年目で黒字化し、利益を公設病院内「医療充実」のために使うことになるなど

・利用料金制度を導入になり、利益が上がれば「職員の研修」「職員の給与ひきあげ」にも使用することにつながるのか

・財政計画から見えてくる20年後、代替わりしていく中で、黒(赤)字分はどうなるのか

4) 40億円の累積債務は単独での借金として処理できることについて

・市民の責任で、一般会計からの処置をし、返済すれば済む

 5) 管理運営は100%指定管理者が行うことについて

・川西市は「公共医療提供」者として、住民が必要とする医療にこたえることができるのか

・医療に携わる職員がゼロになるが、

6) 北部診療所は「かかりつけ医」を必要とされる住民対応で済むことについて

・「かかりつけ医」だけのものであるならば、開業医の協力で解消でき、診療所としての必要度がなくなるが

7)  3割の急性期医療病床を削減させ国の指導に沿うことができることについて

・県の医療構想に沿った事業が推進でき、病床稼働率も高めることができ、経営にプラスになる

・医療難民の発生は起きないのか

8) ハイリスクな小児、周産期医療を「公立病院」で一本化できることについて

・直接関係ないはずの第2協立病院の小児・周産期美容賞を削減させることは市民に対して背信行為になる

9) 176億円の事業費のうち市は10%負担で済むことについて

・40%の交付金措置を求めるために、新改革プランに基づき、「再編・ネットワーク化」計画書を国へ示す必要があるが、計画書は議会に示されていない。国や県に対して財政問題を含めてどのように説明されているのか。交付金支出される裏付けは

・市債発行の結果、市の持ち出しは1割の18億円以内で済むのか

・利子、土壌汚染対策費、その他想定ではどの程度のプラス負担になるのか

・それらは指定管理者に50%負担させるのか

・建設される施設、設置される医療機器、土地などは、市民の財産として残るが、30~50年後の建て替え時には、市民の税金で行うことになるが、10%の負担との整合性について

10)市が行うべき地域包括ケアシステムを指定管理者にゆだねることができることについて

・市の責任で行うべく、医療と介護について、民間任せ、個人任せになってしまう

11)「診療所」との交通網設置は交付税で処理できることについて

・市立川西病院を中南部住民にも使いやすくするためにバスの運行を要求されたのに拒否をし、黒字化への施策に背を向けていたのに、「かかりつけ医」を望まれている患者対象にバスの運行をするというのは合理的でない

3. なぜ市民の声に真摯に対応できないのかについて

・北部からの撤退反対

・診療所では代替にならない

・基本午前診で満足な診療はできない

・急性期病床削減は全市民にとって「安全への脅威」

市内から3割も削減する

・小児、周産期病床の削減
第2 協立病院の小児、周産期医療までなぜ「総合医療センター」で受け入れるのか

・入院期間の縮小で、完治しないままに放り出される
 10日ばかりで退院、在宅医療、高齢者施設へ転送されるなどの声に対して、「公的医療機関の使命を果たした」と言い切れるのかなどの声が届いているが、全く聞く耳を持とうとしない態度は、大塩市政の立場なのか

4. ネットワーク化について周辺自治体との協議をしなかったことについて

・合併優先で、周辺公立病院、3町とのネットワーク化は話し合われていないことについて

3町との協議はないまま推移

池田市民病院との連携はない

伊丹市・宝塚市との協議はない

5. 医療に対する「公的責任」の果たし方について

・モニタリング体制をとるから大丈夫との言い分だが、毎日280名、年間7万人の公務員が「チェック」をして事業を進めている「医療機関」のチェックを、川西市は、指定管理者設定後・新病院施行後、何人の市の職員が、どれだけの時間、どんな対象を「モニタリング」をしていくのか。

(280人×5日×50週=7万人の目)

黒田みちのたんぽぽだより(No.186 病院特集第11弾)

指定管理者 協和会(協立病院)に
「北部に市立川西病院を残すべき」の立場で推移をチェック!

たんぽぽだより No.186 2018年3月
日本共産党川西市会議員 黒田みち

 黒田みちのたんぽぽだより(No.186 病院特集第11弾)はこちら(PDF)

【1面】

指定管理者 協和会(協立病院)に
「北部に市立川西病院を残すべき」の立場で推移をチェック!

課題は山積

 現市立川西病院の指定管埋者を「協和会(協立病院)」とする議案と協和会が協立病院の建替用地として購入予定だった17億円の土地を市が買い上げる予算の議案が3月議会で審議されました。多くの市民が反対署名や慎重審議の請願・要望を提出しましたが残念ながら、建設公企常任委員会において賛成多数で可決されました。3月26日開催の最終本会議でも、賛成多数になるでしょうが、今後の課題は山積。私たちはあくまで「北部に市立病院を残すべき」の立場で推移をチェック、皆さんにお伝えしていきます。

2年間は現病院で

 現川西病院は、1$診療科・3専門センターを備え、手術と入院の2次救急に対応した総合病院です。

 市の計画によると、2019(H31)年度から2年間は現病院のまま管理・運営を協和会(協立病院)に委託。2022(H33)年度に、市がキセラで新病院を建設、北部には診療所を開設するのに合わせて現病院を解体します。指定管理期間は新病院開院後20年間。

収入・儲けは協和会

 今回の指定管理者制度は、市が100%借金で、建物・設備一式、医師・看護師を含む280名を協和会に提供し、指定管理料を払って管理・運営をすべて任せるもの。病院の売り上げ、儲けはすべて協和会のもので、実質民間病院として運営されます。(現職員は全員解雇、新たに協和会職員となる予定ですが、全員移籍する保障はありません)

「ともかく協和会」?!

 市が、それまでの「北部建替え計画」を180度転換させる「医療構想(案)」を発表したのは昨年5月。以後、住民への情報提供や説明責任をほとんど果たさず、目玉とされた「山下駅前24時間急病センター」案も「診療所」に格下げ。他の「構想案」も変更を余儀なくされていますが、ともかく「協和会に決めてしまえ」と強引に突き進んでいます。

要望、陳情が10件

 市民から、「急いで決めないで」の請願3件と10件の要望・陳情書が市長と市議会に提出されました。

 3月5日の建設公企常任委員会では、住田(日本共産党議員団)、北上(自治市民クラブ)両議員が、今まで明らかにしてきた疑問や問題点を追及。参画と協働のまちづくり推進条例に照らしても「市民の声をしっかりくみ取る。拙速に決めるべきではないJとがんばりましたが、賛成多数(久保・坂口・安田.米澤・大崎・江見各議員、秋田委員長)で可決。3月26日の本会議で可否が決まります、(また報告します)

市民の運動、調査・研究続く

 指定管理者は決定したものの市民の間で「住民無視で突き進むな」「北部に2次救急医療の空白地をつくるな」「指定管理者制度導入の危険性」「市財政の問題点」などの声や調査・研究が続いており、「白紙撤回」署名も1524人分を追加提出、合計14424人分が市長・議長宛てに届けられています。

安心の子育て支援を

待機児童増加

 「保育所落ちたの私だ!」で、顕在化した保育所・待機児童の多さ。減少させる施策が必要だが、市の待機児童は3月1日時点で231人。昨年同時期の1.7倍にもなった。

保護者にとったら死活問題
もったいない解体

 この春開所する幼保一体型牧の台認定こども園(建設費6億7000万円)。幼稚園70人、保育所60人が通う。畦野駅前・とっても便利な緑保育所は廃園.解体・売却だとか…。もったいない。

 市民の大切な財産は耐震補強工事をして使うべきではないか。

耐震計画は反故に

 市は、2012(H24)年、耐震補強工事が必要な幼稚園と保育所の耐震化方針(5か所分)を発表。2016(H28)年度までに完了予定だった。必要な工事費はその当時行つた工事費の約2倍見積もっても1億5000万円程度(緑保育所なら1655万円)。

 ところが、耐震補強工事は中止され、廃園・統廃合・解体へ。私(黒田)が納得できず追及しているのは、牧の台幼稚園のように、「耐震補強の必要ない施設※」から、粛々と廃園・解体を進めていること。公立幼稚園は定員割れをしている。空き教室の利用で保護者の願いである3歳児保育、預かり保育をすぐに実施できる。小学校の敷地にある園ならすぐに給食実施も可能だ。地域に根差した子育て施設を大切に丁寧に使用し、工夫することが厳しい財政の本市には必要だ。

※ 耐震補強工事が必要な指標・Is値、一般施設はIs値0.6以上、教育施設は同0.7以上(牧の台幼0.79.ふたば幼0.90、川西北幼0.73)

3月予算参考書を見て驚いた
 「財政が厳しい」とは思えないムダがある。

 川西保育所と川西幼稚園の一体化は理解できる。しかし、川西保育所(60人)仮移転のための仮園舎が1億3000万円(限度額)。最近建設された民間園(117人)建設費は2億5000万円。
地域間格差も考えて

 また、現在川西中学校区には、4つの公立保育所と民間保育園が4か所ある。川西北小学校北側に民間保育園(120人)があるのに、北小南側に市の認定こども園(180人)を建設する市の計画。その上、90人定員の施設誘致を行うという。市内には、保育所のない小学校区、民間園しかない中学校区がある。時代のニーズに応じた世代交代するための子育て施設は、地域間格差を拡大するのではなく是正すべきです。

 待機児童ゼロ、真剣に子育て施策の拡充を人口減少・高齢化への歯止めは、若い人に住んでもらうこと。安心の子育てを応援すること。市の責任で待機児童ゼロを実現せよ!と訴え続けている。

 既存の施設を有効活用し、公立保育所の定員を増やすべき、公立幼稚園の活用はもっと大胆にできるはず。文部科学省も空き教室を使った柔軟な対応をするようにと言っている。

 新年度、留守家庭児童育成クラブ(学童)の待機児童は99人(予定)。新1年生の待機児童も。真剣に子育て施策を前進させましょう。
市民の実態に目をむけて、市民の声や願いを聴いて、安心して住める街にしましょう。

4月25日(水)10時~12時 東谷公民館・講座室

川西病院 3月市議会で何が決まったか
これからの北部の地域医療どう守る

 指定管理移行期間スタート 懇談と意見交換を…(黒田みちも報告します)
主催・川西の医療と介護をよくする会

【2面】

「指定管理者は不適」の答申はどこに消えた?
市立川西病院をめぐる経過と施策の在り方の不思議

 川西病院の経過をまとめてみると、市政のあり方がよくわかります。
★2009(H21)年度
 初の市立川西病院改革プラン策定
★2011(H23)年度
 同上 改定

あり方委「指定管理者制度」は不安定★2012(H24)年度
 あり方検討委員会が2年かけて検討
  H25年・市広報6月号で病院特集記事
 2014(H26)年3月に報告 ※1

<報告から※>

* 指定管理者制度では、安定的な医療提供が行われるという保障がなく指定管理者の変更などの課題が全国の例でも散見されるので慎重に検討すべき
「3町に負担求める」

* 3町(猪名川、豊能、能勢)の住民が病院利用をしているので、一部事務組合や、3町に相応の負担を求めてはどうかという意見で一致
現地建替えの日程も

<報告から※>

※1 北部で新築と現地建替え
     2つのスケジュール
・2015(H27)年度=基本計画策定
・2016=基本設計、実施設計
・2017=新築移転の場合
~建築工事~2019(H31)開院
・2017=現在地で建替えの場合
   ~解体・建築~2020(H32)開院

北部建替えなど4点確認

★2015(H27)年5月 市の考え方を示す
以下4点*

*①市北部での整備を基本に ②建替を基本に ③一般急性期病院を基軸に ④現在の許可病床数(250床)を維持

4億円拒否で転落

★2015(H27)年10月3日付 神戸新聞記事

「略…市立川西病院は、健全化団体への転落を避けるため、市に4億円の長期借り入れを打診したが実施されず…資金不足比率が16%から25.8%に拡大した。」
 H26年度決算で経営健全化団体へ転落
(市が4億円貸せば転落しなかった)

急きょ汚染対策12億円

★2015(H27)年9月議会 中央北地区(キセラ)土地区画整理事業特別会計補正予算

「当初4億円の汚染土壌対策が12億7000万円必要になり、5億1140万円の補正」
残額は新年度予算に組み込む(この補正は、議案内容、議案提出の在り方も前代未聞の異常さで進められました)

キセラ・返済額 21億5820万円(H30年度)
住宅街区整備事業返済額8億8800万円
区画整理事業返済額 12億7020万円
(共に30年ローン、単年度返済額がこれら)

協和会がキセラ土地購入

2015(H27)年10月 キセラ医療ゾーンを「協和会」が17億円で購入決定、自前で新病院建設表明

病院はだめ、キセラは0K!

2015(H27)年の怪

 市立川西病院への4億円の貸し付けはできないけれど、キセラになら突然の5.1億円の補正予算、合計12.7億円出すことができる市財政。

続々と計画変更、むだな投資

 公共施設の再配置で、消防署の向いに認定こども園を建設するという杜撰な計画を提出し、何度も変更。幼稚園、保育所の耐震補強工事計画を反故にし、補強工事不要な幼稚園を壊す一方で、無理やり幼稚園・保育所の統廃合計画に沿ってこども園新設へ突き進む。(別項参照)

ムダ、中学給食でも…

 2016(H28)年3月、「中学校給食検討会議」で「小学校と同じ自校方式を基本に実施」と決め、2017(H29)年度に明峰中学校をモデル校に選び、240万円の調査委託料を予算化。

 2018(H30)年度2学期に給食スタートの予定でした。

 ところが市は急きょ、市の一番南部・久代のため池を埋め立てた場所で4500食の大規摸給食センターを計画。 委託料550万円で調査したもののうまくいかず、現在、建設・管理・運営を民間に委ねるPFI事業の検討(調査委託料500万円)に入っています。

使える施設、もったいない

 使える施設を壊して大型施設をつくり企業集団に丸投げ。市民の願いの施策は計画しても変更ばかり。その結果、一般会計569億円のうち委託料は93億円(うちPFI事業だけで30億円))にも。借金は増え(市民一人当たり47万円)、基金は減少(同12600円)しています。

 今回の川西病院の閉鎖、新病院の建設と指定管理制度でも250億円~300億円近い借金を抱え込みます。

うまくいく保証なし

 川西病院の指定管理者制度でうまくいく保証は全くなく、課題は山積。医師・看護師確保や診療科・病棟維持が困難な先行事例が横行しています。「ありかた検討委員会」が指摘した「安定的な医療提供の保証はない」どころか、指定管理者の経営を支えるための財政支援を増やしている自治体もあるのです。

病院残し「生き生き街づくり」を

 北部の二次救急病院がなくなれば、若い世代が増えず、世代継承ができず、税収も激減します。

 そうではなく、住民の声や願いを真摯に受け止め、老いも若きも生き生き、財政的にも潤う街へ。新名神・川西インター開通で新たに京都・神戸も視野に入れたまちづくりを発展させましょう。「北部に病院残せ!」しっかりと声をあげ是正させていきましょう。

「住民が理解できるように説明してほしい」
兵庫県庁・医務課と懇談

 3月20日、市立川西病院のこれからについて、心配されている市民の方々(9人)が、「川西市が、市民に情報を提供し、説明責任を果たしてくれるよう、市民を後回しにしたまま、拙速に決めないでほしい」と、地域医療構想を策定している兵庫県に懇談に行きました。(日本共産党県議団3人、川西市議団3人同席)

 県医務課担当の味木・山本両氏が、対応してくれました。

 出席者から、「総務省・新ガイドラインにも住民の理解を得るように、と記載があること」「市の進め方が早すぎて不安」「高齢者はもちろん、出産できる病院が北部には絶対必要」「市内ベッドが減ることで医療難民がでる」「280人の職員解雇は酷い」など、この間の市の在り方・課題・問題点が伝えられ、県からぜひ、指導してほしいと訴えられました。

 味木・山本両氏の発言でわかったことは、①5月1日の後、新聞報道された記事と同じ資料で報告があった。その時に「急病センター」の名前はふさわしくないと伝えた ②医療構想は圏域毎に自治体間で調整会議をもって決めている ③県に指導する権限はない ④市民が懇談に来たことは伝える…という内容でした。

 県議団から、「市民の意見を聴くように」「市民が考える期間をおくように検討してほしい」「今日わざわざ県に来られたのは、やむにやまれずという思いだと伝えてほしい」と後押しがありました。

 限られた時間でしたが、担当として丁寧に対応して頂き、交付金や病院建設については担当外であることを教えてもらい、次につなげて行くきっかけになりました。

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黒田みちのたんぽぽだより(No.185 病院特集第10弾)

川西病院「構想」ずたずた
このまま3月議会で決めるべきではない!

たんぽぽだより No.185 2018年3月

日本共産党川西市会議員 黒田みち


 黒田みちのたんぽぽだより(No.185 病院特集第10弾)はこちら(PDF)

【1面】

川西病院「構想」ずたずた
このまま3月議会で決めるべきではない!

請願・要請あいつぐ

 昨年5月1日の発表から10カ月。市の構想案は、あちらこちらで矛盾が露呈。市民から「今3月議会で決めず、慎重に審議を」の趣旨の請願、要請が相次いでいます。正当な要請であり、将来に禍根を残さないためにも、拙速に判断・結論を出すべきではありません。

早くも「補助なし」破たん

 今回の構想の最大のうたい文句は、「市立川西病院の経営を支えるために毎年10億円もの補助金を入れるのは市本体がもたない」でした。10億円のうち国からの交付金2.5億円を除く7.5億円を市が支援してきましたが、指定管理者制度にすれば、国からの交付金を指定管理料として渡すだけで、「市の独自支援はゼロになる」というものでした。

 新病院は400ベッドなので交付金は3億円と推計しています。(現病院は250べッド)

3.8億円あらたに出費

しかし…
 市の中期財政計画(11月24日発表)によると、「病院改革」によって7.5億円浮くはずなのに効果額見込みは3.7億円だけ。残る3.8億円は、病院の指定管理者導入にかかわる費用(病院職員の人件費削減の補てんなど)に使う予定が組み込まれているのです。

 「新病院への市負担は、国の交付金3億円だけ」の説明はごまかしでした。
整備費大幅に増額?!

 新病院の建設費などの整備費は、当初176億円+金利51億円、全額市の借金で賄うというものでした。これだけでも市のリスクは大きいのに、今後大幅な増額が見込まれます。

増額には無頓着?!

 2月3日に北部医療の変更案が急きょ市民に説明されました(別項に詳細)。救急体制の後退など市民の医療の願いと程遠いものですが、コスト計算もないままいろんな施策が盛り込まれています。協和会に決めるためならいくらでも出す、と言わんばかりの施策です。

本院建設費は?

 176億円の計画の内、キセラ本院は総156.4億円の予定ですが、汚染土壌対策・浸水対策費でどこまで増額されるか? また、建築費80億円は「過少見積もり。修正が必要」と市は認めています。(国の交付金単価36万円/㎡で計算すると120億円に)建設予定地は、現病院敷地の3分の2の広さしかなく、駐車場確保などを考慮すると、当初の金利含む227億円の整備費は、300億円近く・青天井に膨らみかねない危険性があります。

借金は全て市民負担

 借金の返済はすべて市の財政から、つまり市民の負担です。(現在、中央北地区関連で138億円の借金があり、返済(利子68億円含)は毎年約9億円にのぼっています)

指定管理料増額?!

 協和会(協立病院)が提出した指定管理後の収支・資料によると、市からの指定管理料が2.5億円のはずなのに3億円に。市と協和会の契約は履行されるのか。市の負担は減らず、北部から病院がなくなり、職員解雇という最悪の結果だけ残ることにならないでしょうか。

協和会(協立病院)は儲かる?!

 新病院は2年目から黒字化、4年目以降2.7億円前後の安定利益を出す計画。人件費削減という経営努力、市が病院を厚遇、患者負担増という結果にならないことを切に願います。

個人データ保護は?流出の危険は?

 また、現病院の13診療科3専門センターの継続が保障されるのか。
 1983(S58)年以来の膨大な受診データなど個人情報が流出しないか。懸念は尽きません。

 議会や市民への情報提供と説明責任を果たしているとは言えない状況で、「指定管理者だけ決めてしまえ」と言った、突進ぶりに異常さ、怖さを感じるのは私だけでしょうか。

 病院職員を全員解雇、病院を壊してしまったら取り返しがつきません。しっかり議論できる場を持って、住民の理解.合意を目指すべきではないでしょうか。

黒豆の声・・・

議員が厚生年金に加入できるように
自民党・公明党が法案を出すとか
確かに「国民年金」支給なら最高でも
月6万5千円程度(40年掛けても)

でも、政治家がやらなければならないことは
生活できない「国民年金」の支給額を
引き上げることが先決でしょ!
憲法に保障されている基本的人権を
保障するための最低保障年金制度創設!

自民党・公明党が法案を出すとか
「国民年金」だけだと
議員の成り手がない・・・とか
生活ができない・・・とか
厚生年金の掛け金は半分企業負担
国民の税金で負担するってこと

自民党・公明党は生活保護費を削減
年金・医療・介護の国民負担を増やします
いやいや…今やるべきことは
360億円もの国民の税金を山分けする
「政党助成金」制度を廃止すること
政治家に甘い政策優先ではなく
国民に優しい政治こそ先でしょう

私だって将来不安がいっぱい・・・でも
国民の生活実態から学んだ政策こそ必要!
憲法通りの政治を行うことこそ急務の課題

【2面】

住民無視のとっても悲しい説明会(2/3)
暖房もなく空虚に響く「北部の医療ニーズに対応する」

 突然、2月3日東谷小学校体育館で開催された「北部医療対策について」の住民説明会。極寒の中、ホカホカカイロが配布されたものの何の暖房設備もなく、参加者はぶるぶる。マイクが悪く、何度も「聞こえない」の声。

 長い市側の答弁。手がたくさん上がっているのに、2時間きっちりで打ち切られ、「開いた」というアリバイ作りの説明会でした。

市民に知らせたくない?!

 説明会の案内もおざなり。市ホームページには1月23日から、市広報誌には2月号に掲載しただけ。住民のことは眼中にないのでしょうか。

直後に「土地購入」議案

 アリバイ説明会を終えた直後の2月9日の議会運営委員会で①協和会(協立病院)に指定管理者決定を行う②協和会(同建替えのため)が購入予定だった土地(17億円)を市が購入する.・・議案説明が行われました

 議案は、建設公企常任委員会(3月5日)で審議され、3月26日の最終本会議で採決されます。

 これほど住民を後回しにしてでも、協和会に決めたい川西市。当初計画はどんどん変更され、計画の具体化が全く見えないのになぜ急ぐのでしょうか。

 「市北部に2次救急の空白地をつくっていいのか」「巨額の借金を抱えていいか」「本当に効果的な施策なのか」など問題・課題は山積。

 3月議会で無理やり決めずに、情報提供・説明責任を果たし、真剣に検討、住民合意を目指すべきです。

「3月議会見送りを」請願

 市民の方々から、「構想(案)白紙撤回を求める要望書」のほか、「3月議会で急いで決めないで」という請願や要請書が議会に提出されています。

《24時間対応後退》北部の体制の変更

 「北部医療の在り方について」の内容は、「たんぽぽだより・緊急号外」でお知らせしましたが、①山下駅前・24時間北部急病センターは、現川西病院・正面駐車場で診療所に変更、医師3人・24時間対応から24時間対応は内科1室のみに(医師配置のべ1日72時間分が39時間分に激減)②診療所にMRI・CTなどの高額画像診断機器は整備せず、キセラ川西センターまでシャトルバス(1時間1本)運行(市単独予算)、市内総合病院に高額画像診断機器設置助成金の創設(同)③建設後35年目を迎える病院は解体、「医療・福祉ゾーン」とし民間法人公募(土地代無償に)…
など、市は突き進むためなら税金投入を惜しみません。

市の救急ベッド203床減少

 それどころか、北部住民が一番不安に思っている救急車で搬送、手術・入院できる病院がなくなることへの手立ては全くありません。その上、市民には、この計画によって市内の急性期ベッドが現在より203床も減ることや兵庫県の「地域医療構想」と共に具体化される「保健医療計画」がまだ出来上がっていないことも伝えてはくれません。

 今回の説明会でも賛成の意見はなし。市民に対する市の姿勢が明らかに。あまりの悲しさと寒さに頭が痛くなりました。

指定管理後10年目の見直し
山梨県上野原市立痛院 視察
今も産科なし、入院稼働率55.3%(2011年度)

 市立病院整備調査特別委員会は2月5日、山梨県上野原市立病院の指定管理者制度についての行政視察を行い、私(黒田)も勉強させていただきました。

 全国を襲った国の診療報酬改定や医師研修医制度導入による医師不足で、上野原市立病院は、医師が2名(委員長含む)まで激減。厳しい事態に陥りました。そこで、2005(H17)年5月から市民のより良い医療環境の創造を図る観点から「同病院建設検討審議会」を7回開催。答申を受けて、病院対策課を設置し、対策本部会議を7回、議会特別委員会を5回開催。市民アンケートを実施し、市民が参加する委員会で建設場所・病院規模・診療内容、指定管理者制度のあるべき姿などの意見を聴収。

 2007(H19)年11月、社団法人地域医療振興協会※を指定管理者に全会一致で決定しました。(※自治医科大学卒業医師が母体となって設立した公益法人。当時直営医療施設6か所。管理受託27か所)

 2008(H20)年10月から指定管理を開始し、2010(H22)年度に新病院(135床)が稼働しました。

 2016(H28)年度決算では、入院稼働率が55.3%で、当期未処分損益は3億2582万円のマイナスと厳しく、医療機器購入費用の2分の1負担は、市に2年間支払えず(H26年度4110万円)。産科開設ができていません。 指定管理料は1億5000万円/年。指定管理10年日をむかえ、継続の方向で検討中とのことでした。

 公立病院を取り巻く厳しい状況のもと、指定管理者制度導入をはじめられた上野原市。市職員の解雇を含め10年目をむかえても厳しい状況が続いています。いったん公営をやめてしまうと、元に戻すことはとても難しくなります。

 新年度からの更なる国の診療報酬改定や医師研修医制度の専門・細分化など病院経営は予断を許しません。社会保障制度としての医療制度の確立、受診抑制にならないよう医療保険料・税の引き下げなど抜本的な国民のための改革が急務です。

 市民の命やくらしを守ることが責務の市役所において、市民目線で県や国に対して意見を述べ、市民の声や願いが叶うように取り組んでいくことが大切だと痛感して帰ってきました。

◆説明会(2月3日)で出された主な意見◆

☆北部の医療ニーズに応えてと言うが2次救急を残せという声はなかったのか!

☆この案に納得できない。川西病院を残してほしいという12900の署名の重さをどう考えているのか!☆救急体制がなくなることが心配。救急搬送のシミュレーションなどやっているのか!

☆納得できない。周産期や小児科がこの地域からなくなるのは困る!

☆北部医療ニーズを守るというけれど、川西病院は市民の財産。市民が納得できるものにするべき!

☆公立やから残してほしい。北部に残してほしい!

☆川西病院と民間病院の違いは何か?市長に答えてもらいたい!(聴きたいことへの答弁はなし…)

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黒田みちのたんぽぽだより(号外)たった1度きりの説明会(2月3日)東谷小にて

緊急! 住民あとまわし「なぜ急ぐ?!」

北部医療の在り方について 2月3日(土)13:30~15:30 市立東谷小学校体育館

日本共産党川西市議会議員 黒田みち

 黒田みちのたんぽぽだより(2018年1月号外)のダウンロードはこちら(PDF)

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黒田みちのたんぽぽだより(No.184 病院特集第9弾)

やっばり 医療法人協和会(協立病院)に内定

3月議会で適否を審査 住民後回し 粛々と決めていく危うさ

2018年1月 川西市議会議員 黒田みち

 黒田みちのたんぽぽだより(No.184 病院特集第9弾)はこちら(PDF)

【1面】

やっばり 医療法人協和会(協立病院)に内定

3月議会で適否を審査 住民後回し 粛々と決めていく危うさ

 昨年12月21日、市立病院整備調査特別委員会が開かれ、市立川西病院の讐理・運営を担う指定管理者の公募の結果について、市から応募は1法人だけで、選定委員会(6人)は応募のあった「医療法人協和会」を審査、候補に同法人を選定し、市は答申通り決定したと報告されました。公募と審査は形だけの、だれもが予想した結論です。(会議に提出された資料や会議録は、市のホームページで開示されます)

 市の説明によると、応募した協和会に対して選定委員会が7分類、20項目にわたって審査。

 満点1100点、最低基準660点に対して875.9点を獲得し決定したといいます。

北部の計画は無関係?!

 指定管理者候補の選定で、川西病院閉鎖対策として山下駅前に開設するとしていた「北部急病センター」はどうなるのか。

 市は、北部医療の詳細は名称、機能を含め当初案を見直し、1月26日(金〉粗時から開催される病院の特別委員会で説明するとしています。

 だとすれば、市の事業計画の変更とは無関係に指定管理者だけを決めたことになります。

 変更案を協和会に示し、協和会の対応計画を出させて決定するのが筋ではないでしょうか。

 あるいは、今後とも協和会との協議で当初の市構想(案)や指定管理料など内容がどんどん変わっていくのでしょうか。

協和会になっても赤字

 協和会は、2019・平成31年度~33年度の3年間は、現川西病院のまま指定管理者となり、2022年に新病院に移行する計画です。2019年から3年間は、指定管理後2年目から入院稼働率を90%以上と見込んでも3.2~4.2億円の赤計画です。(委員会資料より)

…裏面2~3面につづく…

【2・3面】

現市立川西病院(東畦野)2次救急入院・手術あり

250ベッド(13診療科・3専門センター)・駐車台数179台
入院1日平均191  人外来1日平均456人
救急搬送(年)928人(2017(H28)年度)
敷地面積14936㎡
指定管理者制度 名前は市立 中身は協立

キセラ川西センター

400ベッド(26診療科・8専門センター)・駐車台数???
敷地面積10534㎡

目玉 急病センター(山下駅前)
1次救急 入院・手術なし
24時間対応 (救急車は行かない病院)

白紙撤回署名続けています

280名職員(医師・看護師・医療技師)
全員解雇…協和会職員へ

…表紙面よりつづく…

 市は、現市立病院への7.5億円の支援が耐えられないとしていますが、救急医療など赤字部門を含む総合病院で、よい医療をやれば採算の悪化は避けられません。自治体病院の責務として、それを支援しているのです。

人件費削減が目玉

 現川西病院より赤字が減る主因は、人件費が33億円から27億円に6億円も減額するため。人数や賃金を減らして、医師・看護師確保、働く人の意欲や患者へのサービス低下にどう影響するのか、心配されます。
協和会年2.7億円の儲け?

 協和会の計画では.2022年・平成34年度に新病院を建設して以降、黒字化し4年目から2.7億円前後の利益がでます。

 市が、200数十億円を全額借金して土地、建物、医療機器、0Aシステム、般計・管理など一式を整備し協和会に提供。指定管理料として毎年3億円払い続けるので、協和会にとっては破格の好条件。

 その上、社会医療法人化すれば、非課税になるおまけ付きです。
急性期ベッド減少 協和会に有利?!

 市は、現川西病院の250床がなくなるが、新病院では400床に増えると強調していますが偽りです。現協立病院313床の閉鎖で、合計163床減少します。

 そのうえ、第2協立病院を回復期と漫性期病床へ移行させ、急性期ベッドは40減。市内全体で203床の急性期ベッドが減ることになります。

 その分、新病院への来院が期待されるためか、入院稼働率を90%以上と高く見込み、入院単価は現45938円→新57000円、外来単価現10027円→新13500円へ、と強気の計画です。
救急病院は足りない!!

 H28年、救急搬送は全部で7048人(H29年7777人)ですが、うち市外搬送は1936人(27.5%)に上っています。7043人の内訳は、死亡76人、重症223人、中等症2993人、軽症3756人。一刻を争う一般急性期ベッドは減らすべきではありません。

 国や県の計画だからと住民の実態を無視したベッド削減、病院の統廃合は行うべきではありません。住民の命の砦こそ堅持すべきです。

北部から救急病院なくすな

 市北部から救急車で運ばれ、入院.手術ができる2次救急総合病院がなくなることは、大問題です。あくまでも「北部急病センター」は入院・手術ができない1次救急病院です。市立川西病院の代わりにはなりません。
市職員を解雇するな!!

 市は、市民のために働く280人の職員(医師・看護師.医療技術者)全員解雇の方針です。退職金への上乗せや給与差額保障など市の一般会計からいくら注ぎ込むのでしょう?また、キセラ医療ゾーンは、土壌汚染.浸水被害対策にいくらかかるかもわかりません。借金はどんどん膨らむのではないですか?
北部で病院を維持すべき

 2015(H27)年5月に市は「市立川西病院の整備に向けた考え方」を発表し、①北部での整備を基本とする②建て替えによる整備③一般急性期病院④現在の許可病床数(250ベッド)を基本とする計画を決め、2016(H26)年度から「市立川西病院経営健全化計画」と合わせて動いてきました。

 この原点に戻りましょう。

 1市3町の協力を求め、「白紙撤回を求める13000筆の署名」の重みを市は受け止めるべきです。

 新名神川西インター開通、自然大災害に備え、北部に病院が必要です。

たんぽぽサポーター募集中~「たんぽぽだより」をご近所や周りの方に配布して頂けませんか?ご協力して下さる方 090-9987-7909黒田まで☆

【4面】

安心して子育てできる川西のまちづくりを

 住宅団地として成長・発展してきた我が町・川西。20年経てば、誰もが2¡歳年齢を重ねていくのは当然です。しっかりと世代継承・世代交代をしていかなければなりません。

 その大きな要になるのが、子育て支援。

 川西市は、今年度保育所待機児童ゼロをめざしていましたが、4月39人でした。1月現在221人(昨年同時期の2倍)に膨れ上がっています。厚労省データでは、就学前のこどもの約4割が保育所入所となっています。

 しかし、7218人(H29年3月末)のこどもが居る川西市での保育所(認定こども園含)定員は、1944人分(27%)しかありません。

 元々の「子ども・子育て計画」の推計人数をとても小さく見積もっていたためです。

 この間、議会でのやり取りの結果、やっとこどもの実数で計画の見直しを行いましたが、まだまだ受入れ定員が気め足りません(4割→2887人分)

 そのうえ、施設配置の地域間格差が激しく、北陵小学校では、市外の施設から34%のこどもが入学※しているように、市北部では、子育て施設が足りません。(※東谷小18.9%、牧の台小23.9%、川西小3.3%、川西北小2.6%)

 市のアンケート結果では、「自宅近くの幼稚園や保育所に通わせたい」が保護者の一番の願いです。近所の方が子育てを応援してあげたいと思っても今の子育て施設の配置や統廃合推進では逆行していくことになります。

 地域で顔の見える子育てを応援できる街になっていくためにも、新しい認定こども園を建設したから畦野駅前の緑保育所を廃園するというような計画ではなく、待機児童解消・子育て応援のための手立てこそ実施すべきです。

 近隣に比べて合計特殊出生率の低い川西市。世代交代できる若者・子育て環境をつくることが大切。市民の財産である保育所や幼稚園は、耐震補強を行い、地域資源として安心の子育てを応援できる仕組みを。北部の2次救急病院存
続など人口減少に歯止めをかけるべきです。

待機児童1月現在
0歳児 145人
1歳児 46人
2歳児 23人
3歳児 6人
4歳児 1人
5歳児 0人
  計 22l人

今年もよろしくお願いします

 新しい年を迎えて、いかがお過ごしでしょうか。私は、皆さまのおかげで元気に活動させていただいています。議会に送り出していただいてから15年が過ぎ、毎月のたんぽぽだよりも184号を迎えました。

 できるだけ情報をお伝えしたいとブログやフェイスブック(毎日)なども行っているところです。

 川西市の将来・まちづくりの根幹に関わる「子ども・子育て計画」「市立川西病院の今後」「市の財政」などの記事は、「知らなかった」「これを読んで関心を持つきっかけになった」など感想を頂戴し、嬉しさと感謝の気持ちで一杯です。

 これからも、皆さまの期待に応えていけるよう全力で取り組んでまいりますのでよろしくお願い致します。

 今年も皆さまがお元気で活躍なさいますように心から願っています。

黒田みち