2015年12月定例議会 住田由之輔 財政プラン・中学校給食/キセラ川西/加茂保育所

一般質問    一括質問一括答弁方式

2015年12月8日

日本共産党議員団 住田由之輔

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1.中学校給食実施と財政プランについて

1)財政状況が好転したかについて

 昨年発表された「平成27年度からの中期財政収支計画」と今回発表のあった「平成28年度からの中期財政運営プラン」との違い、特徴で、財政の好転、支出における新規事業枠が拡大したように見えます。
 昨年示された財政の均衡は平成36年度、今回示されているのが30年度となっており、6年も前倒しで収支均衡がはかれるということで、しかも一時的なものではないと発言されており、昨年までの発言とも大きく変わってきており、

(1) 実際はどうかうかがいます。

(2) 中でも税収入における地方消費税交付金の増収が挙げられています。予測とどのように違ってきたのでしょう。さらに平成29年4月からの消費税10%引き上げによって税収がどのように変化するのでしょう。

(3) もう一つは中央北地区がらみの土地売却における収入予測、キセラ川西関係で約23億5000万円、その他で13億5000万円、合計37億円が挙げられています。説明では中央北地区周辺での未利用地売却としてはこれだけということです。当然のことながら一般財源として基金への積み立て、市民サービス向上での支出などに使われるべき収入財源と考えますが、

・市としてどのような活用を考えておられるのか、

・私は考えの基本として、市民全体へ還元されるべく「収入財源」と思っていますが、行政としてどのような考えに立っておられるのか

(4) 「中期財政運営プラン」を見る限り一定支出枠の拡大が可能と見えますが、実際はどうでしょうか

2)施策の優先順位と将来負担比率について

 厳しい財政状況の中で複合施設建設など新規事業も盛り込まれています。
「財政運営プラン」に、今後の予算の中に、当然、「やります」ということになるはずの、保護者などやってほしいという願いが大きい「中学校給食の実施」が含まれていいと思いますが、5年間の見通しの中に入っていません
財政を精査する中で、しっかり計画として織り込むべく要求するものです。

 そこで

(1) まずは「財政運営プランにおける優先順位」について聞いておきます。
 そのなかに新規事業で支出が大きな4つの事業、複合施設、花屋敷団地建て替え、旧北部処理場改修、学校空調整備が掲載されています。それら順位のつけ方、政策判断はどのような基準でおこなわれているのか。

(2) 平準化された事業費支出について

・それら事業の年間支出計画はどのようになっているのか「中期財政運営プラン」によれば、例えば平成26年度は投資的経費が4億4000万円、公債費51億1500万円(臨時財政対策債をのけて)、27年度予定では投資的経費がキセラ分を除いて4億7000万円、公債費が46億8500万円、
平成28年度以降の新規公債発行分は、平成28年度が9900万円から31年度には9億2300万円に変化するとなっています。

 全体として平成28年度以降、一般財源ベースで投資的経費は1億5000万円、総合計画実現のために5億円の枠で行うとされています。大型新規事業はこの枠外でもやっていく、しかし市債発行は15億円に抑えたいとの説明でもあります。それらの「枠の中での推移」としてみていいのかどうか。

(3) 新規事業の財政支出はどうなるかお聞きします。

・今後どの年度でどのような数字になっていくのか。公債費の部分でのこの4事業がどのように反映されているのか。

  • 複合施設では総額98億円のうち施設建設費が57億円、
  • 花屋敷団地建て替え施設整備費用が38億円、
  • 北部処理場改修では施設整備費用が10億円、  
  • 学校空調整備で施設整備費用は13億円、

それら指標・推移する数字を勘案すれば、
一定まだ余裕がある事を裏付ける数字と判断しますがどうでしょう。

3)中学校給食の実施について

(1) 仮に中学校給食実施するとすれば、平成26年、2月の資料ですが、自校調理方式を採用するとして、建築工事費で16億9200万円、設備費で2億8500万円、合計約20億円と推計されています。国からの補助金は新増設に対しては2分の1とお聞きしており、建築工事費にそれを当てはめれば、実質市債発行は11億円程度になると試算できます。20年間償還払いで対応するならば、年間6500万円支払いとなりますが、そのような数字でいいのかどうか。

(2) 先ほど述べました、総合計画実現のための5億円の経費、維持補修費の2億5000万円の補修費、15億円の「市債発行枠」の中で、今後十分対応できる範囲と考えるが、なぜこの5年間の計画に入れていないのか、

(3) やるといっている事業で、市民・保護者が望まれているわけですから計画に入れるべきではないか。

(4) 「新規事業の枠の限度」を含めてお答えください。

2.キセラ川西土地区画整理事業の財政推移と工事費変更に伴う検証について

1)事業費の捻出について

(1) 一般財源とのすみわけについて

・事業費が膨らみ、市債発行で補てんするとなっています
一般財源に食い込んでの「事業費捻出」となって行きやしないか、どうか。

・財政プランで一部市有地が、一般財源化されているが、
22.3ヘクタールのなかに所有する空き地対策が事業費になるのか、一般財源化とのすみわけはどうするのか

(2) 市有地、公有地、保留地処分における基本的考えについて

・換地における考え方

 換地の基準

・保留地処分における「売却値」の基準について

・競争入札にならない「公有地売却」について

 区画整理事業後、m2あたり12300円は平均値との説明であり、路線によって変えられるべきものをなぜ、たとえば「医療施設用地」の最低価格として、1m214万1000円というのは納得しにくい金額に思えるが、使い勝手のいい土地でもあり、最低価格単価の根拠について

2)初期契約金に倍する契約変更について

 今年度、キセラ川西土地区画整理事業において、最初の契約金が、2倍3倍にふえた「整地・土壌汚染」対策事業がありました。工事に変更はつきものだとして、その結果になにもしないのでは、今後の契約に支障が生じるとの思いで質問します。

(1) なぜ事業費が膨らんだのかです
・土壌汚染法との絡みが一つあり、この間説明も頂いています
それ以外に考えられるのは、

  • 事前調査が不十分であった
  • それをさせなかった幹部の責任が問われるが、なぜさせなかったのか
  • 人手不足で、工事設計に折り込む時間がなかった
  • 最終的に数字を合わせればそれで済むとの甘い考えがあった

など推測しますが実態はどうであったのか。
 

(2) 通常の契約として、初期契約の何パーセントまでは許され、それを許可するのはだれの決済まで必要とかの制約はないのか。

  • 今回の契約変更を見ればそれらの基準的なものが必要になると考えるがどうか。市の工事全体にかかわる問題だと思っています。
  • 200%300%は別の手立てを講ずる必要があるように考えるが。
    常識を超えるだけに一考が必要ではないか

(3) これだけの変更を「良」として、最終的にどこまでの決済で、変更契約に応じているのか。今後も同じように応じていくのか。

 通常は予算の範囲内で収まるように工事発注すべきだと思います。もちろん
不慮の事故、予測がつかない事柄もあるでしょう。しかし今回の案件は予測できる範ちゅうです。それを考えると当初契約の2倍を超える事業に膨らむというのは「異常」というしかない、それが3倍になったケースもあるわけで、しっかり検証し、今後へ対応させる事案であると考えるがどうでしょう。

3.加茂保育所を旧ふたば幼稚園へ移転することについて

 緑保育所、牧の台幼稚園の一体化と一緒に、加茂保育所、加茂幼稚園の一体化基本設計予算が「繰越明許費」として提案されています。

 条件整備が整っていない、と考えるが、繰越にせざるを得なくなった理由は何か、改めて幼保一元化について考える時間が与えられたと考え、加茂保育所、加茂幼稚園の一体化について私の提案をしたいとおもいます。

1)加茂保育所移転の緊急性について

(1) 加茂保育所は、耐震強度も測れないような危ない建物と言われてきました。それは本当なのでしょうか。

(2) であるならば、早期に移転が必要ですが、今回「一体化」計画策定が、一年先延ばしなったのだから、保育所だけでも移転するか、補強工事をする必要性があるのではないか。なぜ緊急対応の計画がないのか。

(3) よく二重投資になるとか理由が挙がってくるが、幼児の命に係わる、「危険度、緊急性」が叫ばれているのに、そのことはいかほどなのか。

2)なぜ旧ふたば幼稚園は遊んでいるのか

(1) 現在旧ふたば幼稚園は遊んでいます。時々地域自治界での会合には使われていますが、しかしそのことで使っているとは言い難い頻度です。遊ばしているのは財産の無駄遣いであると考えるが、そのような認識には立たないのか。

(2) 「地域から子供の遊び場に活用させてほしいとの願いも拒否」。こんなことで、子育てを重視した川西市と言えるのでしょうか。
 行政として公に言ってることと、実際やっているこのことにかい離があると考えるが、そのような認識はないのか。

3)旧ふたば幼稚園の活用について

 子どもたちの命を大切にしようという気持ちがあるはずで、緊急的にも、
100mも離れていないところに、少し改善すれば十分使える旧ふたば幼稚園が遊んでいる、保育所として活用すべきではないかとおもいます。

(1) そこで耐震強度はどうか

旧ふたば幼稚園(建設は、昭和50年で、is数値は0.90である、総床面積620㎡)
現加茂保育所(建設は、is値は測定していない)
加茂幼稚園(昭和45年建築、is0.69、平成28年度に耐震化予定。)はどうでしょう。

(2) 旧ふたば幼稚園を若干改修すれば保育所としての活用は可能と考えるが、専門的な見地として、一般論としてどうか。

(3) 同じ地域での移転は、何よりも地域の「子育て拠点」を継続することができるという大きなメリットがあるがそのような考え方は持たないのか

4)加茂保育所を改修して継続使用が本当にできないのかについて

(1) 阪神淡路大震災を経験している建物です。少なくともあの揺れには対応できた建物です。建物の耐震強度も判断の材料であり、建物の地盤の構造、強度も大切な判断材料にもなる。それらを考慮されているのか。現在のところで改修できない科学的根拠を示していただきたい。

(2) 改修に一か月間程度で久代幼稚園など耐震化改修工事が行われており、その程度でできるものならば、その期間だけ旧ふたば幼稚園でお世話になるという方策もありますが、考慮のうちにはないのか、やりたくないのか。

5)旧ふたば幼稚園を改修して加茂保育所にすることについて

 新しいものができれば、現在よりいい建物のはずです。悪いものを作るなんて許せませんから。だけど今ある施設が使えるならば、遊んでいる施設も近くにあるならば、わざわざ駅から遠くなる所へ移転しなくてもいいのではないか。駐車場問題では、近くにモータープールもあり、一部借り受けることで解消もできるはずです。

6)加茂幼稚園の歴史、地域の支援を大切にすることについて

 一体化の相手、加茂幼稚園は三歳児保育を始めることにより、児童が集まってこられています。この場で運営していくことに何が問題でありますでしょう。

(1) 加茂幼稚園の成り立ちでは、地域が立ち上げた歴史があり、市の幼稚園教育の歴史においても、 それをすすめた地域にとっても大切な財産です。
 このような歴史、絆を大切にするという精神を継承すべきと考えますが、一体化を考慮する中で、それらをどのように扱い、考えておられるのでしょうか。

(2) 加茂幼稚園は借地です。この点では、これまで大変お世話になってきた地権者や、地域にご協力いただいています。そのことを抜きにすんなり移転ができるのかという点を伺います。

「日本共産党川西市会議員団ニュース」第9号(2015.12.)を発行しました

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「日本共産党川西市会議員団ニュース」第9号はこちら(PDFファイル)

12月定例議会スタート 11月27日~12月22日

川西市市民運動場及び川西市市民体育館の整備に伴う使用料の設定

■議案

  • 川西市市民運動場及び川西市市民体育館の指定管理者の指定について
  • キセラ川西整備事業に伴う整地工事(第6-1工区)請負契約の変更について
  • 川西市事務分掌条例の一部を改正する条例の制定について
  • 川西市職員定数条例の一部を改正する条例の制定について
  • 川西市付属機関に関する条例の一部を改正する条例の制定について
  • 川西市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の制定について
  • 川西市社会体育施設条例の一部を改正する条例の制定について

■請願

  • 「所得税法第56条の廃止を求める意見書」についての請願について
    12月9日(水)総務生活常任委員会付託

■一般質問

12月4日(金)・7日(月)・8日(火)

【発言順位】敬称略

  1. 岡 留美(連合市民クラブ)
  2. 北上哲仁(自治市民クラブ)
  3. 坂口美佳(維新の党川西)
  4. 吉富幸夫(無所属)
  5. 大矢根秀明(公明党)
  6. 森本猛史(川西まほろば会)
  7. 多久和桂子(明日のかわにし)
  8. 黒田美智(日本共産党議員団)
  9. 津田加代子(連合市民クラブ)
  10. 宮坂満貴子(自治市民クラブ)
  11. 平岡 譲(公明党)
  12. 加藤仁哉(川西まほろば会)
  13. 米澤拓哉(明日のかわにし)
  14. 北野紀子(日本共産党議員団)
  15. 福西勝(自治市民クラブ)
  16. 大﨑淳正(公明党)
  17. 斯波康晴(明日のかわにし)
  18. 住田由之輔(日本共産党議員団)
  19. 小山敏明(明日のかわにし)

◆一般質問
【黒田美智議員】(一括答弁制)

1.市立幼稚園において3歳児保育などを実施することについて

(1)市立幼稚園で3歳児保育を実施することについて

(2)市立幼稚園で預かり保育を実施することについて

2.民間幼稚園・保育園などの「こどもの健康診断費用」を助成することについて

(1)各種健康診断の担当医への委託料への助成を行うことについて

(2)こども一人当たり費用への助成を行うことについて

3.幼稚園や保育所などにおける苦情・相談窓口の設置について

(1)「苦情・相談窓口」の設置について

(2)「相談できる窓口」があることを明確化、広報を強化することについて

4.公共施設の再配置とまちづくりについて

(1)小学校区ごとのに総合的なまちづくりを構築していくための「公共施設の再配置」を行うことについて

◆一般質問
【北野のり子議員】(一問一答制)

1.介護保険法「改定」と自治体の役割について

(1)介護報酬改定による影響について

(2)介護予防・日常生活支援総合事業について

2.若年性認知症対策の推進について

(1)若年性認知症の実態把握について

(2)若年性認知症の支援強化について

◆一般質問
【住田由之輔議員】(一括答弁制)

1.中学校給食実施と財政プランについて

(1)財政状況が好転したかについて

(2)施策の優先順位と将来負担比率について

(3)中学校給食の実施について

2.キセラ川西土地区画整理事業の財政推移と工事費変更に伴う検証について

(1)事業費の捻出について

(2)初期契約金に倍する契約変更について

3.加茂保育所を旧ふたば幼稚園へ移転することについて

(1)加茂保育所移転の緊急性について

(2)なぜ旧ふたば幼稚園は遊んでいるのか

(3)旧ふたば幼稚園の活用について

(4)加茂保育所を改修して継続使用が本当にできないのかについて

(5)旧ふたば幼稚園を改修して加茂保育所にすることについて

(6)加茂幼稚園の歴史、地域の支援を大切にすることについて

旧分庁舎解体・機能(ごみ収集等)旧北部処理センターへ移設

 11月26日、議員協議会が行われ「旧北部処理センターの改修に係る内容変更について」説明・報告がありました。旧北部処理センター施設改修については、当初計画では事務所棟の改修及煙突等施設の一部撤去ということでしたが、今回示された計画では、焼却炉・排ガス高度処理棟の撤去し周辺住民の安心を確保するとしています。整備費用については、3億500万円から10億1600万円と3倍以上に跳ね上がっています。

 今後のスケジュールは、平成28年度に実施設計、平成29年度焼却炉の撤去等の整備工事、平成30年度に供用開始・旧分庁舎解体という計画です。

 11月29日、北陵小学校で住民説明会が行われました。住民から収集車や職員の通勤車も含め交通量が増える等の安全性の問題や騒音など住環境へ与える影響など‥様々な意見が出されています。

 昨年2月に示された公共施設再配置計画では、分庁舎跡地に認定こども園建設するというものでした。しかし、住民からのパブリックコメント等を受け、認定子ども園は、建設中止になりました。

 それでも市は、分庁舎の老朽化を盾に解体すると言いますが、改修を行えば十分使えることができます。

 なぜわざわざ旧北部処理センターへ施設しなければならないのでしょうか。

 焼却炉・排ガス高度処理棟の撤去は、計画と関係なく行うべきですが、住民の理解・納得が得られない今回の計画を見直し、分庁舎はこのまま使うべきです。

議会日程

11月27日(金)開会

12月 4日(金)一般質問

   7日(月)一般質問

   8日(火)一般質問

   9日(水)総務生活常任委員会
       総務生活常任委員協議会「川西都市開発株式会社の経営について」

  10日(木)厚生常任委員会
       厚生常任委員協議会「猪名川上流広域ごみ処理施設組合議会(臨時会)議案等の報告について」

  11日(金)建設文教公企常任委員会

  15日(火)議員協議会「あんばいええまちかわにし創生人口ビジョン(案)及び総合戦略について」
       広報委員会「市議会だより第205号の発行について」

  22日(火) 最終日

「日本共産党川西市会議員団ニュース」第8号(2015.11.)を発行しました

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「日本共産党川西市会議員団ニュース」第8号はこちら(PDFファイル)

9月定例議会の報告をします。

文化会館等建て替えに98億円の複合施設建設運営費。市民団体から提出された安全保障関連法案の慎重審議を求める請願など、審議の経過と結果、討論内容を掲載します。

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議案第56号

*川西市低炭素型複合施設整備に伴うPFI事業に係る契約の締結について

財政がひっ迫している折、大型事業は控えるべき

議案内容

・現在の川西市文化会館・公民館の機能や、福祉・保健などに関連する機能を伴う施設建設。建設場所は総合体育館東、建設は民間企業の資金を活用するとしてPFI事業、総事業費は98億円。そのうち施設建設に57億円、20年間の維持管理に15億と施設運営に13億円。

財政がひっ迫している折、大型事業は控えるべき

党議員団の反対討論要旨

・私たち議員団はどんな時でも、人命尊重を最優先する立場をとるものです。

 本議案も人の命を大切にすることを最優先に考慮し現文化会館は耐震補強の必要性、避難経路の確保など、人命尊重の立場から改善の方向で対処すべきと考えます。

 福祉センターの新設の要望は以前からあり、必要性も認識。ただ入居予定の歯科センター、地域コミュニティセンター、県こどもセンターなど、単独建設でも有効に働く施設であり、公共施設の再配置計画を立て、小規模改修で使える施設をおおいに活用すべきと考えます。

 文化会館等は阪神淡路大震災を経験した建物。これらを総合すれば、緊急的要素は先延ばししてもいけるのではとの判断、複合施設全体で十分な検証を行い、市民合意を十分にとる時間が必要であると判断しました。

 二つ目は、財政が厳しい折、98億円という巨額な建設費等を投資してもいいのかという問題で今は控えるべきです。

 市税収入が年間200億円、98億円の建設費等は重くのしかかってきます。将来負担が増えることは確かなこと。都市整備公社用地を買い戻し、それを担保に借金をし、借金を基金に積み増しして財政運営をしなければならぬ状況にあります。大きな出費は控えなければならぬことは行政側の言い分のはず。

 約30億円必要と言われている中学校給食実施、6000万円あれば中学校卒業まで医療費の無料化が可能、市民の命を守る市立川西病院の改善はこれから、命の問題では幼稚園や保育所の耐震化も急ぐ必要があり、そちらが優先されるべきものではないか。

 PFI事業導入そのものにも疑問があります。

 「財政的に安くつく」「市の財政持ち出しが平準化され、一時的に出費が抑制される」「民間の技術を導入できる」から、結果市民にとっても利益になるというものです。

 確かに、一時的出費の抑制、後年度出費の平準化はされるでしょうが、それをもってして、大きなメリットというほどのものと考えられません。

 PFI事業はかっての「川西方式」に近いやり方。共通するのは、行政の財政規模に比べて巨額の出費を行い、後年度まで借金払いが続くということ。それを装い新たにしようというのが複合施設建設です。

 ものが新しくなるというのは誰にとっても「心地よいもの」。しかしそこに巨額の税金投入で、市民生活に影響が出てくるということを考慮しなければなりません。

請願6号、中央北地区における複合施設のPFI契約延期を求める請願は「みなし不採択」になりました。

議案第60号

*川西市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定について

個人情報は人権問題、マイナンバー制度実施に反対

議案内容

・行政手続きにおける特定の個人を識別するための法=マイナンバー法施行にあたり、個人の情報を保護するための条例の改定。

党議員団の反対討論要旨

・個人情報は保護されるべき人権問題であり、憲法に保障されたものである。そのための法・条例の制定は必要。

 しかし、条例ができても根本的な心配事、「個人情報の漏えいを阻止する」というものではない。情報の漏えいは「悪意を持って」行われるから。その「悪意」に対して条例が「有効に働く」とは考えられない。

 マイナンバー制度は、行政にとってのメリットはありますが、一個人にとって活用する場面は一年に一回もありません。メリットは甚だ小さい。

 政府は施行を待たずして、金融機関の預金口座や健康診断情報も利用できるようにするなど、今後国民の情報を一元的に管理するのが狙い。

 政府財務省は、消費税10%引き上げ時に、低所得者への減税・「軽減税率」を、マイナンバーを活用して行う提案をして物議をかもしましたが頓挫しました。

 国民に不評の制度を「お得な制度」として売り込みたい姑息な考えに発している。

 人が作ったシステムは人の手によって破られます。

 個人番号をつけなくとも今の制度を活用するだけで住民サービスはできます。そのための手立てを取るべきです。

議案第66号、平成27年度川西市中央北地区土地区画整理事業特別会計補正予算(第1回)

議案第67号キセラ川西整備事業に伴う整地工事(第6-1校区)請負契約の変更について

 議案内容・2議案とも関連しており、土壌汚染対策法の改定、それに伴う運用の変更によって、再度汚染土壌調査等を実施。

 自然由来汚染土など土壌改良が増えたことによる費用の増と、不良土搬出の増、工事継続の変更手続きなど。

党議員団の反対討論要旨

・土壌汚染対策法の改定、県の指導変更が当初からありながらこの時期に出したこと、しかも議会運営を無視したことに抗議。

 汚染土対策費が予測で12億円も増大、不良土入れ替えに6億円増加と、見積もり時の調査不足を指摘。県との調整のまずさも厳しく指摘し議案に反対しました。

請願7,8号
*7.「安全保障関連法案」の国会での慎重審議を求める
*8.安全保障関連法案の慎重審議を国に求める

多数で採択、意見書提出へ

請願の内容

・7号は「安全保障関連法案」に強い危惧とともに、国民への説明不足、日本の民主主義にかかわる問題などを指摘し、慎重審議を国に求める内容。

・8号は、合わせて、子どもの幸せを願うのは誰も同じ、子どもの未来が平和でありますように。安全保障関連法案が憲法の根幹にかかわる問題であり慎重審議を求める内容。

2つの請願とも委員会で採択され、意見書3号、4号として本会議場に提案、採択されました。

党議員団の賛成討論要旨

 私たちは憲法を根幹に立憲主義の国家で暮らしている。何をするにしても、「憲法に基づき」法律をつくり、条例を制定、政策立案、地方自治体の業務を遂行している。
 安倍首相は、国民に丁寧な説明をすると言いながら、安全保障関連法案が憲法に「合致している」という確かな説明をしていない。

 安全保障関連法案が、どうして国家の安全、国民の安全を保障するのか、確かな政策を聞けていません。だから多くの方が不安を感じ、今国会での成立を断念し、もっと慎重審議を徹底してほしいと願っている。

 安倍首相は、安保関連法案は限定的だが、新3要件に合致すれば、集団的自衛権の行使はできるという、超法規を制定したのです。
多くの憲法学者、元内閣法制局長、元最高裁判所判事等多数が憲法9条の範囲内ではないと明確に判断されている。安保関連法案のなかに、PKO法改定も入っており、現在南スーダンへ国連の支援活動として派遣。

 ところが法案の中には国連に関係のない、国際治安支援部隊への派遣も可能とされ、米軍主導の対テロ掃討作戦などへも派遣可能になる。「かけつけ警護」で、自分が攻撃されていないのに強力な武器使用をすることになり、殺し殺される状況、悪の連鎖を作ります。

 平和憲法の目指す方向ではなく、戦争する国になるのです。子どもの未来のためにも、国会での慎重審議を求めます。

たんぽぽだより 158号

子育て環境は縮小ではなく充実・拡充を

2015年11・12月 日本共産党川西市議会議員 黒田みち

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たんぽぽだより 158号はこちら(画像PDFファイル)

【1面】

子育て環境は縮小ではなく充実・拡充を

統廃合・子ども園新設を見直し既存施設の有効利用を

公園つぶしこども園建設

 グリーンハイツ(緑台中学校区)地域で街区公園の一部(約2000㎡)を壊して、民間認定こども園を誘致・建設する計画は、住民の反対で来年1月まで一時中断しています。地域住民は、財産である公園を壊すことや交通、安全問題、なにより住民への説明をないがしろにした事業者の募集に納得できず、白紙撤回を求めていますが当然です。

一方的に廃園、統合

 また、この地域では、市立松風幼稚園の廃園計画が、反ら対署名8885筆を無視して進められています。廃園の時期や跡地利用などで「市が決めたからと拙速に進めるべきではない。住民の声を聴くべきだ。」と意見が出されていますが当然です。

 さらに、緑台小学校と陽明小学校の統廃合もいっきに進められようとしています。「統合後の校舎はなぜ、陽明小学校なのか?」など、疑問・心配・反対の声も多く、市の計画の押し付けでなく「この地域の街づくりのあり方を丁寧に住民と共に考える姿勢を」の声にこたえるべきです。

壊すのでなく活かす

 緑保育所と牧の台幼稚園を統合し、認定こども園(130人定員)を建設するという大和地域の子育て施設。わざわざ2100万円もの解体費用をかけて耐震補強の必要もない牧の台幼稚園を壊し、建設費5億1800万円のこども園をつくる必要はありません。

 緑保育所は耐震工事が必要ですが、1500万円程度でできます。駅前の便利な緑保育所をつぶす必要はありません。改修の必要な加茂保育所は、すぐ横の廃園後放置されたままの旧ふたば幼稚園を改築して引っ越せば、改修費1億3千万円ですみ、遊休資産の有効活用にもなります。拙速な統廃合とこども園建設ではなく、既存施設の必要な耐震工事を行い、学校施設に子育てや高齢者、地域住民のための施設を併設するなど総合的に活用することこそ、生きた税金の使い方になるのではないでしょうか。小学校の統廃合が提案されている清和台地域なども同じです。地域住民の声や願いを聴いて、共に考えるまちづくりこそ行うべきです。

待機児童、市外流出に対応し 若い世代が住みよい施策を

 施設の統廃合の理由にされているのが少子高齢化・人口減少と施設の老朽化。しかし、保育所の待機児童は4月1日時点で53人、9月現在150人もおり、廃園する必要などありません。また、市立幼稚園の定員割れは、保護者の要望に応えられず400人を超える子どもが市外の私立幼稚園に“流一出”していることが原因です。市内の私立幼稚園では、「3歳児保育」「給食」「保育時間・日数共に保育所並み」が当たり前になっており、市は子育て施策を拡充し、人口減少させない、世代継承を行うことこそ急務の課題。近隣より早いスピードで進む高齢化に歯止めをかけるため、市民の願いを叶え、子育て・教育施設縮小ではなく、子育て環境の充実・拡充こそすべきです。

「丸山台3丁目(旧)焼却場跡地利用について」説明会
 11月29日(日)10時 北陵小学校体育館

丸山台超安値で売却!

 川西市は丸山台3丁目の約2.6ヘクタールの土地を売却する。第一種低層住宅専用地域・同中高層専用地域の宅地にもかかわらず、売却価格は平米当たり3500円。最低売却価格9210万円。北陵公民館裏の土地の売却価格は、平米当たり約43000円で、路線価はいずれも42000~43000円。このたたき売り、住民には知らせず、売却が決まれば業者まかせ…これを異常と感じるのは私だけでしょうか。

誰が責任とるのか キセラ川西に複合施設

 11月広報紙に「キセラ川西に複合施設」の記事。9月議会98億円を超える「複合施設・PFI事業」の契約。

 私達日本共産党議員団は、文化会館などの老朽化と耐震化の建替えは必要だが、57億円を超える建設費用を縮小すること、27億円を超える管理運営費(20年分)を含む、PFI事業98億円は、市の財政規模の身の丈に合わず、将来に禍根を残し、他の施策に悪い影響を及ぼす、20年先までの管理・運営の契約に誰も責任を取れないと反対しました。

 市民からもこの計画を考え直すよう請願が提出されていました。

 この間、お伝えしているように「キセラ川西」の開発(区画整理事業)だけで既に100億円を超えています。(同地域の中央公園・道路整備のPFI事業の契約会社と今回契約の会社は別会社ですが同一所在地)財政が厳しいからと市民には冷たく、開発企業には大判振舞の異常な中央部集中の税金投入を変えていきましょう。(以前の住宅街区整備事業で既に約350億円投入)

黒豆の声

【2面】

戦争法廃止の政府実現を

革新懇が全国交流会

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北野のり子だより 第24号

北野のり子だより

2015年11月 北野のり子

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北野のり子だより 第24号はこちら(PDFファイル)

  • 9月議会の報告
  • “98億” キセラ川西複合施設
  • マイナンバーは実施中止を
  • 川西市は11月10日頃、川西郵便局・川西北郵便局に到着予定
  • 緑台中校区 幼保連携型子ども園公募 一時中断
  • 小学校統合について

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2015年10月臨時会:北野のり子 平成26年度特別会計反対討論

平成26年度特別会計反対討論

2015年10月26日
北野のり子 議員

認定第7号、認定第8号、認定第10号、認定第12号について日本共産党議員団を代表して反対討論を行います。

○認定第7号 平成26年度川西市国民健康保険事業特別会計決算認定について反対討論を行います。

 26年度は、給付の伸び率や滞納対策過年度分の増、また特別補助金の受け取り等が主な要因となり黒字決算でした。

 保険事業では、この間、ジェネリック医薬品の差額通知の発送や人間ドック費用の7割助成、がん検診費用の無料化が行われ、26年度は、医療費通知や国保健康まつりの開催など状況を踏まえた事業内容に進展している点や応益負担の5割軽減、2割軽減の対象者を拡大し、低所得者に対する保険税が軽減されたことについては評価をしています。

 しかし、この年度は賦課限度額が後期高齢者支援分、介護給付金分がそれぞれ2万円引き上げとなり4万円増の81万円になりました。賦課限度額を引き上げ中間所得者への税負担に配慮されたものの境界層付近で国保税を納めている世帯にとって重い負担を強いるものとなりました。

 また、70歳~74歳の医療費窓口負担の1割から2割へ4月以降70歳になった人から順次、実施。国は、国費を2600億円削減できると強調しています。

 その影響額が市では、2千788万4672円、影響人数は、1,377人、ひとり当たり年間平均2万円の負担増となります。このままでは、必要な医療が抑制される危険性もあり、高齢者の生活と健康に深刻な打撃を与えることは明らかであり撤回をするべきです。

 一般会計からの繰り入れについては、平成26年度は、多人数子育て世帯への減免分、累積赤字解消分は法定外繰り入れを行いましたが、市は、平成20年に法定外繰り入れを見直し、特別会計にはなじまないと原則法定繰入のみという考え方を示しています。

 しかし、多くの自治体では、法定外繰り入れを行い保険税の上昇を防ぐため努力しています。2018年、都道府県単位化がスタートしますが、国保税は安くなるどころか、納付金でさらに高くなる可能性があります。市は、決算委員会で「時々の被保険者の負担感に配慮しなければならない。その状況を見て検討する」と述べられました。法定外繰り入れで保険税の上昇を抑制することを求めておきます。

 市独自 福祉支援では、新たに難病医療が追加されましたが、その分も合わせて1億2766万2980円の減額。既に全国市長会、知事会でも意見をあげておられ今年2月の国と地方の協議の場でも乳幼児医療費無料化など地方単独事業にかかわる国庫負担の調整措置の見直しが検討すべき課題にあげられました。さらに7月、総務省が厚生労働省への予算要望で初めて項目を独立させ「早期に検討を行い、廃止するなどの見直し」を要求しています。住民に喜ばれる支援策として拡充を進めてきた自治体の努力に対し減額という形でのペナルティはキッパリやめるべきです。

 また、収納率向上対策として徴収体制や滞納者との交渉強化、納税環境の整備、財産調査・滞納処分の強化が行われています。しかし、ご承知の通り国保は、所得のない人、低所得者、高齢者が多く加入しています。低所得の背景には、地域経済の影響で売り上げが落ちる、非正規労働者の拡大など自然現象ではない要因も多く、加入者の負担能力を超えた保険税の負担が深刻な状況を生みだしています。

 この間、コンビニ収納、マルチペイメントネットワーク、さらには25年度より市税収納課と共同で研究してきたクレジットカード収納、携帯電話での収納について平成28年4月より導入に向けた準備も進められています。収納方法の多様化、利便性が協調されていますが、クレジット決済の場合、インターネットで24時間いつでもどこでも現金がなくてもカード決済が可能だというメリットがある一方、税金をカード会社が市に立て替え払いする関係上、債権をクレジット会社が持つことになり支払いを延滞すれば市がおこなっているような相談に応じることもなく個人信用情報に履歴が残ります。情報漏えいの可能性、納付金額に応じた手数料もかかりデメリットもあります。国保の構造的な問題を根本的に解決しない限り、いくら収納率向上対策の強化や収納環境の利便性を図っても限界があり解決できません。

 「高すぎる保険税」は、必要な医療を受ける大きな障害となっています。国保制度は、『国民皆保険』実現のため、農業などの一次産業に従事する人たちのために発足したので、国保財政の6割近くが国庫負担でした。

 ところが1984年の改定を皮切りに、現在の約23%まで引き下げられています。減らされた国庫負担分を保険税に転嫁していることが高騰の大きな要因です。所得のない人、低所得者が圧倒的多数を占めている国保加入者の願いは、「暮らしを成り立たせ、支払い能力に応じた保険税で安心して受診できる公的医療制度」です。引き続き国に対し国庫負担金を増やすよう市としても強く意見を述べるよう求め反対討論といたします。

認定第8号 平成26年度川西市後期高齢者医療事業特別会計決算認定について反対討論を行います。

 後期高齢者医療制度は、年齢で区切り高齢者を別枠の医療保険に強制的に囲い込み負担増と差別医療を押し付けるという大きな問題のある制度であり、一日も早く廃止し、高齢者が安心して医療を受けることができる制度に転換するべきです。制度が続いている限り、天井知らずの保険料の値上げは避けられず、26年度は、すでに3回にわたる保険料値上げが実施され高齢者の生活を圧迫する重大な要因となりました。広域連合は、剰余金の全額活用、財政安定化基金を取り崩し保険料値上げの抑制を行いましたが、被保険者一人当たりの年間平均保険料が7万6702円、833円増となり、賦課限度額も55万円から57万円に引き上げとなりました。

 また、26年度は低所得者の軽減として2割、5割軽減の拡大が行われた年でしたが、その一方、国の「骨太方針」で、特例軽減の打ち切りを表明した年でもあり、平成29年度から本則に戻すという計画です。「特例軽減」がなくなれば、現在「8.5割減額」を適用されている人の保険料は「7割軽減」となり、保険料が2倍に引き上がります。年収が80万円以下で「9割軽減」を適用されている人の保険料も「7割軽減」となり、その場合は、負担が3倍に跳ね上がります。健保、共済の扶養家族だった人は、後期高齢者医療制度に移って2年以内なら「5割軽減」、3年目以降は「全額負担」とされ保険料は現行の5倍から10倍です。26年度は、市の9割軽減4207人、8.5割軽減2,316人でした。多くの対象者に大きな影響を及ぼし、まさに低所得・低年金の高齢者を狙い撃ちした大負担増が待ち受けています。

 また、保険料を払いたくても払えない制裁措置である市の短期被保険証の発行人数が159人でした。高齢者の医療抑制につながると懸念しています。現在、年金が減り続ける中、物価の高騰、消費税引き上げで多くの高齢者のくらしはさらに大変な状況です。

 安心して医療を受ける権利を保障することは、広域連合の重要な責務です。国・県に対して積極的な財政負担で保険料引き下げを求めることを申し上げ反対討論といたします。

認定第10号 平成26年度川西市介護保険事業特別会計決算認定について反対討論を行います。

 26年度は、第5期介護保険事業計画の最後の年。国保の賦課限度額引き上げに介護給付金分が含まれていることや消費税3%引き上げの影響がありました。

 高齢者のサービス利用をはばむハードルとなっているのが自己負担の重さです。サービス利用限度額に対する利用割合は、25年度、平均49.5%から26年度は、 51.3%へと0.8ポイント上がり5割を超えましたが、「介護の必要性」ではなく「いくら払えるか」でサービスの内容を決めざるを得ない実態があり、「保険あって介護なし」の状況を根本的に変えていくことが必要です。

 ましてや2割負担の導入や、「補足給付」の縮小などもってのほかです。低所得者の利用料を減額・免除する制度をつくり、経済的な理由で介護を受けられない人をなくすこと。施設の食費・居住費負担の軽減をすすめ、自己負担から保険給付へと戻すよう国に求めるべきです。

 特別養護老人ホームの待機者について、市内8施設の申込者数が797人、要介護1.2の申込数は329人、全体の41.3%を占めています。

 このような状況がありながら、今年度から特別養護老人ホームへの入所は原則として「要介護3」以上に限定されました。現在、特別養護老人ホームを利用している要介護1.2の入所理由の6割が「介護者不在、介護困難、住居問題」をあげています。

 国は、要介護1.2の「特例入所」を認めていますが、実態は「措置入所」の余地を残したというだけであり救済される人は極めて限定されます。また、入所から外される要介護1.2の人の受け皿も整備する計画も持っていません。市は、待機者解消に向け進めていくと言われました。見かけ上、待機者を減らすと言うことではなく高齢者が行き場を失い、介護難民にならないよう手立てすることをすることを求めます。

 要支援1.2と認定された人の訪問介護、通所介護が保険給付から外されることについて、市は地域支援事業として平成29年度4月開始に向け生活支援コーディネーターを派遣し地域の社会資源の把握に取り組んでいると述べられました。

 しかし、国は、これまでも要支援者へ在宅サービス、ヘルパー派遣の回数制限や1回あたりの介護時間の短縮など給付抑制を繰り返してきました。地域支援事業はさらに給付費の抜本的削減を図ろうとするものです。

 介護保険制度は、15年前、「家族介護から社会で支える介護へ」というスローガンをかかげて導入されましたが、負担増やサービス取り上げの制度改悪が繰り返され、「介護保険だけで在宅サービスを維持できない」状況。介護離職や介護破産、介護心中、事件や事故、さらに介護施設の倒産など介護を取り巻く環境は、ますます深刻化しています。利用者からサービスを取り上げる改悪や機械的な利用制限の仕組みを撤廃し、介護保険を「必要な介護が保障される制度」にするよう国に対して強く意見を述べること、市としても現状サービスを後退させないことを強く求め反対討論といたします。

認定第12号 平成26年度川西市中央北地区土地区画整理事業特別会計決算認定について反対討論を行います。

 土地区画整理事業について、事業推進における不透明さ、議会への報告の遅延、事業発注時、入札時点での設計の不備などが見受けられ、本決算を認定できません。

 提出された資料を見ても、平成26年度に発注、若しくは工期がかかっている事業、5-1工区は当初予算3358万円から変更後1億1231万円、3.3倍に膨らむ結果となっています。その他、決算資料の中にも平成26年度に絡む7事業の内容が報告され、特に6-1工区は、この事業の進捗全体を物語っています。平成27年1月28日の発注当初予算が9123万円でしたが、27年9月議会に議案として上程され、3回目の工事変更契約、2億7135万円と3倍に金額が膨らみ疑問が生じる変更です。

 どのような工事をするにせよ土地の状態を精査し発注金額を割りだしても多少の誤差が生じることはありうることです。しかし、発注そのものに不備があったのか3倍も膨らむ結果に理解、納得することができません。地中構造物については、コンクリートの埋設物がどこにあるか調査しにくいとはいえ、粘土は、3900m3、レンガは4000m3にもなりました。工事全体の3分の2は優にある改良区域は、広大な面積です。なぜ、当初設計に計上しなかったのかとても信じられません。発注設計は整地工事、土壌改良とあるものの、もともとの単価設定と今回の変更内容に大きな差がある以上改めて適正な単価なのか、「変更契約で済む」と言うことでいいのか、詳細内容を説明するべきことでもありました。

 土壌汚染対策については、平成27年1月の時点で既に土壌汚染対策法の変更で、県の指導が変わることや「土壌汚染対策」費用が膨らむことは想定できたはずです。

 また地中構造物については、工事区域内に土砂の仮置きをしていたとはいえ、工事発注時には、構造物の有無を調査してから発注をかけることは、土木工事の常識です。それを怠っていた、常識の範疇から逸脱している内容が多分にあり到底認められません。

 多くの職員がこの仕事に携わり、専門職員も配置されていますが、その機能が十分に発揮されていたのか、何が原因なのか、しっかり究明し、市民・議会へ明らかにすることを要求し反対討論といたします。

たんぽぽだより 157号

運営も内容も異常な「キセラ川西整備事業」

2015年10・11月 日本共産党川西市議会議員 黒田みち

2015_10_ku_157たんぽぽだより 157号はこちら(画像PDFファイル)

【1面】

運営も内容も異常な「キセラ川西整備事業」

議会最終日に請け負い議案を上程

幼稚園・保育所の廃止はやめて!

黒豆の声

【2面】

沖縄の総意 辺野古 承認取り消し

翁長知事、新基地建設阻止へ決断

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